お香
朝起きると、父親の書斎からはお香の香りが漂ってくる。
今に始まったことではない。
生まれてこの方、家の中はお香の香りが酸素のように漂っていた。
父親も、母親も、そして私も。
お香が好きだ。
父親は毎日のように焚いている。(おそらく)
私もなるべく焚くようにしている。
母親は焚くより部屋に置いといてる姿しか見ない。
ちなみに弟は全く関心が無さそう。
鬼頭天薫堂のお香が好きで
お香がなくなると母親が鎌倉へ行って
お香を買いに行く。
最近、それについていくようになった。
1、2年に一度か二度ぐらいだろうか。
ちなみに私は白檀のお香を焚いている。
由比ヶ浜という鎌倉らしいお香の名前。
花の香りもある。
でも白檀ばかりを焚いている。
そんなお香が間もなく切れそうだ。
父親も母親も切らしてしまったらしい。
梅雨の時期になれば紫陽花が見頃を迎える鎌倉。
このタイミングでお香も買いに行けたらと
思っていたところである。
思えば年に一回は鎌倉へ出向いていた私。
毎回お香を買っていたかと言われたら嘘になるが。
できるだけお店に出向いて買いたいと思ってはいるが
このご時世、オンラインで買わざるを得ないか…。
早く鎌倉へ行きたい。
お香を買いに。
オリバー。