【ネパール滞在記】意気消沈な誕生日と、こげこげのウインナーと、決意表明
先月、ネパールにてまた一つ歳を重ねました。齢34歳になってしまいましたが、誕生日はやっぱり幾つになっても嬉しいものです。老化ではなく進化だと思いたいですね。
当日は1ヶ月続けていたファーマーズマーケットもお休みをして、久々にゆったりとした時間を過ごしました。身も心も回復した感じがします。
ただ、ずっとHappyだったネパール生活で、久々に堪えた出来事があったので、今日はそのお話しができたらなと。長くなりそうですがお付き合いください。
今年はネパール式の誕生日?!
さてさて。ずっと楽しみにしていた自分の誕生日。
というのも、ネパールでは誕生日を迎える人がみんなに日頃の感謝を伝え、チョコレートなどを配ったり、ご馳走をするという文化があるのです。だからこそ、8月に入ってからというもの、私もオフィスメンバーに「誕生日会するから来てね!」と口すっぱく伝えていたのでした。
みんなも日が近づく毎に「あと何日だね!」と楽しみにしてくれている様子。その雰囲気に呑まれ、どんどんボルテージは高まって、せっかくなら楽しい会にしようと、友人のお店に頼んでケーキも予約し、いろんな人に声を掛けていたんですよね。
カオス、全てが思い通りにいかないもどかしさ
ところが当日のこと。一足早くオフィスを出ようとしていると、なんだかみんなが慌ただしい。どうやら大事な仕事のレポートが終わっていないらしく、普段なら談笑をして帰宅の準備をしている時間に、全員がラップトップと睨めっこをしているのです。
(これ、ネパールあるある。前もってという感覚がないので、仕事は前日に慌てて片付けます。笑)
「今日パーティー来れそう?」と聞くとみんな苦い顔。「なんとか終わらせて行くね!」と言ってくれたのですが、なんだか望み薄な感じがこの時点で既にしていたのでした。
もし来られなかったら、それはそれで仕方がない、と割り切りつつも、せっかくの誕生日なのにな…と、いい歳をしてしょんぼり。帰宅してパーティーの用意をしていてもなんだか気が乗らず、でもみんなを既に招待してしまっているしな、とノロノロ準備を進める。
ようやく支度が整い、家を出ようとしたところ、タイミング悪くそれはもう土砂降りの大雨で。タクシーもなかなか拾えず、髪も服もびしゃびしゃ。この時で既にみんなとの約束の時間を10分も遅れてしまっていました。
ようやく会場に着いたのが7時半。
ネパールは公休日が土曜日の1日だけなことから、盛り上がったらいいなとの願いを込めてフライデーナイトをパーティーの日に選んだのに、客足も悪くなんだか静まり返っている。私が招待していた家族や友人がちらほらいるばかり。しかも、コミュニティが違う人たちを誘っているのでみんなバラバラに座っている…。案の定オフィスメンバーも来ていない。
ああ、どんどん計画が狂っていく…!
そして、ただでさえ下がるテンションに追い討ちをかけるようにダメージを与えたのが、自分の身なり。
直前まで流石に気合い入れすぎかな…と迷いつつも、主役だしせっかくなら!と、古着屋さんで上下600円で仕入れたレンガ(いわゆる冠婚葬祭時に着るネパールの民族衣装)を着て会場に向かったはいいのですが、みんな当たり前に普段着なので、やっぱり1人明らかに浮いているんですよね。
もちろんみんなにドレスアップしてきてねと伝えていなかったので当たり前なのですが、なんだか己の姿が滑稽で、どんどん心が闇の世界に引っ張られていく…笑
孤独と不安、襲ってくるネガティブ。
恥ずかしさ、申し訳なさ、ぐちゃぐちゃに混ざる感情。
あまりの浮かれぽんち具合に、そして中途半端な盛り上がり具合に、どうしようもなく居心地が悪くて、ひっさびさに心が悲鳴をあげていたのでした。
ジャパンシックという、初めての感覚
それでもなんとか楽しんでもらおうと足掻き、ひとまず準備していたたこ焼きを作ってみることに。あの瞬間は、とにかく場を持たせないと…!と、必死なのでした。
とりあえず、たこ焼き作戦は大成功。みんなが美味しいと言ってくれて、少しの間場が和む。ですが、作る手間と反比例して、食べるのなんて一瞬なんですよね…笑
なんとか繋いだはずの時間はすぐにまた虚無へ…。
ついには「響、今日のこの後のプランは?」と誘っていた友人に言われてしまう始末…。
結局、ろくにもてなせないままに時刻は22時頃を迎え、ケーキカットまで参加することなく招待客の多くがそれぞれ帰路についたのでした。
みんなをHappyにしたかったはずのパーティーなのに、Sorryをずっと言っている自分がなんだかとっても情けない。
なんたる消化不良、そしてやるせなさ。
ネパールを初めて訪れてこのかた15年、恐らく孤独を感じたことってほぼなかったんです。考えることや悩むことはあれど、いつだって楽しかった。
でもこの時ばかりは、大袈裟かもしれませんが、どうしようもなくひとりぼっちな感じがして、心がザワザワ落ち着かない。とにかく日本人に愚痴りたい…!母国語で話がしたい…!
そんな初めての心の悲鳴に、自分でも戸惑ったのでした。
いつだってポンコツな自分を認めるということ
次の日の朝。
空腹ではなかったけど、昨夜の1人反省会を行いながら、たこ焼きの材料で余っていたウインナーをひとまず炒めていた時のこと。手持ち無沙汰だし、みんなにパーティーに来てもらったお礼を送ろうと携帯を触ってしまったが最後、つい全集中。
気がついた頃には視界がぼんやり、焦げ臭さと共に煙が部屋に充満。
ああ、やってしまった。
でもなんだか、このまるこげのウインナー事件が、あまりに私らしいし、今の自分のようだな、と、我ながら可笑しくて。ちょっぴりズタボロの心を回復させてくれたのでした。私は幾つになっても相変わらずのポンコツで、それでも、それを認められるようになってきたよな、なんて。
人生は、なかなかうまくいかない。でも、だからこそ面白いし、味わい尽くさなくては!と、真っ黒なウインナーを眺めながら思うのでした。
それでも私は…
ちなみに誕生日会空回り事件(笑)の話には一応続きがあって。
なんと夜中10時半過ぎに、オフィスメンバー数人が駆けつけてくれたのでした…!
どうしようもなく心細かったタイミングで、みんなの顔を見た時は安心感と嬉しさで、大人気なく涙が溢れる始末。
「なんで泣いてるの?」と言われてもうまく感情を伝えられない。そこがまた悔しい。とにかく嬉しいんだと身振り手振りで表現してみる。
その後12時にはケーキカットを行ったのですが、ネパールの家族がスクリーンと曲も流してくれて…。色々な疲れやが一気に吹き飛んだのでした。
みんなと別れる時には笑顔に戻っていた単純なわたし。
ジャパンシックは感じつつも、帰りたい!とは思わなかったところがネパールへの愛の深さだなと我ながら思うのです。
けれど、この2ヶ月間は、言葉が通じなくて悔しい出来事が例年以上に多くて。特に誕生日パーティーでの出来事は、わたしがもう少しネパール語か英語が話せて、場を持たせられていれば、こんなにも気に病む必要はなかったんですよね。だからこそ本当に本当にやるせなかった。この15年はなんだったんだと。
でも、それでも。わたしはこの国で生きていくと決めたから。
また一からのつもりで、みんなとの関係や言語を深めていこうと、この2ヶ月で思えたのでした。
限界まで沈み込んだ悔しさをバネの反動に、これからもっといろんな事がネパールでできるようになりたい…!みんなのことをもっと知って、日常会話だけでなく、内面の話ができるようになりたい!!
もっとコミュニケーションを取る、言語を使い倒す。
そして来年こそはみんなが笑顔になれるパーティーができるようになろう。
今は、そんなモチベーションでいるのでした。笑
そう久々に欲が出ている今日この頃です。
このネパールでの足掻きを今後も記録していこうと思うので、よければ引き続きお付き合いくださいませ☺︎
それでは、ナマステ!!
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?