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能登半島地震から半年 震災恩返しの支援活動

石巻地方の住民 志賀町で汗

 元日にあった能登半島地震から半年。被害の大きかった石川県の市町では、仮設住宅の建設とともに被害を受けた建物の公費解体が進められている。そうした中、石巻市、東松島市、女川町の社会福祉協議会は6月28―30日、志賀町に被災者支援のボランティアバスを合同で派遣。2市1町から25―77歳の男女19人が参加し、東日本大震災で受けた支援に対して少しでも恩返ししようと、壊れた屋根瓦やブロック塀を災害ごみの仮置き場に搬出する作業などに汗を流した。

 参加者は28日早朝、関係者に見送られながら石巻市開成の市社協生活支援センターを出発。各社協から4人の職員が引率した。宿泊先の金沢市まで約10時間の道のりで、初日と最終日は移動日となった。

 活動日の29日は、志賀町北部の富来地区に開設されている災害ボランティアセンターから、3班に分かれて行動。指示のあった個人宅を訪問して軽トラックに屋根瓦やブロック塀、被災家財などを積み込み、災害ごみ仮置き場に運搬してそれらを積み下ろす作業が主になった。

志賀町で作業する石巻地方からのボランティア(石巻市社協提供写真)

 約13年前の津波で大きな被害のあった石巻市上釜町内会からも、3人が参加した。災害ボランティアは初という阿部貞男会長(76)は現地の人と会話もし、「多くの協力で自分たちは安定した生活ができるようになり、いずれ能登もそうなると伝えたらよろこんでいた」という。町内会として義援金募金もしたが、「現地で直接手伝いもしたかった。個人で行くのは大変なので、ツアーがあれば行きたいと思っていた」と話した。

3社協合同でバス派遣

 3社協合同での派遣は初めて。同行した石巻市社協地域福祉課の峯田貴博課長補佐(47)は「震災の恩返しをしたいという人から、ボランティアの問合せが多くあった。活動を通して少しでも思いを届けることができた」と振り返った。

 約8千世帯約1万8千人が暮らしていた志賀町では、地震で7380棟の住家が被災し、うち548棟が全壊。2人が犠牲になった。電気や水は復旧しているものの、町内だけでも5カ所に123人が避難。県全体の死者は関連死52人を含め281人、全壊した住家は8053棟にのぼる(いずれも6月27日現在)。【熊谷利勝】

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