【サンボマスター:鹿児島】キャリーケースにいれたライブ用のスニーカーが連れて行ってくれた場所
「どう考えても仕事が終わらない!鹿児島に仕事を持っていくことは確定だけど、市内に行く前に終わらせたい。できれば空港で仕事がしたい」と思いながら鹿児島空港のサイトを見ていたら、1階にドトールの文字を見つけた。
郷土料理、ラーメン。空港内にはいろんな魅力があるけど、まずはドトールへ行く。ただそれだけを決めて、急いで1泊2日の準備を始めたのが3月21日(木)の夜の話。
翌日からサンボマスターのライブを観に行くために、鹿児島に向かうことが決まっていたので、とりあえず機内持ち込みができる小さなサイズのキャリーケースを開き、買ったばかりのスニーカーを放り込む。
「せっかく買ったならスニーカーを履いていけばいいのに」というのが何よりの感想だと思うけど、ライブの翌日、「霧島アートの森に行けたらいいな」と思っていたものの、天気予報はあいにくの雨模様。
「こうなったらブーツを履いて鹿児島へ向かい、ライブ用のスニーカーはキャリーに入れて持っていこう」という判断が私を悩ませ、最終的に喜ばせる結果になるなんて、「霧島まで行けたらいいな」と気楽に思っていた21日を生きる私は知る由もなかった。
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3月23日(金)
翌朝、飛行機に乗るべく、8時代の電車に乗り関西空港へ。
飛行機は搭乗手続きやらなんやらで、1時間ぐらい前には空港に着いておかなきゃいけないから、色々と逆算して家を出る時間や準備する時間を算出するたびに、「これで合ってる?」と不安になってしまう。それに、この日はピーチに乗る予定だったので、第2ターミナルまでの移動時間も考えなきゃいけない。
無事、搭乗の50分ぐらい前に第2ターミナルに到着したときは、少しだけ達成感を感じてしまった。
飛行機に乗る直前、係の人に搭乗用のQRコードを読み込んでもらい、機体の前に立ったとき、「こんなにツルツルしてて大きなものが空を飛ぶなんて不思議だな」と思った。
この瞬間だけは、「飛行機って怖いな」と感じてしまうのだが、離陸してしまえば、「では、おやすみなさい」という感じで、あっという間に鹿児島空港に到着した。
飛行機を降りて、搭乗ロビーに到着すると、どこからともなく、ブラスバンドと野球中継の音が聞こえてくる。耳と目で音が鳴る方向を探してみると、どうやらロビーのテレビで選抜高校野球の試合が流れているようだった。
前を通るときに、テレビ画面を確認したら、神村学園vs大阪桐蔭の試合がリアルタイムで流れていて、「お、鹿児島に来て神村学園。なんだかラッキー」と思わずにはいられなかった。
自分で言うのもなんだけど、高校名を見てどの都道府県の高校が出てるのかがなんとなく分かるというのは、地区大会に通ってまで高校野球を熱心に見ていた年があるからだなあと思う。
今はそうじゃなくても、過去に大切にしていた時間はちゃんと記憶に残っているんだなあと、少しくすぐったくなりながら、荷物を受け取り、鹿児島空港内で真っ先に向かったのは、前日の夜に調べていたドトールだった。
カフェオレとミラノサンドを頼んで、座席へ向かうと、でっかく「北海道」の文字が見えて、愉快な気持ちになる。
店内には人がほぼおらず、ゆるやかな空気だけが流れていて、そこから約2時間、ひたすら仕事をして、時折窓から見える鹿児島らしい風景を見つめながら、「外はあったかいのかな?」と、まだ感じぬ鹿児島の空気感を想像していた。
鹿児島空港からライブハウスがある天文館までは、空港発のリムジンバスで行くことができるようだった。
空港到着から約2時間が経ち、仕事もひと段落終えたので、外に出ると、かなり暖かい気温を感じて驚いた。リムジンバス乗り場へ向かおうと歩いていたら、愛しの金沢駅の鼓門が砂で創られていて、すごくうれしくなった。
定刻少し前に到着したリムジンバスにキャリーケースを預けて、カバンのなかからサンボマスターのアクスタを出してみた。
今回のツアーに参加するのはこの日が初めてで、なおかつアクスタを揃えてからライブに行くのも初めてだったので、「持ち方はこれであってるんか?」と色々試していると定刻になり、バスは鹿児島市内に向けて走り出した。
空港発のリムジンバスに揺られること約1時間。鹿児島中央駅前で私以外の乗客が全員降りて少し焦った。
そういえば昔、サンボのライブで熊本まで行ったとき、まだ学生だった私は大阪から熊本まで夜行バスで向かったことがあったっけ。(それも13時間ぐらいかけて)
あのときも、経由地点の博多駅で私以外の乗客が全員降りて、「もし私が博多で降りていたら、運転手さんは熊本まで運転しなくても良かったんじゃないか…」と罪悪感を感じたんだった…。この日の私もあの日と全く同じ心境で、「私が鹿児島中央で降りていれば…」と思いながら、無事天文館に到着。
運転手さんにキャリーを降ろしてもらったとき、いつもより丁寧に、そしてちゃんと目を見て「ありがとうございました」と伝えた。
そこから、歩いて10分ぐらいの場所にあるらホテルを目指し、14時にチェックイン。
今回宿泊するホテルはアーリーチェックインの制度があって、事前に連絡をしていたので早くチェックインができた。
ホテルに着いたらとにかく眠くてしかたがなくて、「メイク落とすか…」と思ったのだが、すぐにメイクを落とす気になれなかったのは、結構しっかり目にメイクをしていたからだ。それもデパコスのクッションファンデを使っている。
「こういうことがあるから、早く現地に着くときはメイクせずに向かったほうがいいんだよなあ」とライブ遠征の掟を思い出しながら、きれいさっぱりメイクを落とした後、仕事をしたり、寝たりしていたら、あっという間に時刻は16時を過ぎていた。
「よし。またメイクするか…」とラジオを聞きながらライブに向けての準備を始める。この日のメイク時間のお供は『マユリカのうなげろりん_#133 風まかせ』にした。
聞いた回が、偶然旅行の話をする回だったので、タイムリーで嬉しかった。何が風まかせなのかは、ぜひ聞いて確かめてほしい。
準備を終えて、ホテルを出たのは開場の20分ほど前。徒歩で10分以内の距離に『CAPARVO HALL(キャパルボホール)』があることはマップで確認済みだったものの、スタートの方角を間違えてしまい、やや早歩きで開場へ向かうことになった。
この日は整理番号が4番とかなりの神番だったのだが、入場待機列の事を考えたとき、偶然3番が知り合いだったこともあり、「10分前ぐらいに到着すれば大丈夫かな」と思っていたら、ライブハウスの前でスタッフさんが「8階まで歩いてください」と言っていて、軽く絶望することに。
階段を5階ぐらいまで登ったぐらいで、寝坊の心配で電話をかけてもらった。ありがとうございます……(寝坊と言えば10年前の沖縄の2daysを思い出す)
18時に開場したものの、電子チケットの画面を完璧に出し忘れていたので、やや入場に手こずってしまう。(4番の意味なし)
ただ、ホール内に入ったときに、真っ先に山口さんの前が空いてることに気付いたので、「せっかくだから」と山口さん前の最前列で見ることにした。
蓋を開けてみれば最前列に顔見知りの人がちらほらいて、開演までの1時間が辛くなかったのが最大の喜びだった。そして、サンボマスターのライブで最前列に入るのは7年ぶりのこと。7年前は岐阜のクラブルーツでTHE BACK HORNとの対バンだったなあ。
そんなこんなで、あっという間とは言えないけれど、開演までの時間を少しずつ密集してくる圧を感じながら過ごし、定刻少し過ぎたころぐらいにライブはスタートした。
舞台袖から大好きなサンボマスターの三人が出てきて、自分の目の前に山口さんが立ったとき、その近さが懐かしくて、「ライブハウスっていいな」って思った。
最前のマイク前だと、自分で意識して下手方向を観なければ、山口さんの姿しか目で捉えることができなくて、そういう感覚も本当に久しぶりで、自分の周りに流れてる空気と、過ごしている時間のすべてが愛おしくて、とても幸せだった。
ライブレポではないので、公演のことは割愛するけれど、とある曲が流れたときに前にいた箱のスタッフさんにが、サンボマスターのスタッフ陣から公式グッズで販売されている花束を渡されていて、それを振っていた姿があまりにもチャーミングだった。
近くにいた知り合いたちと目を見て笑い合って、「こういう空間があるからサンボマスターのライブは良いなあ」って改めて思ったし、やっぱりどの曲を聴いても遺伝子レベルで反応できるというか。体に沁み込み過ぎてる。
この話はよくするけど、もし自分が認知症になって、全ての記憶を手放してしまうような瞬間があったとしても、サンボマスターの曲を聞けば、付随した愛おしい記憶をベラベラ喋ってしまうだろうし、施設のスタッフからは「響さんはサンボマスターの話をしていたら元気だから」と新人スタッフの引継ぎにきっと書かれるんだろうなとも思う。
それぐらい大好きで大切なバンドのワンマンライブは21時40分ごろに終演。本当に最高の時間だった。
ライブが終わったら天文館のお店で打ち上げ。こういう空間に行くのも2年前のワンマン以来だったので、本当に楽しかった。そして何より、美味しかった。
みんなの「卒業(できるレベルで聴きたい)ソング」がめちゃくちゃ良くて、どれも聴きたいな~と思った。「聴きたい曲」に付随する好きになったエピソードが堪らなく好きなので、できればいろんな人に教えてほしいと思っている。そして、私がずっと聴きたいと言ってる、「ス」から始まる曲も、いつか、いつかね…。
打ち上げが終わって、お店の外に出たら気温があまりにも暖かくてビックリした。みんなで歩きながら各々が泊まるホテルを目指してる時間が「THE遠征」って感じですごく好き。あと、「次は〇〇で」って言い合う瞬間も好きだなあ。
「また会えるって最高だな」とほっこりしながら、無事ホテルへと戻り、ちゃんとお風呂に入って、スキンケアをたっぷりしてから、就寝。我ながら偉いと思う。
3月24日 (土)
8時過ぎに目が覚めて、カーテンを開けると、空はどんよりとしていて、雨が降ることを確信せざるを得なかった。
この後、雨が確実に降ることが分かっているから「よっしゃ!いくぞ霧島へ!」というテンションにはなかなかなれそうにない。
そもそも天文館から霧島までは結構時間がかかるようで、公式サイトからアクセス情報を見たとき、「事前に調べておかなければ当日たどり着けない」と思うほどだった。(車で行けるとそんなに時間はかからないよ)
「どうしようかな」とベッドの上で葛藤した末、「わざわざお土産を詰め込める量を減らしてまで、キャリーに靴を入れてきたんだから、もう行くしかない!」と腹を括ったのは9時頃のことだった。
「飛行機の搭乗時間が18時だから、お土産を買うことを考えて16時30分ごろには空港に着いておきたい」と事前に決めていた私の1日の計画はこんな感じ。
ざっと計算して約2時間ほどの移動時間になる。今思い出すと、「雨の中よく行ったなあ」という気持ちにもなるけど、「わざわざ持っていったものを無駄にしたくない」という精神が奮い立たせてくれたのだと思う。
11時前にチェックアウトを済ませ、まだ雨の降らない土曜日の昼間の天文館を歩く。お天気はどんよりとしていたけど、栄えている街にいる人たちはみんな楽しそうに見えた。
「今なら引き返せるし、なんなら空港のドトールにこもってまた仕事をする選択もありだな…」なんて気持ちを心の奥底に抱きながら、まずはバスで鹿児島空港へ向かう。
鹿児島空港へ到着後、1階の端にあるドトールの前をサクッと通り過ぎ、昨日確認していたロッカーへと足を進める。この時点で往復4時間の旅は確定したようなものだった。
ロッカーにキャリーケースなどの荷物を詰め込み、「今着ているダウンはどうする?」と考えて、空港内を見渡すと、みんな薄着だ。
とはいえ、今から行く場所は一応森だし、なんならこの後雨が降るって言ってるから…と、そのままダウンを着て、次に向かったのはATM。
この後、タクシーに乗る予定があるのだが、「現金しか使えない可能性もあるだろう」と予想だけは一丁前にしていて、事前に予測していた金額より少し多めにお金をおろし、とりあえず「行く前にやっておきたかったこと」はクリアした。
空港を出て、『いきいきセンターくりの郷』へ向かうバスを待つ。
定刻にバスは出発し、まずは中継地点である『いきいきセンターくりの郷』へ。バスに少し揺られていると、窓の外では雨が降っていることが確認できた。ふと、「このバスに乗っている人のなかに、同じ場所へ向かう人はいるのだろうか」と気になりつつ、無事目的地へと到着。
中継地点である『いきいきセンターくりの郷』からは、土日のみ『ふるさとバス』が運行しており、これに乗れば霧島アートの森方面に向かうことができるのだが、自分が到着した時間はバスの連絡が悪い時間だったので、少しでもアートの森へ長く滞在するため、行きだけはタクシーで向かうことを決めていた。
ただ、この時点でタクシーの予約はしておらず、便利な暮らしに慣れた私は心のどこかで「駅にはタクシーが停まってるもんね」と信じ切っている部分があったのだと思う。
「これが吉と出るのか凶とでるのか…」というのは、今だからこそかける言葉で、この時の私は本当に何も考えておらず、ただ駅前に停まっているであろう空車のタクシーに「霧島アートの森までお願いします」というシーンだけを思い浮かべ、事前に調べていた近くのJR栗野駅まで、黙々と歩くのだった。
小雨の中、人に出会うことはほぼ無いまま、マップの道案内を信じて約10分ほど歩き、「もうすぐ駅が見えてくる」というところで嫌な予感がした。
人通りはもちろん、車ともほぼすれ違わないこの場所にタクシーが停車しているイメージが全くできなかったのだ。とはいえ、駅まではあと少し。
到着したJR栗野駅には数台の車が止まっていたけれど、どれも普通車で、目に見える場所からは、タクシーの「タ」の字すら感じることができず、完全なる敗北が決定。
とりあえず駅舎内の前に立ち、ぐるーっと駅周辺を見渡してみると、なんと前方にタクシーの営業所らしきものが見えた。
その場で調べて営業所に電話をすれば良かったものの、少しの絶望が晴れたことで、頭より体が先に動いてしまい、歩いて営業所まで向かってしまった。
ただ、営業所から人気は感じられず、看板に書かれていた場所に電話をかけながら駅へ戻ると、無事すぐに迎車をお願いできることになった。(こんな二度手間も旅の醍醐味ということで)
タクシーは衝撃の早さでやってくるようで、「15秒ぐらいで着きます」という人生始めての迎車タイムを伝えられたとき、少し強張っていた体の力が抜けたような気がした。
こうやって、最後の最後にポカをする…というのが、自分の詰めが甘い部分の表れみたいで、少し落ち込みそうになっていたので本当に助かった。
実際は約30秒ほどでタクシーが駅にやって来てくれた。あんなにタクシーを見て嬉しい気持ちになったのは人生初めてのことで、できればこんな喜びを感じるのは今回が最後にしたい。
「ありがとうございます(来てくれて本当にありがとう神様)」とお礼を運転手さんに伝えて、タクシーに乗り込み、念のため「カードは使えますか?」と尋ねると、使えないとのことだった。
空港で現金を降ろした私、ナイス。
「どこへ向かわれますか?」と尋ねられ「霧島アートの森までお願いします」と伝えると、運転手さんは「迎車、アートの森です」と無線で伝えていた。その伝え方がとても慣れている感じだったので、たぶんここからアートの森を目指す人は多いのだろう。
タクシーは町から少しずつ森の中へと進んでいく。すれ違う車の数がピタリと止まったぐらいの場所でフロントガラスを見ると、一面が霧に覆われていて、ウィンカーがかなり躍動的に動いてた。
さっきまでは「誰もいない」「車ともすれ違わない」と思っていたけれど、この時ばかりは「どの車ともすれ違わないでほしい。無事に到着してほしい」と祈るしかなかった。
運転手さんの超安全運転のおかげで、無事霧島アートの森へ到着したのは13時過ぎのこと。帰りはタクシーじゃなく、ふるさとバスに乗る予定だったので、バスが到着する場所を教えてもらい、車から降りた。
到着した瞬間、目には一面の霧模様が飛び込んできて、これまでに体験したことがない神秘的な風景に心を奪われる。鳥の声は鮮明に聞こえ、自分がいる場所があまりにも非現実で、すごく不思議な何かに包まれるような感じがした。
受付でチケットを購入し、室内展示室へ入ると、真っ先に目に飛び込んできたのが、草間彌生氏の『赤い靴』だった。
もともと「鹿児島で観光できる良い場所はないかな」と探していたときに、ネットの海でこの写真と出会い、存在を知ったのが霧島アートの森だったので、実物に出会ったとき、「この写真を見ていなければ、たぶん来てないだろうなあ」と思ったし、「ここまで連れてきてくれてありがとう」と素直に感謝した。
野外作品を見るために室内展示室を出ると、広大な土地一面が霧で覆われていて、雨という状況と時間的に来園している人が少なかったのか、自分の視界からは誰一人として捉えることができず、ただ目の前で繰り広げられる風景にうっとりしながら、足を進めていく。
聞こえてくるのは、雨の音と鳥の鳴き声。シンとした場所からは雨と土の匂いが混ざってどこか懐かしい。時折香る花の匂いが春を連れてきているようだった。
受付でもらった園内マップを見ながら、歩みを進め、野外作品をじっくりと見ていく。「今回サンボマスターのツアーがあったからこそ来れた場所」という記念に、チェ・ジョンファ氏の『あなたこそアート』とサンボマスターのアクスタを撮影してみた。
そこからはとにかくたくさん歩いたので、「来るなら絶対にスニーカーで来たほうがええで!」という気持ちを抱きかけたものの、小雨が降る中で、樹林ゾーンからアントニー・ゴームリー氏の『インサイダー』を探すために森を降下しているとき「ブーツできて良かった~」と心から思うことができた。
本日二度目のナイス、私。
帰りのバスの時刻ギリギリまで、たっぷりとアートの森を堪能し、15時30分頃、土日のみ運行している『ふるさとバス』の停留所へ向かった。
アートの森がある場所一体が霧に覆われていたので、見通しが悪く、「このままバスが来なかったらどうしよう」と不安になる瞬間もあったけど、行きのバスで、一緒に降りた人がバス停にやって来て、心の底からホッとした。
定刻にやってきたバスに乗り込み、『くりの郷』で空港行のリムジンバスに乗り換えた後、さすがに疲れていたのか寝てしまったので、鹿児島空港にはあっという間に着いた。
往復4時間以上かけて移動したので、鹿児島空港に到着したときは、さすがに達成感を感じずにはいられなかった。
朝、雨が降る前のどんよりといた曇り空を見ながら「昨日は楽しかったし、空港でゆっくり仕事でもするか」と思っていた気持ちを打破できたのは、「わざわざ靴を持ってきたから」という精神だったと思う。
あれがなかったら、濃密な霧に包まれて、なんども深呼吸を繰り返しながらアートに触れる体験はできなかっただろうし、次アートの森へ行っても、同じ状況に出会えるとは思えない。
実際、帰り道に霧島アートの森関連の投稿を見ていると、晴れた日の野外作品は自分が目にした見え方とは全く違っていて、いろんな捉え方があるだろうけど、「この日は運が良かった」と思えるほどの体験ができた。
旅は一期一会なんて言葉があるけれど、今回の鹿児島での体験はそれを感じる貴重な機会になったと思う。
「またいつか、ライブで」とは言わずに、「またゆっくり旅をしたい」と思う出会うことができた鹿児島1泊2日の旅。本当に楽しかった。
次の更新は5月の金沢公演のあとかな。