私たちベストフレンドed
私の20歳の誕生日にドライブに連れてってくれて一緒に西野カナのBest Friendを熱唱した友達とはもう疎遠になっている。
だけど、過ごした時間はいい時間だった。誕生日に突然バッティングに誘ってくれたり、悲しいことがあった時は居酒屋でお酒を飲んで泣いたり大爆笑したりしてドラマの主人公たちみたいなベストフレンドだった。
初めて出会ったのは高校2年の春。移動教室であの子が隣座ってもいい?と話しかけてきたことがきっかけだった。
あの子は私が知らない私を知ってた。友達以外の人と話すとき、チラチラと相手の左胸を見るそうだ。あと、相槌のするタイミングが少し早いらしい。
私もあの子が分かってないあの子を知ってる。嘘笑いしてると鼻がピクっと動く。足を組み直すとき、高確率で足首を回す。写真を撮るとき何故か目を細めている。
もうあの頃のように笑い合えない、二度と会わないかもしれないけど、この先も変わらずに喫茶店巡りが好きで、ホットコーヒーにスティックシュガーを半分だけ溶かしていてほしい。
私はずっと忘れない。
元気で過ごしていますように。