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毎日のようにポスティングされるDMとチラシ。皆さんはどこまで目を通しているでしょうか。ざっと確認した後は、何気なく古紙回収行きという方が多いのでは?

私の場合はというと、目を通すどころかひよこの鑑定士よろしく(正しくは『初生ひな鑑別師』というそう。へー!)、パッと見の絵面や字面で瞬時に仕分けをしてしまっています。つまり、内容なんて読んでいないのです。ともすると、チラシの存在は“広告”ではなく本当に“ただの紙”と化してしまうんですよね。

膨大な古紙をリサイクルに出す度に、なんとかしなければとずっと気になっていたのですが、ようやく重い腰を上げて対策をしてみました☺︎

1.  ちょっと待って!その紙、本当にリサイクルできる?


本題に入る前にちょっと分別のお話を。
仕分けの際に参考になるリサイクルのマーク「♻︎」ですが、表示がないものも多くありますよね。「マークが無いけどなんとなくこれはリサイクルできそう」と分別したその古紙、もしかするとごみとして廃棄されてしまっているかもしれません

古紙はその品質や特徴に応じてそれぞれ異なる紙の原料に使われます。しかし、中には禁忌品(きんきひん)と言って製紙原料にならないものも数多く存在するのです。

公益財団法人 「古紙再生促進センター」の公式HPでは

古紙をリサイクルするときに大切なことは、古紙を種類ごとに分別することの他に禁忌品を混ぜないようにすることです。その理由は、禁忌品が混ざると生産工程での機械トラブルや不良品の原因になるからです。禁忌品が古紙に混ざらないようにしましょう。(紙リサイクルの基礎知識より)

と禁忌品に関する注意喚起を行っています。

ではそもそも禁忌品とはどんなものなのか?
いくつか代表的なものを挙げてみました。

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<禁忌品の例>
①カバンや靴などに入っている詰め物
②匂いのついた紙(ピザの段ボール箱や石鹸・柔軟剤の包装箱など)
③食品のついた紙(ケーキやドーナツなど食品を直接包装した容器)
④防水加工やコーティングされた紙(紙コップやカップ麺など)
⑤感熱紙(レシート)
⑥カーボン紙(宅配便の伝票など複写したもの)
⑦果物類のクッション材(着色した色の濃いもの)
⑧印画紙(写真)
⑨硫酸氏(クッキングシートやチョコの仕分けに使われているものなど)
⑩圧着紙(公共料金の請求書など)
⑪粘着性のあるもの(シール、テープなど)
⑫不織布(マスク、お手拭き、包装紙など)
⑬感熱性発泡紙(点字印刷物や立体コピーがされたもの)
⑭合成紙(ストーンペーパーなど)
⑮箔押しされた紙(裏側が銀色のパック飲料や、金銀の折り紙など)
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いかがでしたでしょうか?
私はかなり細かく分類できていると自負していたのですが、想像以上に徹底した分別が必要なことが分かりました…!

恐ろしいのが、あくまでもこれらは禁忌品の1部ということ。窓付き封筒などのようにフィルム加工がされた複合素材のものや、両面テープがついている封筒、左右に引っ張るとプラスチック等でコーティングされていて伸びるものなども全てリサイクル除外品になってしまうんです。
さらに煩わしいことに、リサイクルマーク♻︎に“紙”と書かれているものであっても禁忌品に引っ掛かるものがあるんですよね。

これ全部仕分けないといけないなんて、なんて手間なんや…。

さすがに禁忌品全てを覚えきるのは無茶な話なので、「これ大丈夫なのかしら?」と思った時は、ぜひ古紙分別チェッカーで検索を。
また、リサイクルに関する情報も詳しく載っていますし、理解度クイズがあったりと楽しいので「古紙再生促進センター」さんのHPもよければチェックしてみてくださいね!(漂う回し者感。)





2.  チラシを“ポジティブに”断るためには?

さて。そうと分かればすぐにでもできる対策は、

①Refuse:不要なものは断る
②Reduce:必要なものを減らす


ことですね。買わない、貰わない、断るを徹底していきたいと思います。

DMの場合は、送付先に断りを入れればすぐに止めてもらえるので、まず取り掛からねばならないのが、宛名のないチラシや情報誌はいらないという姿勢を示すこと

タイミングが良いことに、最近マンションの古かったポストが一新されたので断りの文句を貼るスペースが増えたんですよね。これは嬉しい☺︎


まだ誰も貼ってない。やるなら今しかありません!

ただ、参考にしようと色々なポスティング対策の画像検索をしたのですが、どうしても「チラシ不要」・「セールス不要」・「勧誘物の無断投稿一切お断り!」・「悪質な場合は警察に通報します」などキツイ言葉やネガティブなものばかり。そしてなんだか冷たい印象だし美しくないですよね。。。


せっかく意思を表明するからには、楽しくて尚且つゼロウェイストを知ってもらうきっかけを作りたい!「なんだ?」と思わせるものにしたい!


そう考え、辿り付いたのが布に刺繍をするという方法。シールはポストを汚してしまうし、紙だとすぐにボロボロになって飛んでいきそう。ラミネートをしてしまうとリサイクルができなくなってしまう。けれど布ならば優しい感じもするしいいのでは?!

というわけで、商品づくりに向けて刺繍も練習したいなかったので早速第一弾試作品を作ってみることに。

作成中の様子。糸も一本一本無駄にしないように。ちくちくぬいぬい。


刺繍終了!早速ポストへ。留め方はちょっと特殊なアルミテープを貼り付け、そこに紐でくくって取り外しが出来るようにしました♩


アルミテープに刻印した宛名もつけて、じゃん、完成!


が。

こだわりすぎたし、変に情報を盛り込みすぎて思っていたより分かりづらいし読みづらい…。ピンと布を貼って刺繍をしたつもりでしたが全体的にくちゃっとした感じに;;

やっぱりシンプルが一番ですね。やりすぎました。笑

でもめちゃくちゃ入れにくくはなったし、「なんだこれ?」とはなるかな。ゼロウェイストの認知が広がるかはなんとも微妙。見切り発車過ぎましたね^^; 配達員さんイライラしちゃいそう、ごめんなさい…笑


ですが、まずはこの状態でどのような結果が出るのか1ヶ月ほど様子を見たいと思います!




3.  先陣を切ることのススメ

結果としてちょっと納得のいかないものになってはしまいましたが、何事もやって見ないと分からないですよね。ここからより良い形にアップデート
していければと思います!まずは「何これ?」「ゼロウェイストってなんなん?」と思う方が一人でもいれば上出来ですね。

今回、見切り発車だとしてもなるべく早くこの”刺繍貼り布”を作りたかったのは、天敵がいるかもしれない海へ魚を求めて果敢に飛びこむ1羽のペンギンのように、リスクを恐れず挑戦する「ファーストペンギン」になりたかったからなのです。

ゼロウェイストを始める以前は「ゴミになってしまうくらいなら、きちんと分別をして少しでもリサイクルに貢献したい」と思っていました。けれど自分がどれだけ頑張ってリサイクルをしたところで、ルールを守らずに廃棄している人がいる限りその努力は報われません。

ならば、少しでもリサイクルからあぶれてしまっている古紙たちを救うべく、根元を断つ方法を発信する方が良いのではないかと考えるようになったのです。


もちろん古紙はきちんとリサイクルさえ行えば、新たな商品に生まれ変わりますし、チラシを撲滅させようという意図や、周りの人に無理やり勧めるつもりもありません。ですが地球を守るためにも、もう少しだけペーパーレスな社会になっても良いのではないかなと思うのです。

微力ではあったとしても、紙リサイクルに意欲的に取り組めるようなしくみや小さな変化を起こしていけるよう、引き続きこつこつ進めてみます♫

皆さんもよければファーストペンギンになりませんか?
そのチラシにNOという勇気を!


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小尾野 響(こびの・ひびき)
ゼロウェイストホーム研究家🌏
“美しく楽しく豊かに”行えるゼロウェイストを提唱中。
世界に大幅な遅れを取っている日本にゼロウェイストのムーブメントを起こしたい!
現在の夢は、地球に優しい商品を集めた自分のお店を持つこと。
脳科学学習塾 RAKUTO箕面校 講師。
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(写真=Pixabay)




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