不動産証券化マスターCourse1受験期(勉強方法とか)
2020年度に「不動産証券化協会認定マスター(証券化マスター)」を受験して、無事マスターになりました。
ニッチな資格で、ネット上にもあまり情報が転がってないので、僕なりの体験を残しておきます。
●そもそも、どういう資格?
公式サイトに書いてある通り、「不動産証券化市場」での知識を問う資格になっています。民間資格です。
●書き手の属性
勉強方法などを書く前に、僕がどんな状況で受験したのかをお伝えします。
証券化マスターの難易度は本人の業務経験などに大きく左右されるところがあると思っています。業務でアセットマネジメントに触れている人、信託銀行の不動産部門で勤務している人は、実務に近いことも多く簡単に感じる資格かもしれません。
僕は、プロパティマネジメント(PM)と呼ばれる業務をしています。オフィスビルの運営管理。宅建は4年前に取得したものの、業務では使っていない状況。証券化マスターの勉強を通じて、初めて知る言葉がたくさんありました。
(「PMなのに、なんで証券化マスターを取ったの?」は聞かないでください。確かに必要はない。ぐうの音も出ない。)
●試験の概要
証券化マスターは、Course1(一次試験)とCourse2(二次試験)に分かれています。
Course1は5科目(101〜105)が試験対象になり、マークシート(四肢択一)式の試験が実施されます。合格率は35%程度。合格ラインは68点前後。(2020年度は69点)
Course2は3科目(201〜203)が試験対象となり、レポート提出とスクーリング(授業と確認テスト)の結果で合否が決まります。合格率は95%程度。
真面目にレポートを提出して、スクーリングを受ければ合格します。おそらく、レポートを出さない・誰かのレポートを丸パクリする、スクーリングに出席しない…といったことを犯さない限りは合格します。
つまりCourse1を突破してしまえば、ほぼ合格したようなものという資格です。
●Course1で使用した教材
証券化マスターは養成講座という側面もあるので、以下の教材が配布されます。
・テキスト
・Web講義
・過去問(2年分)
勉強に使うのはこれだけです。そもそも、ニッチな資格なので市販の参考書みたいなものはありません。
●勉強方法
Web講義を見て、過去問をひたすら解く。
これだけです。テキストもありますが、かなり分厚く取っ付きにくいので、ほぼ使いませんでした。テキストは辞書のような扱いで使っていました。
だらだらと講義を見たあとに、ひとまず過去問を解いてみる。全く解けないので、改めて講義を見る。また過去問を解く。これの繰り返しです。
合格することだけを考えるのであれば、過去問の丸暗記が一番効率が良いと思います。過去問と類似した問題も良く出るので、過去問を覚えていれば知識が曖昧でも解けてしまうのが現実です…。
試験前1ヶ月間は、テキストも講義も使用せず、ただただ過去問を解いていました。飽きるぐらいには解きました。
もし身の回りに証券化マスターを持っている人がいるなら、その人から過去問を借りると良いと思います。4年前の問題がそのまま出た…みたいな話も聞くので…。
※メルカリを見ると過去問が結構な金額で取引をされていますが、買わなくて大丈夫です。あくまで、身の回りから借りられるなら使えば良いぐらいの話です。
●重点的に勉強すべき科目はどこか
先述の通り、Course1は101〜105の全5科目で構成されています。
内容は、以下のようになっています。
101:不動産証券化の概論(20問)
102:不動産投資の実務(25問)
103:不動産証券化商品の組成と管理(35問)
104:ファイナンス理論と投資分析(15問)
105:不動産証券化と倫理行動(5問)
満点を目指す必要はないので、どうやって70点を目指すかが大切です。
各人の経験や各年の試験内容に大きく左右されるので一概には言えないですが、点数を取りやすさは、102>104>105>101>>>>>103といった印象。103は無理。
証券化マスターに合格する上で大切なのは2つ。
・102を取りこぼさないこと
・104を諦めないこと
102は不動産業に従事していれば簡単だと思います。聞き馴染みのある言葉が多く、問題も実務寄りです。全問正解も狙える内容。
そして重要なのは104を諦めないこと。
最初にWeb講義やテキストを見た時は、その難しさにビビると思います。おそらく、内容自体は一番難しい。知らない単語や計算のオンパレード。
しかし、104は毎年同じような問題が出ています。過去問丸暗記が一番活きる。
数字を少し変えただけの計算問題が出ているので、理由は分からなくても「あ、この文章の時はこの公式だな」と思い出せれば勝ちです。何よりも大切なのは合格することなので、ちゃんとした理論や理由はあとから勉強しましょう。
102同様、過去問を覚えていれば全問正解が狙えます。
●感想
最初は面倒な試験だと思ったものの、蓋を開けてみると実務と近い部分もあり楽しく勉強ができました。
正直、プロパティマネジメントをやっている身でこの資格が活きるタイミングはなさそうなんですが、いつか役に立つ日もきそうです。
申し込みから合格発表まで1年近くかかるので、モチベーション維持が難しいですが、それ相応に学べるものだと思いました。