仮面ライダーリバイス出演の小松準弥さん 石巻での時間が今を形成 「みんな誰かのヒーロー」
いしのまき観光大使で「仮面ライダーリバイス」(東日本放送)に出演する石巻市出身の俳優、小松準弥さん(28)が23日、大使就任後、初帰省した。中瀬公園であった観光大使委嘱状授与式には多くのファンが詰めかけた。石巻日日新聞社のインタビューに応じた小松さんは「石巻で生きてきた時間が今の僕を作っている」と地元愛をにじませた。
小松さんが小学2年生の時、石ノ森萬画館開館イベントで初代仮面ライダー役の藤岡弘さんが立った同じ場所に帰ってきた。藤岡さんとの握手が俳優を志すきっかけとなった。
「いつか仕事で呼んでもらえる日がきたらというのが一つの目標だった」と感無量の小松さん。大勢のファンを目にして「皆さんとじかに会うことで励みになり、頑張ってきてよかったという気持ちになれた」と応援に感謝した。
ふとした時、古里を思い出すことがあるという。「思うようにうまくいかない時、今がんばらなくちゃいけない時」などに萬画館や日和山からの風景が浮かぶそうだ。
ファンの間で話題になったのは第13話の作品。小松さん演じる門田ヒロミが突然、「田舎に帰ってががの顔でもみでくっか」と、せりふに方言が入った。台本には標準語で書かれていたが、門田は石巻出身という設定でもあり、小松さんが監督に提案して承諾を得たという。「僕へのプレゼントみたいなものですね」と監督の思いを受け止めた。
ライダー出演後、都内で声を掛けられることが増え、今後も多くの作品との出会いが期待されている。小松さんは「いつかは日本アカデミー賞を獲りたい」と大きな夢を披露した。「自分が出る作品で、皆さんの人生が豊かになったらうれしい」と目を輝かせた。
最後に古里の少年少女に贈るメッセージを聞いた。「夢のある人、まだ見つかっていない人も、まずは周りの人を大事に一生懸命生きてほしい。みんな、だれかのヒーロー。僕も一人の石巻の少年だったので、皆さんと何も変わらない。一緒に頑張ろう」。【本庄雅之】