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「好きなことをやるためには心の余裕が必要だ」~WEBラジオくるみの日々酒、第十夜~

皆様こんばんは、KURUMIです。

毎月第2、第4金曜日の夜21:00にyoutubeと、ここnoteにて同時更新中
WEBラジオ「くるみの日々酒」今夜で10回目の更新です。

お酒を飲みながら日々感じたことをぼやきつつ
毎回1曲、私の今聞いてほしい曲を選曲して
その曲の何が好きなのかを熱く愛情込めて語ったりしています。

今夜はPhoenix(フェニックス)の4thアルバムwolfgang amadeus phoenixからFencesをセレクト。
この曲について熱を込めて語っている部分は、YouTube「くるみの日々酒radio」後半のコーナー「この曲を聴いてくれ」で聞けるので、音楽好きの同志は聞いてくれたら嬉しいです。


「前回のくるみの日々酒」

前回は、私がまじで片付けられない女だということを赤裸々に暴露したのち、「片付けられない自分」とどう向き合って攻略していったのかという私の戦いの記録を綴りました。

お片付け戦争は私の中でもまだ続いていますが、私と同じように「片付けられない自分」と戦っている誰かに、一人じゃないよと伝えたかった。

あとは「片付けられないこと」に関して、ちょっと言い訳してみたかった。笑

片付けるって奥深い。
私もまだ、戦いの途中である。

「片付けられない私のお片付け攻略法」~WEBラジオくるみの日々酒、第九夜~


さて、今宵も飲みながらゆるっと文章を綴ります。

ビール、日本酒、ワイン、焼酎、スピリッツ、、


アルコールはジャンル問わずなんでも好きな私ですが
やはり家飲みはコスパダントツ一位のウイスキー!

ということで最近は価格帯2000円以下のウイスキーを
かたっぱしから試しています。


本日は「1969年以来、英国ナンバー1の売上を誇るスコッチウイスキー」
と、名高いベル オリジナル スコッチウイスキーをセレクト

いつも通りサクッとソーダ割でいただきます。
まったくクセのない味なので、私はついつい濃いめにしてしまう。


ウイスキー臭さが苦手な人でも入りやすいお味です。
まあ、今日は金曜日だし、多少濃いめでもいいか。

準備は万端!
今夜の相棒は君に決めた。


「自分が何を好きだったのか、忘れてしまった」



今からほんの1~2年前、私はものすごく目まぐるしい日々を送っていた。

一度でも経験した人はよくわかると思うが
アマチュアバンドマンは、本当に忙しい。

世間のイメージ的にはゆるっと生きてそうなバンドマン達。
ただ酒飲んでクズみたいな生活を日々送るだけ、では決してない。
当然人によるとは思うけど。

音楽活動、バンド活動には儲かってようが儲かってなかろうが
とにかくお金がかかる。

強力なパトロンがいれば別だけど
(親、家族、恋人、とにかく金銭的に援助してくれる存在等)

大体のアマチュアバンドマンはアルバイト必須だ。

しかも
・髪色をはじめ見た目が派手な場合が多い
・ライブや遠征やレコーディングなどで休みがち

という条件をクリアできる職場じゃないといけない。
アルバイトをする上ではなかなか難しい条件だ。

限られた時間の中で、結構しっかり稼がないと生活が成り立たない。

知名度がないバンドほど(売れてない、稼げていない)
人を雇う余裕など当然ないので
曲の練習はもちろん、それ以外の雑務も
全てメンバーだけでこなさなくてはならない。

実際ものすごい作業量である。

メインの売り物である音楽。
それを作り上げるための練習時間を維持しつつ、膨大な量の雑務をメンバーで分担してこなし、常にSNSで発信し続ける傍ら、活動にかかる費用(プラス自分の生活費)を捻出するために隙間時間をぬって稼がねばならない。

結果として睡眠時間を削ることになる。
私の場合はそうだった。

当時の私にとって一番好きで、一番やりたいことが音楽で、バンドだった。

バンド活動を自由にやるため、夜勤の事務作業のアルバイトをしていた。
深夜帯がメインである夜勤は、バンド活動と被る時間も少ないうえ深夜手当も貰える。条件的にはぴったりだったのでとても助かった。

仕事終わりの朝方、そのまま寝ずにベースを背負ってスタジオに行く日常。
20代は大体そんな感じで過ごしていた。


ある日ふと気づいた。

大好きだったはずの本が読めない。


時間も忘れて没頭するくらい夢中だった読書。
そういえば、何年もまともに本を読み切っていない。

改めて本を手にとっても、目の前をさらさらと活字が流れていくだけで
なんだかうまく読むことができない。

言葉の意味が入ってこないのだ。
文字をなぞって読んでみても、頭に言葉の意味が伝わっていかない。


おかしいな
私、いつから本を読まなくなったんだっけ?
その時点ですでに思い出せない。

まあいいか
今は疲れてるだけだろうし
今度もう一度読もう。


そうして本を閉じる。
その繰り返しで日々が流れてゆく。

「貴方は本当に本の虫ねぇ」

母がそう言ってあきれるくらい本にかじりついていたはずの私は
その後何年も、一冊も、本を読み終わることができなかった。


「好きなことは、一番最初にできなくなる」


ここで私が言う「好きなこと」とはつまり趣味にあたるものを指します。

・やってもやらなくても別にいいもの
・何の責任も発生していないもの
・ただ自分の心が豊かに、幸せになるだけで、やらなくても別に生きられる

そういう類のものです。

私にとってはそれが読書であり、映画をみることであり、文章を書くことだった。

やってもやらなくても誰にも迷惑をかけない。
ただ、その好きなことを実行することで自分の心に栄養を与えることが出来る。ある種の満足感が得られる。

ただ好きだからそれをするのであって、誰かに強制されるものではない。

だから何も意識しなくてもできて当たり前。
だって好きなことだから。

と、思っていました。


しかし慢性的に睡眠が足りていない生活が長期的に続き、
それに伴って適当な食生活も続き、
常に時間を意識していて、
何かしらの締切が常にある状態でずっと過ごしていると、

一番最初に出来なくなるのがまさに「好きなこと」だった。


慢性的な睡眠不足は、心の安定とバランス、そしてなによりも「集中力」を奪っていく気がする。もしかしたらこれは個人差がすごく出るかもしれない。私の場合はそれだった。

とにかく常に時間がない。全然足りない。
やりたいこと、やらなければならないタスクが日々山のように積まれていき、こなしきれていない自分をとても責めたくなる。

そうやって時間に追われ続け、私の集中できる持続時間がどんどん短くなるにつれ、タスクをこなすスピードが低下していく。

シンプルに私の能力値が下がっていく。
必死すぎて本人はそれに気づけない。

今振り返るとめちゃくちゃ効率悪いことやってるなって思う。

もっと単純に、ちゃんと眠る時間をとれれば
結果的にもう少し効率よくタスクをこなせたのではないだろうか。

当時は毎日全力すぎて自分の手元しかみえないような状況だったから、そんな簡単なこともわからなかったな。


時間が足りない!って感じていると自然に「やりたいこと」よりも「やらなければならないこと」が優先される。

本人も意識しないまま、大好きだったはずの「やりたいこと」から先に消去されるのだ。そういう風に生活がカスタムされていく。

それで足りない時間の中、なんとか「やらなければならないこと」から片付けていく作業に入るのだ。


でも「やりたいこと」って多分、心の栄養剤みたいなもので、
点滴に近い何かなのではないかと思う。

だから何年も好きなことがやれないままでいると、どこかのタイミングでエネルギーが枯渇してしまうのではないだろうか。

この辺の体力もきっと相当個人差が出る。

だからまだこの経験をしていない人が共感したり、共有したりするのは難しいし、世代はもしかしたらあまり関係ないかもしれない。

ずっと点滴も栄養剤もなしでひたすら何年も走り続けられる人もいるし、そうじゃない人もいる。

結局、自分で自分の状態に気づくしかないのだと思う。



本を読むこと
映画をみること
文章を書き連ねること

全て私にとっては簡単なことだったはず
むしろわくわくするような
やりたくて仕方のないような
そういう類のものだったはずなのに

最後の方ではもはや活字がほとんど読めなかった。

映画も、考えさせるような作品や、難しい作品は特に見ることができず、頭をまっさらにしていてもみれるような単純な作品じゃないとダメだった。

映画館に行けばなんとか最後までみることができたけど、家ではもう2時間の映画を最後までみる集中力と体力はなかった。30分のアニメをみるのでギリギリだったな。

文章はとにかく書き終われなかった。
元々言葉をまとめるのが苦手な性質も手伝って、書き始めても書き終わる体力がのこされていない。書きかけでぶん投げてしまう。
次第に何も書かなくなった。


でも当時は全部自分の好みが変わったのせいなのだと思った。
不思議なのだけど、睡眠不足や余裕のない生活のせいだとは思わなかった。

なぜかはわからない。

その生活の中で、たまたましっかり眠れたり、時間に余裕があるタイミングがあったとしても、全然本を読もうという気にはなれなかった。

ただベッドに転がり、スマホをぼんやり眺めること以外は、何もできない。というか、何もしたくなかった。

私はかろうじて音楽を聴くことだけはできたけど、それ以外の好きなことは何もやれなかった。


「好きなことは、自然に帰ってきた」


慢性的な睡眠不足による集中力と体力の低下は、たかが1~2日たっぷり寝たくらいじゃ全く解決しない。

好きなことをやれる体力と集中力がもどってくるのは「時間に余裕のある生活」を少なくとも半年以上、私の場合は1年近く続けないとダメだった。


私はもともと運動とか大嫌いだし、そもそもの体力がなくて、あのとんでもないスケジュールをほとんど気力と若さで乗り切っていたタイプなので、早目に体にガタがきた。

自覚せざるを得ないレベルで慢性的にだるい。おなかいたい。あたまいたい。


それが毎日続いているので、慢性的に具合悪いことに慣れてしまうほどだ。
バイトも遅刻することが増えてきて、徹底的に朝起きれない。

20代後半にさしかかると、さすがにヤバイなと自分でも感じていた。

だから30歳までにはとにかく夜勤の仕事はやめて、なんとか他の方法で生きる道を探して、生活スケジュールを組みなおす必要があると思った。

前みたいに好きなことをやれる余裕のある生活にしようとか、全然思わなかったし意識してなくて

シンプルに「いや私まじで身体やばそう」っていう危機感からである。

逆に、体力に不安を感じなければそのままの生活を驀進していたかもしれない。



いろんなタイミングが重なって、結婚して引っ越して、かと思ったらコロナに巻き込まれて、私の中で優先度1位だったバンドは活動休止になって、

もうここしかないと思って、仕事も引越しと同時に一新して

月に1〜2回程度だったお休みを週休2日に切り替えて

そして
知らぬ間に本を1冊さらっと読み切っていた。

びっくりした。

何年もできなかったから、時間があるタイミングでも読めなくなってたから、もう本が好きなのは過去のことかもしれないと自分でも思ってた。

そして毎週のように映画をみている。
土日は4本くらい見るときもある。

最後までちゃんと、見ることができる。

誰に言われたわけでもなく自発的にwebラジオを始めて、月に2回は5000文字近い文章を書き終わることができるようになった。

生活スケジュールを変えて、身体を整えようとしていただけなのに、かつて好きだったことが勝手に私の中に帰ってきてた。

知らない間にまた好きなことをできるようになっていて、

「好き」を実行した時にもらえる、この栄養がどれだけ自分にとって大切なものだったのかを思い出したのだ。


好きなことは、多分多少頑張らないとやれないのだと思い知った。

然るべき睡眠を継続的にとって
最低限のバランスを整えた食事をとって
適度に運動して
毎週予定が無くても休みを取る

予定が無い休みの重要性。
ずっと、予定が無いと休んじゃいけない気がしていた。

馬鹿みたいに当たり前のことしか言えないけど

こういう、馬鹿みたいに当たり前の生活を送るのってすごく、私にとっては難しかったから

すぐ一生懸命になりすぎて視界が狭くなってしまうし、そうなると自分の手しか見えなくて、

そういう一生懸命が正解とはとても思えないし言えないけど。

それでも、がむしゃらに毎日を踏ん張っていたあれを経験したからこそ、今の自分を好きだと思えるのだということもまた本当だなと最近はそう思ったりします。


今は

沢山本を読んで映画をみることができる集中力と体力、長い文章を書き切ることができる気力、

それをやったことによるこの幸福感

そういう、私の中に帰ってきてくれた
かつて大好きだったモノたちを

改めて大切にしたいなと、しみじみ思っています。

寝るって大事。
ほんっとに。笑

眠れるハーブティーを買いあさる今の生活を、わりと愛おしいと思えているのは良かったな。


ということで、次回更新日は4/9(金)21:00~
またここで乾杯できたら嬉しいです。


Podcastでもくるみの日々酒が聞けるようになりました。
下にリンク載せておくので、聞きやすい媒体で聞いてみてくださいね。

それでは皆様、よい夜を。

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