WACK女川スタジアムが誕生 ネーミングライツ取得 渡辺社長「さらに深い縁を」
震災後に女川町と交流し、10年以上縁を紡ぐ音楽事務所(株)WACK(=ワック、渡辺淳之介社長)=東京都=が女川スタジアムの命名権者(ネーミングライツ)となり、名称は「WACK女川スタジアム」となった。町が企業と命名権契約を結ぶのは初めて。18日に生涯学習センターで命名式があり、須田善明町長や渡辺社長、ワック所属の人気グループBiSHのメンバーが参加。渡辺社長は「女川とさらに深い縁ができてうれしい」と喜びを語った。
ネーミングライツは、公共施設に企業名や商品名を冠した愛称を名付ける権利を与える代わりに企業から対価を得る事業で、復旧復興で増加した施設維持費を抑えることなどが目的。WACKは震災直後から女川と交流を持ち、町内イベントに所属グループが出演している。
町は年明けから命名権者を募り、唯一、ワックが名乗りを上げた。契約期間は4月1日からで同事業最長の5年間。金額は年間40万円。
18日は駅前商業エリアで所属6グループ計40人とファンがふれあうイベント「オナガワック」が開かれ、命名式はBiSHのライブ終了直後に実施。メンバーが「WACK女川スタジアム」と書かれたボードを掲げた。
須田町長は「本来は大きなドームとか(に命名するほどの企業)なのに、女川で良いんですかという気持ち。スタジアムではコバルトーレ女川の試合もあるので、多くの人に遊びにきてほしい」。渡辺社長は「メンバーも女川のイベントは社員旅行のような感覚で楽しんで来ている。さらに戻って来やすくなった」と喜んでいた。
BⅰSHのセントチヒロ・チッチさんは「全国の皆がたくさん女川に足を運んで、交流や買い物をしてくれるからこそ、(命名という)素晴らしいことにつながった。感謝したい」と話していた。
女川スタジアムは、災害公営住宅建設に伴い解体撤去された旧町陸上競技場の代替施設として清水二丁目に昨年1月完成。社会人サッカーチームの「コバルトーレ女川」の本拠地であり、指定管理も(株)コバルトーレが担う予定となっている。【山口紘史】