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アルモンデごはん 8月満月を過ぎ9月へ
この夏は終わらないんじゃないか…と思うほど、暑い日々が続いていましたね。それでも9月に入り少しずつ秋の気配を感じています。ひどい汗かきの私は夏の間ほぼ毎日、汗に濡れたパジャマの襟の不快感で明け方に目が覚めていました。が、ここ数日は朝までぐっすり眠れています。ありがたや…。
秋冬が大好き。だから9月はこれから訪れる美味しい季節の扉が開くワクワクの月です。楽しみ楽しみ。
8月満月を過ぎ9月を迎えるごはん
<8月28日>
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和えものが好き。普段は野菜だけ、野菜と大豆製品、野菜と海藻の組み合わせが多いけれど、この日はお肉と。私が和えものの具材として使うお肉で、一番出番が多いのは鶏皮です。プリプリした食感と野菜の相性がいいし、出過ぎない旨みがあるんですよね。
この日は茹でたモロヘイヤと鶏皮の酢醤油和えを。モロヘイヤの葉はそのまんま茹でて、茎は茹でて微塵切り。茎まで食べられるほど柔らかく新鮮なモロヘイヤでした。丸ごと食べ切れるってすごく嬉しいな。味付けは酢と醤油のみ。鶏皮の甘みとの相性抜群で、いつもながら画像の倍は食べてます。
でも大丈夫。和えものってゼロカロリーですよね?
<8月29日>
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肉じゃがもポテサラもコロッケも大好きです。
でもね、私は「じゃがいも料理で白飯食べられない病」なのです。ポテサラもコロッケも肉じゃがも、単品食べしてしまう。小さい頃は夕飯で肉じゃがが出ると、具を食べ切ってからご飯に煮汁をかけて食べてたっけ。大人になったら治ると思っていたけれど、三つ子の魂百まで。一人暮らしを始めてからも、肉じゃがを作ったのは片手ほどの数。今までお付き合いした方からも、手料理の定番である肉じゃがをリクエストされたことはありませんでした。好みが近い人を無意識に選んでいたのかな。
10年以上ぶりの肉じゃがは、見ての通り味をつけ過ぎてしまいました。ならばと最後にクミンシードをテンパリングしてしまったので、真っ当な肉じゃがではないけれどやっぱりホッとする味ですね。この夜のメニューは肉じゃがとゆかりおにぎりと味噌汁。やっぱり肉じゃがはおかずにならないのでした。
<8月30日>
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相変わらず閉店2時間前のスーパーを彷徨く私。この日はカンパチのアラが半額になっていて、なんと98円!身がしっかりついているのにこのお値段、嬉しいーと小躍りしながら購入しました。帰宅後、お酒を振りかけてお風呂へ。湯船の中で、どうやって食べようかなぁとイメージするこの時間がなんとも幸せです。
この日はさっぱり気分だったので、さっと茹でたカンパチにお酢と醤油を回しかけて、刻んだ紫蘇をたっぷりと添えていただきました。油の多いカンパチですが、茹でることで余分な油が抜けてホワホワに!酢醤油が味を引き締めてくれて、紫蘇と一緒に頬張るとたまらない美味しさ 。98円でこんなに幸せになれるのだから、料理ってすごい。幸せは自分でいくらでも作ることができる。
<8月31日>
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先日の料理教室で半分余ったゴーヤ。春巻きにしよう〜と台所に立ったのですが、冷蔵庫でひき肉と目があった瞬間、ドライカレーにしよう!と秒で心変わり。なのに、出来上がる頃にはやっぱり春巻きが食べたくなってしまったのでした。ならばゴーヤカレーを巻こう。
私が料理教室の生徒さんに、しつこく熱弁していることの一つに「春巻き万能説」というものがあります。巻いちゃえば大体なんでも美味しくなる!肉じゃがでも、炊き込みご飯でも、ジャムでもチーズでも、献立に行き詰まったらひとまず巻いてね!と言い続けているんです。(いつもごめんね)
今夜もその万能説を体現すべく巻き巻き。普通の春巻きの皮がなかったので、生春巻きの皮で巻いたものを少し多めの油で揚げ焼きしました。カレーは完成品なので春巻きの皮がパリッとすれば出来上がりです。んー、これ最高!
カレー食べたいも春巻き食べたいも、両方叶えられて2倍幸せな夜となりました。寄り道も進路変更も自由にできるのが、おうちごはんのいいところですね。
<9月1日>
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冬瓜って、出汁を効かせた煮物や汁物として食べることが多いですよね。そのせいか、私どんな色にも染まります〜みたいな、しおらしいイメージがあるかもしれません。私も以前は騙されていましたが、いやいや〜実は結構クセの強いお方です。他の素材や出汁の味をしっかりと吸い込みつつも、ワタクシ冬瓜ですの!といういい意味での主張は消えない。そのほんのりとした青い香りが、冬瓜を好きな理由でもあります。
夏の終わり頃になると、喉の渇きではなく身体全体が水分を欲してきます。冬瓜が本当に美味しく感じられる時期。今季初の冬瓜は、鶏皮と一緒にコトコト煮込だスープにしました。味付けは塩としろたまりのみ。茹でたフォーにかけたら夕飯の出来上がり。物凄く美味しい!というよりは、なんだか明日も食べたいなぁって、そんなふうに感じられる身体に馴染む味。私のごはんって感じです。
<9月2日>
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前回のnoteでも書いた、地元九州にUターンする友人の引っ越しが間近にせまってきたので、お手伝いに。到着後すぐに与えられたミッションは、冷蔵庫に残ったものを食べ尽くすことでした。先週の送別会で食べきれなかった、イチヂク、生ハム、モッツァレラをお皿に並べたら、あれ?なんだかオシャレじゃない?友人が在庫していたヘンプシードと私も大好きなホワイトバルサミコ酢(同じブランドのものを愛用していてびっくり!)、塩とオリーブオイル。スペインバルのような一品になりました。
ワインもシャンパンも残っていたけれど、何しろ今日来たのは引っ越しの手伝いのため。お酒はぐっと控えて、持ち寄ったおむすびやタンドリーチキンと一緒に食べました。ごちゃごちゃな食卓が愛おしい。
新天地での生活が落ち着いた頃、みんなで遊びに行くねとハグをして、円陣を組んで帰ってきました。出会ってもうすぐ10年の仲間達。私の宝物。私が自慢できる唯一のもの、それが友達。
<9月3日>
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冷蔵庫で冷え切ってしまい、しわしわお婆ちゃんになってしまった茄子。ごめんね…でも美味しく食べるから!
旬が終わる頃、野菜は新しい命を守るための準備に入ります。皮は厚くなり水分は少なくなり、フレッシュ感は無くなるけれど味は濃厚になっていく。まさに今の時期の茄子がそう。そんな名残の茄子のおいしさを存分に味わえるのが、焼き茄子です。定番のおかかに醤油も捨て難いけれど、私が好きな食べ方は、プレーンヨーグルトとニンニクと和えたもの。
焼きなすを包丁で細かく叩いて、プレーンヨーグルトとすりおろしたニンニク、レモン果汁、塩で和えただけのシンプルな料理。オイルを入れてもいいのですが、今夜はさっぱりと食べたい気分だったのでなしにしました。
夏野菜+ヨーグルト+ニンニク。この組み合わせにハズレなし、と思っています。トマトでもきゅうりでもピーマンでもなんでも美味しくなっちゃう魔法の組み合わせ。とはいえやっぱり茄子は別格に美味しくて、茄子2本分ペロリと平らげました。
そうそう、気がつきましたか?皮は厚く水分は少なく、フレッシュ感はないけど味は濃厚。40代の私そのもの。面の皮は厚くなり肌や髪の瑞々しさは失われフレッシュ感はゼロだけど、人間味は増してきた(はず)40代。まだまだ美味しくなるよー!
9月は端境期。夏から秋へと命のバトンが渡されるこの時期、穫れる野菜は少なくなります。畑と連動して料理をしていた頃は、毎朝畑から届く夏の名残の野菜たちと格闘していました。皮が分厚くなった茄子、種が大きくなったきゅうり、筋張ってきたつるむらさき、一癖も二癖もある野菜たちの良さを出すにはどうしたら!とない頭をひねる日々。でもそれは全く苦ではなくて、むしろすっごく楽しかったんです。目の前にあるものを生かすも殺すも自分次第。私の手にかかっているんだと思うと、力が湧いてきます。誰かにとっては捨てるようなものでも、少し手を掛けるだけで新たな輝きを発見できる。それは野菜でも自分自身でも一緒なのかもしれません。
歳を重ねるごとに、味わいが増すような日々を暮らしていけたらいいな。
※お知らせ※
noteに書いているアルモンデごはん。冷蔵庫開けてあるものでパパッと作るなんて、料理上手じゃないとできないよ!と思われるかもしれません。
でもこれ、誰にでもできます。本当に誰にでもできるんです。
それを体験する料理教室を、埼玉県草加市で月一開催しています。9月のクラスは23日、秋分の日です。今家にアルモンデ、レシピもなく食べたいものを作れるようになれたら嬉しくないですか?
アルモンデ料理の考え方やコツをお伝えします。ぜひ遊びにきてくださいね。