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僕が好きな一着の服への愛を書く

CdGの縮絨、MMMのペンキ、RAFのデストロイ、、、

僕は服を好きになりはじめた頃に受けた強い衝撃に今だに影響を受け執着している。もはや依存していると言っても過言ではない。

「普通」になれなかった自分にとって「普通」と言う価値観に基づき、「普通」と言う価値観を叶えるためにある服が似合うわけがなかった。

気取った派手な装飾や高価な素材を使わなくとも強い精神は宿ることをデザイナーの精神が宿った服から教えてもらった。

ただデザイナーズの服も追い求めすぎたが故に食傷気味になっていた頃に手に取りはじめたこのスポーツウェアブランド。

知ったのと同時期に僕が集め出したミリタリーウェアを80年代から分析、研究、それを元に実験をして服を作っているこのブランド。

存在は前から知っていたが、恥ずかしながら僕は別ブランドのコラボから知ったのでただの記号消費をされるブランドだと思っていた。

ある時出会ったこのアーカイブの一着が僕が抱いていたこのブランドへのイメージをガラリと変えた。

唯一無二のファブリック、デザインと利便性を兼ね備えたポケットとヘリンボーンテープでの補強、背中のアクションプリーツ、内側に施されたウエストのアジャスターと背面のメッシュライナー、内側の丁寧に仕立てられた処理、、、

今はブランドから退いたデザイナーの服へのこだわりと愛を強く感じた。

極め付けはうねるジップと服の全てがシワシワになっているところ。

一応調べたところこのシーズンのこの素材の服は皺やうねりが生じているので意図的につくり出したのだと思うが、前の所有者がつくり出した経年変化も加わっているのかもしれない。

まぁつらつらと書いてきましたが、自分の好みに見事ハマったわけです。

傍から見たらただの古いヨレヨレな見窄らしい服にしか見えないでしょうけど、僕の意思、精神を表明するためにはとても必要一着なのです。

服の詳細。
Stone Island SS05 Nylon Metal

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