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それなりに幸せな人生を歩んでいると思っていた私が未来に向けてコーチングを受け始めた話【vol.1】

いつからだろう。自分のことを「どうでもいい」と思うようになったのは。
そしてそれを、「幸せだ」と思い込むようになったのは。

ある日突然芽生えた、「どうでもいい」という感情は、私のなかでネガティブなものではなくて、前に進むために必要な決心を促してくれるような感情だと思っていた。

昨年の11月。マネジメントで携わっていた企画で「未来の私との約束」というテーマで記事を書く機会があり、記事の中で私はこんな言葉を紡いでいた。

あれはいつの話だったでしょうか。あるとき、いつものように記事を執筆しながらブツブツと感じたことや、打っている文字を言葉にしていたとき、なぜか自分の口から「もう、どうでもいいな」という言葉が出てきました。

私は「どうでもよくなった自分で楽しく人生を終わらせる」という約束を、未来の自分とします。

食べ吐きを繰り返しては1日に何回も乗った体重計、「こう見られなきゃいけない」と勝手に決めたルールや人生。もう何もかもがどうでもよくなって、最後に手元に残ったのは、自分の人生に対しての諦めに近い感情で、それは驚くほど潔く、スッキリとしたものだった。

これまでたくさんのもので自分を縛ってきた私にとって、どうでもよくなった人生を歩むのはあまりにも気楽で、「こんな時間がずっと続いたらいいな」とすら思っていた。

そうやって、どうでもよくなったタイミングでこれまでの人生を見つめなおしてみると、「なんだか山を登っているよう人生だな」と思った。

「どうでもいい」という感情を抱いた2022年を生きていた私は、27年間をかけて何とか一人で9合目まで登ることができていた。山頂である10合目まではあと少しといったところだろうか。

だけど、そのあと少しを登り切る力が出ない。だからずっと9合目で足踏みをしていた。それに、9合目から見える景色は、私がずっと手放せなかった自分へのしがらみを手放せたから見えたもので、「このままずっとここで立ち止まっていてもいいんじゃないかな」と心は満たされていたようにも思う。

「ちゃんと満たされてはいる。だから、頑張って先を見ようと必死になって疲れてしまうぐらいなら、今のままでいい。きっとそれがいい」。

これが1年前の私が感じていた「どうでもいい」の正体だったのかもしれない。

・・・

どうでもよくなった自分で毎日を過ごすようになってから、「私はそれなりに幸せだ」と感じる機会が増えた。これまで「幸せ」という感覚は自分の人生に縁遠いものだと思っていたから、幸せを身近に感じられるようになったのはとても大きな変化だと思う。

それに、フリーランスの働き方を始めて、人間関係を構築する機会が減ってから、悩みがあまり思い浮かばないようになった。そんな私にとって、SNSで会ったことも話したこともない人が発信するたくさんの考えや悩みを目にする機会は、誰かと自分を勝手に比べる機会となり、いつしか「私は恵まれているんだな」と心に蓋をするようにもなった。

そうやって、「それなりに幸せ」「恵まれている」という感覚を抱きながら、辿り着いた9合目で人生を歩み続ける予定だった私の人生に変化が起きたのは今年の6月頃だった。

Twitterで見つけた面白そうなコミュニティは、まるでシェアハウスのような場所で、自分の暮らしと向き合いながら、参加者である住人が考えを言葉にしていく。家主である人がコーチで、コミュニティに参加すれば月に1回グループコーチングを受けられるようだった。

「コーチングってよく耳にするけど、どういう感じだろう?一度受けてみたかったし、このまま” それなりに幸せ”な状態が続くのであれば、どうせなら自分らしい暮らしを選択したい」。

そんな想いと直感で応募を決めると、運よくコミュニティに参加することができた。そして、そこでグループコーチングを受けたことが私にとって大きな転機となった。

自分の生活を言葉にして振り返りながら、ひとつひとつの事柄を一緒に深掘りしてくれるコーチの存在に初めて触れたとき、自分では絶対にたどり着けなかった答えに辿り着くような感覚を覚えた。

高校を転校するときも、専門学校を辞めるときも、10代の頃からずっと自分一人で考えて選択してきたように思う。

そうやって、一人で黙々と生きてき私にコーチが伝えてくれた、「人生を筋立ててて考えてみたときに、あづ妙さんにとって今は、第一章が終わりかけているタイミングかもしれませんね」という言葉は、これまでの人生を振り返り、何も見えていなかったこの先の人生を考えるキッカケになった。

コーチングが終わって、ZOOM画面から退出した後、なぜか心が軽くなり、「第一章完」という言葉が頭に浮かんできた。

「ずっとここに居続けてもいいかもと思っていた9合目での足踏みを終え、そろそろ山頂に向かって歩みを始めよう」。

そんな気持ちが芽生えたこの夜こそ、第二章が始まった日。第一章が終わるまでに約27年という時間を費やしたことを考えると、えらく長い第一章だったようにも思う。

そんなきっかけで本格的にコーチングを受けることを考えるようになり、「本気で自分の人生と向き合うなら…」とコミュニティで受けられるグループコーチングではなく、個人コーチングを受けることを決め、ネットでいろいろと調べながらコーチを探していたときに、ふと、金沢で暮らしていたときにお世話になったさえこさんの存在を思い出した。

さえこさんは金沢に引っ越したタイミングで仕事を無くした私を拾ってくれた上司であり、当時底抜けに不安定だった私を気にかけてくれた恩人でもある。

元々SNSをフォローしていたので、私が大阪に戻ってきてから、コーチとして活動を始められていたことは知っていたけど、そもそも私がコーチングについて詳しくなかったので、なんとなく今の活動を知っているような状態だった。

そんなさえこさんと今年の2月頃に一緒に食事に行く機会があった。その時に、何気なくさえこさんに「どうしてコーチを始めたんですか?」と聞いたことを覚えている。

私の質問に対して、さえこさんの回答はすごくまっすぐで、コーチングのことを知らない私に対して、「どうしてそれをしたいのか」「どういう人が増えてほしいのか」という気持ちや、その考えに至るまでの過程を丁寧に説明してくれた。

そんな時間を思い出しているなかで、「さえこさんに一度コーチングについて聞いてみたい」という気持ちが芽生えたので連絡を送ると、まずは今抱えている問題や、解決したいことなどを聞いてもらうヒアリングの時間を取ってもらえることになった。

コーチとしてのさえこさんに初めて話を聞いてもらった第1回目のヒアリング。たくさんの考えを言葉にするなかで、ひとつ気付けたことがあった。

それは「私は自分の未来に興味がない」ということ。「1年後どうなってると思う?」と聞かれても何のイメージも浮かんでこず、ただなんとなく「今日という日が続いていそうな気がする」。そう答えるしかできなかった。

よく考えてみたら、私は昔から目標を決めることが苦手で、ずっと何かを達成することへの興味がないと思っていたけど、それは違うかった。私の中には「未来=今と一緒」という方程式がずっとあって、だからこそ、先の未来や目標なんてものを考えることができなかったのだ。

そんなことに気付けた1回目のヒアリングが終わったとき、心にホクホクとした感情が残っていて、人に話を聞いてもらい、一緒に考えていくことで頭が整理されていく感覚を知る機会にもなった。そして、「コーチングを受けたい」と素直に思えている自分にも出会えた。

それから10日後ぐらいに、「実際のコーチングを受けるとどうなるか」を体験する日がやってきた。

受ける前までは、「これからしっかり自分と向き合うんだ」と気持ちは前向きだったのに、今の気持ちを話せば話すほど、私の中には「私はそれなりに幸せだから、今すぐにコーチング受ける必要はないのかもしれない」という気持ちが芽生えてくる。

約2時間近くのコーチング体験を終え、「今の素直な気持ちを教えてくれますか?」と聞かれたとき、この2時間で芽生えた素直な気持ちをさえこさんに伝えてみた。

それなら今はコーチングを受けなくていいんじゃない?5年後とか10年後とかになったら、”今必要だ”と思える機会がくるかもしれない。そのときに向き合えばいいと思うよ」という言葉をもらった。

確かにそうかもしれない。私の毎日はそれなりに幸せで、別に今の人生が嫌なわけじゃない。「今日私は人生を変える」なんて思った経験もない。今すぐに何かを変えたくなるような強い意志もない。

でも…なぜか心がザワザワした。いつもなら「そうですよね。いつかその時が来たらお願いします」と言って、今の私に必要な選択を自分でするはずなのに、「今コーチングを受けない」という選択を考えただけで、体がカッと熱くなってなぜか涙が流れそうになった。

じんわりと目頭が熱くなってきたときに、「このままじゃダメだ。"いつもと同じ結果”になる」。そう思った。

その瞬間にハッとした。これまで私はずっとこうやって自分で幸せの限界を決めていたのだ。「このままでいい」と自分にストップを出して、その場で足踏みをする。どうしてそれをしているのかはまだ分からないけど、前に進もうとするたびに、「それなりに幸せ」を言い訳にして、自分の人生を止めていたのは紛れもなく自分自身だった。

きっとこのままでは、5年後も、10年後も同じことを感じて、それなりに幸せな自分で生きている。きっとその人生も良いものだと思う。でもこのままでは死ぬまで登り始めた山の山頂にはたどり着けない。

そもそも、私がここ数年ずっと感じてていた「それなりに幸せ」という感覚は、誰かの人生と自分の人生を比べたうえで出した答えであり、「本当に幸せなのか?」と問われたら「はい」とは言い切れない状況もある。

そうやって色んな感情が一気に押し寄せてきて、さえこさんになんて伝えれば良いかが少しわからなくなったとき、咄嗟に自分の口から「今、受けないとダメが気がします」という言葉が出た。そうしたらまた涙が出そうになった。だけど、熱くなっていた体は少しずつ冷静さを取り戻すような感覚を覚え、そこからは冷静に「今私にコーチングが必要だと思う理由」を言葉にできた。

そんな経緯で、さえこさんに約2ヶ月間の個人コーチングをお願いすることになった。

全部で5回のコーチングが終わるのは11月の末ぐらい。1回目のコーチングが終わり、2回目の前にこの記事を書いているのだけど、とにかく今は毎日を大切に生きてみようと思えていて、これまで考えることができなかった「未来」が少し楽しみになっている。

・・・

◆さいごに
2ヶ月間のコーチングをお願いしているさえこさん👇

他人に口出しさせない、じぶんを主人公にするone storyコーチ



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響あづ妙
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