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フラッシュバック3000⚡

ヨネダ2000、面白いな…

2021年M-1グランプリの敗者復活戦で見かけたコンビにすっかり心を奪われた私。
推しの芸人たちが活躍した本戦の余韻に浸りながらも、ちょいちょい彼女たちのネタをYouTubeで見てしまう。

(余談だが、M-1で個人的に毎年楽しみなのが敗者復活戦。
新しい才能に出会えるから。
大昔、だだっ広い大井競馬場で開催されていた敗者復活戦のCS放送でマヂカルラブリーを初めて見たときの衝撃をいまだに覚えている。)

で、冒頭のヨネダ2000のネタ(YMCAの歌に乗せて寿司を握る)によってなぜか突如20年以上前の記憶が蘇った今年の正月。

まだ20代で実家住まいで会社勤めをしていた頃。
近くに祖父がひとりで住んでおり、週に何度か訪ねて御用聞きをしたり車を出してあげたりしていた。

ある日、その祖父宅にいたところ、ふいに来客。

ちょっとかわりに出てきて〜と祖父に言われ、玄関をあけたら見知らぬおかっぱ頭の若い女。

彼女の話を要約すると
「海外(なにか国名をあげていた気がするけど忘れた…)の子供たちのために学校建設を目指すため、このあたりを寄付をお願いしに回っています。つきましては3000円を寄付していただきたい」

「高いよ!👀」
思わず声を上げる私。

見知らぬ他人の家に押しかけていきなり寄付をねだる金額にしてはあまりにも高いよ!
高すぎるよ!
相手はこちらの反応にもひるまないし。
なんというメンタルの強さ。

私の困惑ぶりをスルーし、何やら活動趣旨的な印刷物を見せて説明しはじめる彼女。
あげく
「この活動の関係者であるミスター○○(←名前忘れた)も一緒なんですよ」
と、どこに隠れていたのか大柄な黒人男性を紹介してきた。
絶対2mはあるね、身長。
「ナイストゥーミーチュー」と差し出された手。
流れで握手。

脳内の情報処理が追いつかず、とりあえずどうやって断ろうと思ってたら祖父登場。
「何の騒ぎ?」
「実はこれこれこういうわけで3000円…」

「高いよ!👀」
と同じ反応の祖父。そして奥へ引っ込んでしまった。

いや、私を置いていくな!と内心焦る。 
すると再び何か手に持って現れた祖父。

珍客を交互に見ながら
「まあこれも何かの縁かもしれないから」
そう言って3000円を取り出し、彼らに手渡したのであった。

孫呆然。

「ありがとうございます!後ほど活動報告をお届けします」
満面の笑みで頭をさげ、彼らは立ち去った。

…活動報告とか絶対ウソじゃん!
新手の詐欺だッ
我に返り、外に出て近所を探したが、二度と二人の姿を見つけることはできなかった。

お前がそばにいながらじいちゃんがわけわからん奴らにお金を渡しちゃうなんて!
と非難されそうで両親には黙ってた。
祖父もその話を誰に話すこともなく数年後に鬼籍に入った。

その後、空き家となった祖父宅の片付けをしていた時。
未開封の郵便物にまじって手触りのちがうチラシを見つけた。
たくさんの方々の寄付のおかげで学校建設が進んでます、という、どこかの非営利団体の報告書であった。

2022年。
普段なら気にもとめない存在にかすかな縁を感じたら歩み寄ってみるのもいいかもね。

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