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物語の終焉

月曜日はいつもよりパソコンと向き合う時間が多い。週初めは必ず週末の試合分析から始まるから。この仕事が基になって、チームとしてその週の動きが決まっていくから、今までの仕事に一切手を抜いたことはない。今週ももちろんそのつもりだった。でも、それは叶わなかった。

これから先、2023年11月5日という日を忘れないと思う。第102回全国高校サッカー選手権大会 広島県大会 準々決勝 vs瀬戸内 1-3という結果で、全国への挑戦は幕を閉じた。こんなにも早く旅が終わるとは思ってなかったから、受け入れらないのが正直なところだけど、まずは応援してくれた人たちに心から感謝したい。たくさんの励ましの言葉と勇気をもらって、中には直接会場に足を運んで観に来てくれる人たちも多くいて、本当に感謝してもしきれない。

備忘録として、頭と心を整理するために自分に綴る。試合中は別の会場にいた。準決勝であたる相手のスカウティングを行なっていたから、結果を知ったのはベスト4であたるはずだったチームの試合中だった。それからはよく覚えてない。試合終了のホイッスルが鳴るまでがどうにも長かった。鳴り響く応援が、観客の声が、ボールの音が、聴こえてるのに頭には届かない。気づいたら試合は終わってて、帰り路につく。観音に戻るまでの間は、なんて表現したらいいんだろ、何の感情も湧いてこないし、何も考えられない、まるで頭にモヤがかかった感じ。観音に着いて、車を停めて、スタッフルームに向かう。ドアを開けた瞬間、監督の「ごめん」って声が頭に響き渡る。「大丈夫っす」って言いながら席についたけど、溢れ出てくるものを抑えることはできなかった。

部屋にいた30分は何も覚えてないけど、いつも通り、おつかれしたーって解散しようとしたら監督に呼び止められて、みんなが帰った後に二人きりで話した。試合の流れ、ハーフタイムに話したこと、試合を通して感じたこと、そして自分の準備がどれだけ役に立ったか、一緒に戦うことができなかった自分に試合の全てを伝えてくれようとしたのを感じた。それと同時に、次に駒を進めて自分をベンチに入れることができなかった贖罪みたいなのも感じて、また涙が溢れた。チームの最期を見れなかったこと自体は残念だなと思う。でも、全国に行くためには自分の仕事が必要だったから、試合を見れなかったというその一点に関しては全く後悔してない。正直なところ、瀬戸内戦に向けて自分にできることはもうこれっぽちもないと思ってた。それだけ準備したし、それだけ捧げたからこそ、ここで負ければ潔く受け入れられるなって確信してたけど、やっぱり受け入れらなかった。まあ物事ってそういうものなんだろうけど、自分たちの願った結果が得られなかったとき、こうしとけば、ああしとけばってタラレバに押し潰されそうになる。現に今がそうだ。2ヶ月間これだけ捧げたのに、まだできたまだやれたって心が叫ぶ。きっと当面はこの結果を受け入れない。ずっとこの悔しさとともに生きていきたい。別に前に進まないってわけじゃなくて、それが原動力になってもっと前に進めることができると思うから。もうこの場所に戻ってくることはないけど、次はチームを勝たせられるように、もっと力になれるように。


Nach dem Spiel ist vor dem Spiel.
終わりは次の始まりなんで、また前に進もうと思います。まずは滝に打たれてきます。観音高校サッカー部が、選手が、スタッフが、そして自分が、また新たなスタートを切れることを願って。

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