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1700人晴れやかに 石巻地方で成人式
「力強く、優しく、たくましく」
石巻地方で7日、二十歳を祝う「成人式」が開かれた。東日本大震災発災時に小学1年生だった世代で、対象者数は1682人(男869人、女813人)。市町別では石巻市1214人、東松島市399人、女川町69人。スーツや華やかな振り袖で着飾った若者たちは大人の自覚を胸に、夢や目標に向かって進む決意を新たにした。【山口紘史】
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石巻市は5日に行った桃生を除く、6地区で成人式を開いた。このうち石巻地区はマルホンまきあーとテラスで実施。コロナ禍の昨年までは中学校区単位で2回に分けて式を行っていたが、コロナの5類移行で、今年から一本化。4年ぶりに通常形式に戻した。
能登地震被災地に心寄せ
式には新成人約670人と来賓が参加。冒頭、令和6年能登半島地震の犠牲者らに黙とうをささげた。式辞で齋藤正美市長は「日々変革する社会の中で新たな価値を創造し、課題克服するのが皆の世代。国際的視野で社会の諸問題に関心を持ち、行動してほしい。感謝の気持ちを忘れず、石巻をはじめ日本の次代の担い手として明るい未来を切り開いて」と激励した。
新成人代表で誓いの言葉を述べた蛇田中出身の斎藤凪紗さん(東北学院大学経済学部2年)は「感謝の心と人とのつながり、そして『努力は人を裏切らない』という言葉を大切にこれからも歩んでいく。進む道はそれぞれ違うが、石巻出身者としての誇りを胸に、力強く、優しく、たくましく生きていくことを誓う」と決意した。
石巻日日新聞の取材に対し、斎藤さんは「能登半島地震で被災した方々を思うと心が痛む。私たちにできることは早く大人として一人前になり、人助けできる人材になること。成長を続ける」と語った。
アトラクションでは、各中学校の恩師によるビデオレターを上映。懐かしの顔がスクリーンに映るたびに会場には歓喜と笑顔が広がった。式終了後、会場外では新成人たちが仲間や家族との記念撮影を楽しみ、名残惜しそうにいつまでも会話に花を咲かす姿が見られた。
「夢に向かって進んでいく」
東松島市324人 歩み振り返り笑顔咲く
昨年から「二十歳を祝う会」と改称した東松島市の式は、市コミュニティセンターで開かれた。出席した324人(男184人・女140人)は友人との再会を喜び、笑顔で思う存分語り合っていた。【泉野帆薫】
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実行委による会のテーマは「StaRt~最高到達点への道~」。友人たちと過ごした日々を胸に、それぞれの道へスタートを切れるよう思いを込めた。
式辞で渥美巖市長は、震災で犠牲となった当時小学1年生7人の名前を読み上げ、「出席するはずだった同級生も含め、みなさんにとって素晴らしい会にしてください」とした上で「誰もが安心して暮らせる社会の実現に向け歩んでいってほしい」と呼び掛けた。
二十歳の決意では専門学生の千葉拓丸さんと接客業の本田楓佳さんが登壇。千葉さんは「環境は与えられるものではなく自分で作るもの。夢に向かって進んでいきたい」、本田さんは「大人としての責任に押しつぶされそうにもなるが、経験や知識を積みながら社会人として励んでいきたい」と述べた。
恩師からのビデオメッセージの上映があったほか、ロビーには小中学生時代の写真なども並び、思い出を振り返った。
「つながりと感謝忘れず」
女川町44人出席 郷土愛を胸に未来へ
女川町の成人式は町生涯学習センターのホールで開かれ、新成人44人が出席。多くの保護者も参加し、昔話に花が咲くなど開始前から和やかな雰囲気に包まれた。【渡邊裕紀】
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式では東日本大震災と能登半島地震の犠牲者に黙とうし、国歌斉唱や町民憲章の唱和が行われた。式辞で須田善明町長は「震災直後から今まで、町が希望を失わずに前に進めたのは、当時小学1年生だった皆さんの存在が大きい。これからも女川で生まれ育ったことを胸に秘めながら、力強く歩んでほしい」と未来ある若者たちの背中を押した。
新成人の誓いの言葉は、須田海斗さんと多澤聖菜さんが務め、「復興支援で感じた人とのつながりや温かさ、感謝の気持ちを忘れず、支えられる人から支える人へと成長したい」と話し、決意を胸に刻んだ。
式では、他にも代表者による「二十歳の抱負」の発表もあったほか、終了後は成人式実行委員会による記念事業があり、恩師からの言葉や思い出を振り返る映像上映もあった。
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