2020年の夏季東京高校野球を振り返る。
大変短い文章になるがご了承頂きたい。
今年は誰しもが最も忘れられない1年になっただろう。
今年早々に「新型コロナウィルス」が西より流れ込み、多くの人々が今なお混乱の中でもがいている。
感染した方々、経済が止まり明日の光が薄れた方々。
夢と笑顔を届けてきた芸能界の方々の度重なる逝去。
東京五輪の中止。
あれよあれよという間に1日1日が過ぎていき、だがどこかまだ色を取り戻せずに31日を迎えた。
そして何にも変えられない貴重で暖かい学生生活が望みも予想もしない形で終えた方々。
2020年という節目の年は日本を大きく揺さぶり、悲しみと苦しみを与え。だが1人1人に向き直す時間をくれた1年だった。
高校野球では「選抜甲子園大会」そして「夏の選手権大会」の中止が発表。
甲子園出場を目標に掲げていた18歳達の夏は終わった。
その後「独自大会」という形で、なんとかトーナメント式の公式戦大会が設けられ、もう一度球児達に目標を与えた。
交流戦という形ながら、選抜が確定していた高校は甲子園で試合を行うことができた。
迎えた夏の大会は、観客は親族と関係者と部員・マネージャーのみ。吹奏楽、チアリーダー等の入場は制限され、公式戦ながら独特の空気感が流れていた。
しかしどの高校も従来か、それ以上に闘志を溢れさせ、勝ちに飢え喜び、鮮やかに戦い抜いていた。
そして私が追っていた東京大会も非常に面白く、熱くなる試合の数々であった。
今年の東東京大会では9年振りに「帝京高校」が東東京を制した。
準決勝の「東亜学園」そして決勝の「関東第一」と終盤まで非常に苦しい展開を迎えながらも、スクイズ・エンドランを展開し、試合巧者振りを遺憾無く発揮させ、勝利を掴み取った。
「大森学園」は、実に44年振りのベスト4に進出した。
準々決勝では、今年ドラフトに指名された「秋広優人」擁する「二松学舎」を見事に下した試合は非常に見応えのある屈指の好ゲームであった。
監督・主将が途中不在になりながら、シード校の「日本ウェルネス」を打ち破った「都立足立西」の他にも、「実践学園」や「國學院」「上野学園」など新たな勢力の台頭は、来夏の東東京をより面白くしてくれるに違いない。
西東京では「東海大菅生」が優勝を手にした。
東海大菅生はその後の。東西決勝戦で「帝京」をサヨナラで下し、「東京No1」の称号を手にすれば、その年の秋季大会でも「日大三」を下し優勝。
夏秋と2連覇を果たし、自粛期間がありながらも「東海大菅生」の圧倒的な強さを見せてくれた1年でもあった。
だが、夏準優勝の「佼成学園」も見事であった。
昨秋を制した「国士舘」を下す他、「日大三」を準々決勝で見事打ち破り、対日大三。悲願の夏初勝利を今年掴み取った。
「世田谷学園」や「日大二」など、古豪が再び飛躍した大会でもあった。
今年の夏大会は、未来につなぐ「たった1度」の夏であった。
最後の年に目標が消え、気持ちの吐き場すら見当たらない。
決して我々が共感し同情することのできない「虚しさ」と「悔しさ」
きっとそれは独自大会が決まった時でも、終わり数ヶ月経った今でも全て洗い忘れることはきっと出来ないはず。
だが確かに私たちは彼らの美しく熱い3年間を見ることが出来た。
それは背中を見てきた後輩達はより一層に感じているはずであり、「決して忘れることのできないたった一度の夏」は受け継がれていき、そして
「決して忘れられることのなく」語り継がれていく。
必ず。
確かにそこに球児は居た。
甲子園を目指した瞳と何も変わらない。
こんな内容で良いのだろうか・・?