3/16 IRON Finance SIL事件
①わたしと鋼の錬金術師との馴れ初め
IRONは2021の3/4にBSCで誕生しました。
わたしが気づいたのは、value Defiにいつの間にかIRONが居たからでした。
当時valueは無担保型アルゴステーブル(通称シニョリッジ)をやたらとかき集めていました。
だからわたしは、(valueはお金の錬金術をしたいのだろうな?)と感じていて、丁度錬金術師を探していたわたしはValueのビジョンに一致を見たので、ある程度期待していました。(その結果はvalueが最悪だったのですが)
そういう訳で、早速見に行きました。
中を覗くと、それまでの無担保型アルゴステーブルではなく、仕組みがイーサリアムのFRAXのモデルクローンで所謂部分担保型アルゴステーブルでした。
FRAX(とそこのTITANなFXS)に可能性を感じていたので、わたしはこれにめっちゃウキウキしました。
Binanceが5000$あったら何買う?というアンケをした時に、こういう感じで答えたぐらいです。
別の記事でまた細かい仕組みや考え方は書こうと思っているのですが、とにかくno time GOしたのでした。
②最初はSTEELではなくSILだったんだ。
BSCのIRONではIRONとSTEELを使います。
しかしこれは途中から代わったもので、元々はSTEELはSILでした。
最初はValue DefiのLP(VLP)を使っていました。
BUSD-IRONでSILが貰えて高APRと、BNB-SILで超高APR(6000%とか)でスタートし、今と同じくステーブルで高APRという事で地味に盛り上がっていました。
ただ、この時は70%のvesting(ハーベストのロック)がかかっていたので実質APRは表記の30%でしたが、それでもステーブルで十二分に美味しい状態でした。
そのうちSIL-IRONのペアが出てきてロックが無く高APRだったのでわたしはこれにも入りました。
更にBearn fiのBvaultにもリストされたので、面倒だということでここに投入しました。
SILの価格はそのあと滅茶苦茶下がったんですが複利効果でLPが育っていって、価格が戻らなくてもたまにSILが上がると時価は戻ったりしました。
同時にValue Defiの売り上げの詳細も毎日チェックしていて、IRON-BUSDやSIL-BNB等のIRON系のペアは手数料のいつも上位にいたのをこの時に気づきました。
だからこれを早期に抱えたValue Defiに対して、売り上げの将来期待値が大きく上がったと思ったのです。
ポイント
IRON系は手数料が稼げる。
ちなみに今もリアルタイムでsushi-polygonの上位常連です。
引用元 2021/6/5 sushi-polygon 分析
SILの方はBvaultに預けたまま長期投資のつもりで放置していました。
③天からふりそそぐものが世界を滅ぼす。
その日は突然来ました。
Iron Finance vFarms incident Post-mortem (16 March 2021)
この件を要約すると、
①Value DefiのVLPのファーミング報酬設定がオペレーションミスによって一瞬で今後1年分が全部降ってきてしまった。
②最速で気づいた人が全てのSILを速攻で売り払ってしまいSILが完全に電子ゴミと化した。
③オペレーションミスの原因はValue Defiとのコミュニケーションの失敗。
と、当時は説明されました。
直後はSILの価格が直近のbunnyのように、補償期待で乱高下したりしましたが、買わないで下さいのアナウンスもあり鎮火しました。
(残骸)
この時テレグラムのスヌーピー(今も居る運営の方)が、俺達は悪くない的な雰囲気を漂わせていました。
nya cashでも似たような雰囲気(彼らはろくに説明もせずに、事件後しばらくして出てきて、運営は今あらゆる方策を考えて頑張っている-何を?、FUDは止めろBANするぞ、DeFiではDYORとか言っていたので非常に悪印象でした。)だったので不信感がMAXになったのを覚えています。
なので、わたしは未だにIRONをたまにスヌーピーと呼んでいるのですが今はそんなに悪感情はありません。ゼロではないです。多分大丈夫であってくれと願っている程度には。
この事件の原因は結局、分かってはいません。
Value Defiの度重なるやらかしっぷりを考えると、Value Defiが勝手に設定を変えて説明をしていなかった為に引き起こされた可能性の方が高いと思っています。
この変えたのに説明を十分しなかった為に事故ったパターンは、Venusが手数料0.1%を付けた結果AUTOだとかが事故ったのと近いです。
とは言え、Beefyは回避しましたから十分注意すれば回避できたかもしれません。
ただ、Venusの件は事前告知自体があった故に回避出来てValueは突如変えたから回避できなかった可能性もあり、もはや真相は分からないとしか言いようがないでしょう。
誰が悪いのかは未だに分かりませんが、IRONの動きを誕生から見てきた印象で言えば、多分Valueが9対1で悪いです。
だから当時の俺達は悪くないは、印象は良くないものの彼らの本音だったのかもしれません。
これまで見てきた限りではIRONは(比較的)慎重です。
勿論ただ慎重なだけでは既に確立しているETHからの使者に勝てませんので、BSCのプロジェクトは何か魔改造する事を求められている宿命があります。
その宿命が今のアタック連発を生んでいるとも言えるでしょう。
なお、このSIL事件発生時にIRONのペグはどうなったのかというと、1$のままでした。
担保率が100%近かったので下がる理由もないと言えば無いのですが、これはこの時居た人にはIRONの頑丈さが印象に残ったと思います。
テレグラムで焦って売らないようにとの呼びかけがあり、IRONには問題はありませんでした。
④SIL→STEELへ 実質のIRONv2誕生。
結局この事故の発生後、SILは電子ゴミになってしまったのでSTEELと名を変えて実質v2になることになりました。
この時、SILに関連するLPを持っていた人は補償を受けられることになり、B Vault等に入っていてもその対象となったのでgoogle formに手作業で依頼しました。(向こうも手作業でチェックして大変だったと思いますが今思えば仕事は早かったです。)
補償内容は保有していたSILをSTEELにするという物で、即売りが起こらないようにじわじわclaim出来るようになっていました。
SIL-IRONのLPを持っていたわたしは、どういう風に補償されるのかと思っていたら全部STEEL扱いになりました。
IRONは1$ですがILでほぼ全部SILになってしまい電子ゴミLPと化してしまったので、ある意味では当然かもしれないですが…。
ただ、この方策は結果的に助かりました。
STEELは20$ぐらいまで上がったので、claim出来る時にじわじわ売っていたらIRONが1$な訳ですから1$が10$以上で売れた事になり補償のロックが全部解ける前にほぼ回収出来ました。
これも悪感情が薄くなった理由だと思います。
ここからIRONはリスタートする事になり、地味ながらもやはりValueの売り上げに貢献し続けていました。
SIL事件については概ねこのような内容になります。
まとめると
①元々あったSILは事故により電子ゴミになった。
②その原因の根本は分からない。公開情報はValue Defiとのコミュニケーション不足とだけ。
③SILは無くなり、STEELになり実質v2でリスタートした。
④SILのホルダーは結果的には無事補償された。
これをどう捉えるかはDYORです。
本家FRAXのテレグラムでIRONをどう思うか?という質問がありましたが、
以下引用
「I like that they are doing well and are a well known fork of FRAX. Forks are legitimizing for the originating design. Just like Bitcoin.
But with that said, I like some of Iron's new features and their gamification. They are innovating in interesting ways themselves」
引用終わり
「FRAXのフォークとして知名度が高く、うまくやっているのがいいですね。フォークは発案者のデザインを正統化します。ビットコインのように。
でもそうは言っても、Ironの新機能や彼らのゲーミフィケーションのいくつかは気に入っています。彼らは面白い方法でイノベーションを起こしています」 deepL翻訳使用
との事です。
大変寛容ですが、わたしはどこかで本家をリスペクトしておいた方が良いような気もします。
elipsisのようにエアドロップする等しておくと、後々双方の発展に良いんじゃないかと。
うまいやり方は思いつかないですが。
以下はそこからIRONとValue Defiがどう進んだのかの私の主観的な話でタイトルとは関係がありません。興味がある方や役に立ったと思っていただけた方向けです。
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