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【石巻魚市場】 水産振興に金延べ板活用  商議所に1300万円寄付 9年前、長野から匿名で

 石巻魚市場は9年前に匿名で届いた2枚の金の延べ板(1枚1キロ)を換金し、26日、石巻商工会議所に約1300万円を寄付した。会議所は基金を創設し、いまだ東日本大震災の影響が続く水産業の振興につながる事業に拠出していく。

青木会頭に目録を渡す佐々木社長(右)

 魚市場の佐々木社長が会議所で青木八州会頭と面会し、寄付目録を贈呈した。

 震災復興は工事を伴うハード事業が進んだが、水産業の販路回復などソフト面の支援がまだ必要な状況。昨今の燃料費高騰など不安定な世界情勢が追い打ちをかける。市内では石巻川開き祭りが実質3年ぶりに行われ、秋には水産都市をPRする大漁まつりも開催予定。会議所の水産部会を構成する業界は個々に協賛できる状況になく、眠っている資産であった金の延べ板を活用することにした。

金の延べ板と須能前社長(平成25年2月)

 延べ板は平成25年2月、「地震津波支援協力会」という架空の団体名で、長野県内から須能邦雄前社長宛てに送られた。当時は1千万円相当の価値だったが、金の相場が上がり約1600万円で売却。税金を差し引いた全額を寄付した。

 佐々木社長は「金の延べ板をシンボルとして復興にまい進してきた。ようやく活用でき、一安心。送り主は見つからないままだが、石巻が上昇するために頑張っていることを感じてほしい」と望んだ。

 青木会頭は「石巻は水産業に活気が出ないと景気がよくならないので、ぜひ活用し、水産振興に役立てたい」と寄付の趣旨に沿う考えを示した。
【熊谷利勝】





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