擬音声命体 うりゃ美とオリャ雄 第67話「塩辛い」

擬音声命体 うりゃ美とオリャ雄

第67話「塩辛い」

ナレーター「この世界にいる不思議な存在である擬音声命体。彼らは今日も精一杯に生きている」

オリャ雄「……」

ナレーター「ここは台所、いや厨。数多の職人が食材を調理する聖地。時にそこは戦場と化すところでもある」

オリャ雄「オリャリャリャリャリャ」バシバシ

塩の塊『……』カチカチ

オリャ雄「オリャ、オリャ」はぁはぁ

ナレーター「容器にいれていた塩が湿気で大きな塊となってしまったので、それを砕くためにオリャ雄は奮闘している。しかし相手はかなり手強く砕けない」

オリャ雄「オリャー」スプーン持ち持ち

スプーン『……』グググッ

オリャ雄「オリャリャ」グググッ

ナレーター「オリャ雄はスプーンを使って塩の塊に体重を乗せていく。しかし塩が砕けることはない」

塩の塊『……』カチカチ

オリャ雄「オリャァ」しょぼーん

オリャ雄「……オリャ!」

ナレーター「オリャ雄は最後の手段、オリャオリャ拳を使うことに決めた」

オリャ雄「オリャアーーーーーーーー!」メラメラメラ

ナレーター「気持ちを極限にまで高めた」

オリャ雄「オリャリャリャリャリャリャリャリャ!」オリャオリャ拳

塩の塊『……』ジリジリジリ

ナレーター「塩の塊とオリャ雄のギリギリ攻防が繰り広げられる最中、騒がしさを注意するためにうりゃ美がやって来た」

うりゃ美「うりゃうりゃりゃりゃ!」

オリャ雄「オリャッ!」

塩の塊『……』ツルッ

ナレーター「うりゃ美の出現に驚いたオリャ雄。それにより塩の塊にかけていた力の向きがズレてしい、その反動で塩の塊は大空へ旅立った」

塩の塊『……』ヒュー

うりゃ美「うりゃ?」パクッ

うりゃ美「……」ナメナメ

うりゃ美「……」アセアセ

オリャ雄「オ、オリャ」アセアセ

うりゃ美「う、うりゃああああああああ!」ジタバタ

ナレーター「うりゃ美は大量の塩を口に含んでしまい絶叫する。オリャ雄は直ぐに水をコップに汲んでうりゃ美に渡した。うりゃ美は水で口をゆすぎ塩辛さを押さえ込んだ」

オリャ雄「オリャリャ?」

うりゃ美「うりゃうりゃ」ニコニコ

ナレーター「心配するオリャ雄に大丈夫だよと伝えるうりゃ美」

うりゃ美「……」水ごくごく

うりゃ美「うりゃー」ホッ

オリャ雄「オリャ、オリャリャァ」頭ペコリ

うりゃ美「うりゃうりゃ」なでなで

ナレーター「うりゃ美はオリャ雄から訳を聞いて慰めた。撫でられるのが苦手なオリャ雄だが、落ち込んでいたので素直にうりゃ美のナデナデを受け入れた」

オリャ雄「オリャリャ////////」

ナレーター「擬音声命体は今日も不思議な音と声を奏でている」

つづく

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うりゃ美「うりゃうりゃ。うりゃりゃ」 オリャ雄「オリャリャ。オリャア」