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【コラム】カフェに関する個人的考察

こんにちは。建築家見習いの佐藤です。

外出自粛が本格的だった2020年4月ごろ、僕は建築学専攻の大学院生でした。

それまで当たり前だった「電車通学し、研究室で作業する」ということが不可能になり、全ての作業を家でせざるを得なくなりました。
研究室に行けなくなることによって、研究室にあった大量の建築雑誌や作品集が読めなくなり、検討のための模型を作るスペースにも困り、思うように作業ができなくなったのです。
しかし、それらの不便さよりも、僕にとって大きかった問題がありました。

それは「カフェに行けないこと」です。

日々まちまちは、お散歩コーディネーター並木と建築家見習いの佐藤で「まちを使わない人なんていない。だから語っちゃおう」と始めた、まちに特化したラジオ番組です。
ラジオでは、noteに投稿したコラムを元に、2人で「あーだ、こーだ」自由に語っています

このコラムに関するラジオは↓から!

カフェの使い方

僕はカフェに行くのが好きです。
と言っても「こんな雰囲気のカフェが好き」「このコーヒーが好き」とか、そういったこだわりは特になく、ただ「カフェに行くという行為」が好きなのです。

また、わざわざカフェに行くためだけに外出することは、ほとんどしません。通り道にあって、ふらっと立ち寄れる場所。テキトーに時間が潰せる場所。その気軽さこそ、僕がカフェが好きな理由だと思います。

カフェですることは家でもできることばかりです。
・コーヒーを飲む
・その日1日のやることを考える
・勉強をする
・本を読む
・YouTubeを観る
・ぼーっとする

また「帰り」よりも「行き」に寄ることの方が圧倒的に多かったです。今思えば「家にいると寝てしまうから、とりあえず学校に行く」と「とは言いつつ学校に行くの面倒くさい」という自分の相反する気持ちに整理・区切りをつけるために、カフェに行っていたのかなと思います。

以上のことを整理すると、僕がカフェに対して思っていることは以下のようになります。

①カフェに寄るという行為が好き
②気軽さが大切
③家でできることばかりする場所
④気持ちの整理をする場所

カフェ性を定義する

最後に、上記の四つのポイントを噛み砕いて、僕なりのカフェ性を定義してみようと思います。

①有料であることで居場所性を獲得している
カフェは「居場所」を安価で提供しています。そこで大切なのは、適正な料金を払っている認識と、基本的に長時間いて良い場所という認識が両立していることではないでしょうか。
僕は、自分が特定の場所を居場所として認識するためには、そのための対価が必要だと感じていて、無料で無制限に過ごしていい場所を、居場所と感じることができないのです。(何となく落ち着かないので)

②歩くことと相性が良い
現在、僕は車通勤で職場と家を直接行き来しているため、カフェに行く機会が激減しました。もちろん車で立ち寄ることは可能ですが、やはり「気軽さ」を感じることができません。
車で駐車場に入る、駐車する、ドアを開けて外に出る、ドアを閉めて鍵をかける。これらの行為の有無が、気軽さを生み出すかどうかを左右していることは容易に想像がつきますが、歩いている時に見るカフェの魅力は、それ以上に他の要因があるようにも感じます。
いずれにしてもカフェは歩くことと相性が良いと言えるでしょう。

③達成感を得られる
何をするためにカフェに入るのか。僕は何も考えずに入店することが多いです。入ってみて、気分によって先に書いたような様々な行動へと移っています。そして、どの行為にも「静かさ」が伴っています。
カフェに入ると、みんな過ごし方はバラバラですが、何か知性にまつわる行為が多いように見えます。スマホを触っている人は別として勉強、仕事、読書、新聞などが、その代表格です。
カフェに入るだけで何か達成したような、そんな意識が潜んでいるのかもしれません。

④精神的かつ肉体的に次なるステップを踏める
僕の場合は、行動(生活?)のリズムをカフェで整えている感じがあります。朝ちゃんと起きられたり、学校や職場に行く意識が明確にある場合、カフェは必要ないと思うのです。
なぜ、カフェで行動のリズムが整うのでしょう。僕の場合は「次に何をすべきかゆっくり考えられる」ことと「次の目的地に向かうハードルが低い」ことが大きいと感じます。家と目的地の中間地点で、物事をゆっくり考えられる場を求めているということでしょう。

最後に

今回、カフェに関して自分なりに(無理矢理に)カフェ性を引き出してみました。
最近、カフェの内装やコンセプトが人々を多く惹きつけているいますが、あえて一般的なカフェ性を抽出することが、まちの中での居場所を作り出すヒントになるようにも思います。

ぜひ、皆さんの中の「カフェ性」を教えていただけたら嬉しいです。

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