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「花園の夢と未来」 ④展望 人も育て運動も拡大

 石巻南浜津波復興祈念公園に植えられた約40種類の木々が、森の様相を呈するまで少なくともあと10年はかかるだろうか。市民活動拠点で、こころの森を運営する古藤野靖さんが、東日本大震災で被災した母校の門脇小学校の校庭で苗を育て始めたのが原点。「木が成長したら、その下にアジサイとか花が咲く木を植えたい。遊歩道も作って、そこを歩けるようにしたい」と夢を描く。

 それには人を育てることも大切。今年、新卒で迎え入れた平塚美紀さん(22)は、宮城大学事業構想学群地域創生学類で学んだ新戦力。小学5年生の時に出身地の女川で被災した。「その時から心の復興にかかわる仕事がしたい」と学業に励んできた。「親しみを持たれる人間になり、会話を通して公園の魅力を発信したい」という。被災体験を持つからこそのリアリティは、来園者にも伝わるはずだ。

公園で働く新卒の平塚さん

 震災直後の4月11日に「がんばろう!石巻」の看板を立てた黒澤健一さんも、積み重ねた思いを大事にしている。5年ごとに作り替えた看板は、南浜から多くの生徒が通っていた門脇中学校(令和3年に石巻中学校に統合)の生徒の手を借りた。市民活動拠点完成を前に、看板の横にはサテライトスタジオを新設した。イベントの動画生配信などに活用したい考えだ。

 すぐ近くのアイリンブルークローバー花壇は、日和幼稚園の送迎バスに乗っていて犠牲になった佐藤愛梨さん(当時6歳)にちなんだ一画。愛梨さんが亡くなっていた場所に咲いていたフランスギクから種をとって育ててきた花が中心。アイリーンブループロジェクト実行委員会の会長すがわらじゅんいちさんは、一般社団法人バーズアイを立ち上げ、活動を拡大させようと奮闘しており、子どもの見守りを全国に広げようと取り組む。全国へ、世界へ。南浜が教訓の発信拠点になる。【本庄雅之】





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