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絶賛武者修行中 【僕がブンデスリーガで働くまで #1】

ドイツに来て1ヶ月半くらいが経ち、得られた事と言えば、1ヶ月で6回風邪を引くという月間最多体調不良記録くらいのものだ。この事実からわかると思うが、なかなか苦戦してる。出国する前は「よし!Noteの更新頻度ガンガンにあげて、ドイツ生活届けたろ!」って思ってたけど、それどころの騒ぎではなかったし、いまだにその騒ぎではない。だからこそ、軸をあるべき場所からブラさないことが重要だと感じてる。今回のテーマは「なぜドイツに来たのか」これ一択だろう。

UNTRACEでは選手に散々言ってる。日本語と英語の違いは、まず初めにグダグダ話すのか、結論から述べるのか、これだと。この時点でもうダラダラ話してる感満載だが、結論から言おう。

「ブンデスリーガでコーチになりたい。」

これがドイツに戻ってきた唯一の目的だ。もしもドイツにサッカーがなければ、電車は平気で遅延し、冬は凍えるほど寒く、住宅難が深刻なこんな国には帰って来ない。日本にいる家族や友達、自分を支え導いてくれる大切な人、これからの可能性、何もかもを差し置いても、夢を叶えたいという衝動に駆られた。

そんな自分の今の状況を一言で言うと、絶賛武者修行中である。ドイツはハノーファーに戻ったが、今はHannover96の通訳ではない。ただ、ドイツに戻ってチームの練習場に向かった最初の日に、心に誓ったことがある。毎日練習場に通い続けよう。これは元々、Hannover96で通訳を勝ち取ったときの、ある種自分の十八番であり、自分にできる全てのことがこれだった。だから、彼らにとっては部外者である自分が、この状況に置かれたところで、やることは変わらなかった。練習場に1時間早く行って、コーチの練習のセッティングを手伝う。練習を見ながらひたすらメモを取って、コーチを捕まえて、質問をしたりディスカッションをしたり。もしかすると、多くの人は自分が不燃不屈の精神で毎日ウキウキワクワクしてこんなことをやってんだろうな…って思われてるかもしれないが、そんなわけない。ことあるごとに心は折れまくってるし、毎日辛いことだらけだ。それでもやめるつもりは毛頭ない。

そいえば、最近誰かに聞かれた。「何歳までそれやるつもり?」って。「知るか。」次その質問してきたらぶっ飛ばすぞって言ってやりたかったが、悪意は全くなさそうだった。たしかに、30にもなってそんな状態だったら余裕で心配が勝つだろうが、心血を注いで今まさに取り組んでることに対して、賞味期限を設定するなんて、自分自身に対して「お前には無理だよ」って言ってるみたいで、自分には到底できない。いつ叶うかもわからないことにこれだけの時間と労力をかけるなんて、側から見たらアホだろうし、叶うわけないと言ってくる人もいるだろう。笑うなら笑えばいいし、蔑むなら蔑んでもらって結構だ。実際、練習に毎日来てるアジア人なんて、選手からすれば気にも留めないどころか、おもちゃでしかないだろう。

ただし、想いは伝わる。写真は通い続けて約1ヶ月くらい経ち、いつも一緒に練習の準備をしてるコーチがウェアをプレゼントしてくれたときに、奇しくも涙を流した自分です。最初は、なんだこいつ…みたいな顔で自分に接してたコーチが、「毎日ありがとな、寒くなるからこれ着てな」って。泣くって、そんなの。少しずつではあるけど、頑張りと熱意を認められ始めたのかと思って、クソほど嬉しかったです。こんな些細な出来事ですが、当事者の自分からしたら、果てしなく大きな一歩です。目の前の一歩を踏み出していく中で、想うことや考えることは山のようにありますが、徐々に言葉にしていきます。

あ、あとはまだ家が見つかっていません。ドイツからは以上です。

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