MAKUHARI DRIFT

12月11日
オレはワイルドスピードが嫌いだ。
ワイスピね。ワイスピが嫌いです。
観たことないけど。一回も。
これだけはみんなに知っておいてほしいことがある。
ワイルドスピードが好きな女の子には気をつけろ。
昔、有名ファッションサイトの倉庫でアルバイトをしていた時、新しくバイト先に女の子が入ってきた。
背は170cm 黒髪のロングですっごいオシャレ。
スタイルも抜群。ルパンみたいに目をハートにして飛び込んじゃうところだった。
オレの好きな女の子のタイプを具現化した女性が目の前にいることに感謝した。神さまとママに。
速攻で名前を確認して自分の名前とその子の名前で相性診断をする。
「悪くないじゃない」ホッと胸を撫で下ろす。
万が一結婚した場合のために姓名判断サイトでオレのところに嫁がせる。
オレの苗字でその子の名前。
「アレ?あんまりだな。」
オレ長男だけど婿に入っちゃってもいいかな?と
その子の苗字とオレの名前。
「コッチの方がいいじゃん!」
少し安心できたみたい。
子供の名前とかは流石に2人で考えたいからまた今度。
オレは楽しみは最後にまで取っておくタイプだからさ。
その後、2人で隣同士で仕事をすることがあった。
喋りかけたいけど喋れない。
シャイだから。
君すっごくシャイニー。
オレToo shy shy boy
案外相性悪くないかもですね。的なことも考えちゃう。
働き始めて少し経った頃、まだ仕事に慣れてないその子が何か不安そうにアタフタしている。
自分、手ェ差し伸べてもよかですか?
「どうかしましたか?」
「いや、ちょっとこの後どうすればいいかわからなくて」
「あぁ、これですね。ちょっとマウス借りていいですか?ここをこうして、それで(キーボードを教授(坂本龍一)さながらカタカタカタカタ)うん!これで大丈夫です。なんかわからないことあったら全然聞いちゃってください!」
それからよく喋るようになった。
服の話とか、バイト先の話とか、今までどんな仕事をしてきたかとか。
ある日、勇気を出して付箋にLINEのIDを書いてその子に渡してみた。
その子は肯定的な反応をしてくれていたと思う。
思いたい。
仕事が終わりあと片付けの時間。
ウチの部署はお客さんから返品された商品を倉庫に戻したりブランドに返品したりする部署で、その為お客さんから段ボールで服が届く。
お客さんの住所が入った送り状はすごい個人情報なので燃えるゴミに捨てるんじゃなくて、送り状を捨てる専用の段ボールに入れて処理する。
一日仕事をして100枚近く貯まった送り状を専用の段ボールに捨てにいこうとすると、段ボールの中にオレのLINEのIDが捨ててあった。
一緒に捨てに行った仲がいい女の子の友達がそのIDが書かれた付箋を手にして
「コレ、LINEのIDかな?捨てられちゃってるけど」
「それオレの」
「え?なんで?書いて誰かに渡したの?」
「うん。〇〇さんに」
「爆ウケ(その後すぐにみんなに伝えて各所で爆ウケ、社員さんにも伝わり爆ウケ)」
個人情報だからちゃんと専用のBOXに捨ててくれたのかな?
そしたらありがとね。
そのあと風の噂で聞いたんだけど、同期でアルバイトで入った西海岸スタイルのDJをやっている男の子といい感じらしいじゃん。
なんかよかったね。お似合いだよ。
好きな映画の話したの覚えてる?
オレはファイト・クラブって言ってさ、君は
「私、映画めっちゃ観てて〜河野さん知ってるかな?」
「え?何?」
「ワイルドスピードってやつなんですけど」
これだけは伝えたかったな。
映画めっちゃ観てるやつにワイスピ好きな人いないと思うよ。
仕事終わり帰りの送迎バスは幕張をドリフトした。

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ヒビキ・ローレン
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