見出し画像

上位進出も夢では無い【注目:東東京】

東東京を代表する強豪といえば何処を思い浮かべるだろうか?

甲子園では春夏合わせ計26回の出場、優勝3回、準優勝2回。
そして多くのプロ野球選手を輩出してきた東の横綱「帝京

同じく甲子園には春夏合わせ13回の出場を誇る「関東第一

10度の都大会準優勝を経て14年に悲願の夏の甲子園初出場を果たし、名門として再び名を轟かせている「二松学舎

その他にもプロ野球選手を幾数人も輩出し、甲子園での実績もある「修徳高校
84年センバツ。当時桑田・清原のKKコンビ擁するPL学園を破り、初出場・初優勝を果たした「岩倉

2年連続の夏季東東京大会で準優勝し、最も甲子園が近いとされている都立の強豪「都立小山台」同じく甲子園に2度出場経験のある「都立城東」。
2003年に二松学舎を破り甲子園出場を果たした「都立雪谷

西東京から変わらない強さを誇る「東亜学園」「堀越

他にも、過去の実績が豊富な「城西大城西」「日大一」「日大豊山」「安田学園」「東海大高輪台
などなど、ベスト16以上ではよく見る高校達。

だがそれでもやはり一発勝負のトーナメント・そして夏ならではの異様な空気感は毎年必ず大きく波乱を起こす。

近年では「大森学園」「上野学園」「共栄学園」らが大物食いを起こし、都大会の上位に名を連ねるようになった。

その中でも筆者が去年の成績。そして今年の夏・秋と試合を観た中でもしかすればベスト16の壁を超え、神宮、そして来年から使用の東京ドームに姿を現すのでは無いかと勝手ながら可能性を感じた高校を紹介したい。

今回はまずは東東京から4校を・・

①実践学園

画像1

17、18年と夏季東京大会でベスト16に進出し、また今年は24年振りにベスト8へと進出。毎年堅実なチームを作り上げ着実に勝ち進めている実力校だ。

「スポーツ推薦」を取り入れ、高尾に全面人工芝の野球場を備えている他、室内練習場・トレーニングルーム・寮が完備され、めいっぱいに野球に打ち込める環境が揃っている事から近年ますます飛躍が期待出来る。

一時期は1学年10人程だった部員も倍以上に増え、チーム力がますます上がった実践学園は元より力のあった高校なだけに、確実に”再び”上位争いへ食い込む事は間違いないだろう。

②正則

画像2

港区芝公園と大都会ビル群の中に校舎を構える正則高校。
その立地柄、グラウンドと呼ぶにはあまりにも狭く、スパイクも使用できない人工芝の「校庭」で、部員達が工夫をしながら練習に励んでいる。

そんな恵まれない環境ながらも今年の夏は2回戦で「城西大城西」に延長11回まで持ち込むなど、非常に粘り強い野球を展開する。

過去にも16年には3回戦で「帝京」を相手に2点差の好ゲームを演じている。

なかなか上位進出は出来ていないものの、「世田谷学園」「都立紅葉川」「日本ウェルネス」といった実力校相手に善戦している。

恵まれない環境下でも直向きに取組み、そして実力校相手に熱線を演じる高校は一度火がつけば「大物食い」は間違いなく可能であり、十分にベスト16以上まで勝ち進む力を秘めている高校であると注目している。

それは今年の夏大会の試合を観て、筆者が勝手ながら期待した感想である。
単打で繋ぎ劣勢の試合をひっくり返していく。
実際に試合に出場している選手全員が力強いスイングを放っていた。

③目白研心

画像3

2009年に女子校から共学へと変わり、校名を改称した。
創部11年の若い高校である。
僅か2名の部員から始まった物語は着実に紡ぎ、近年では春季・秋季大会の本戦へと顔を見せるようになっている。
そして何よりも18年の秋季大会の1回戦で「日大三高」を打ち破ったことで東京高校野球ファン間では話題に上がった高校だ。

20年今年の夏大会でも「雪谷」を5回コールドで下している。


平日は新宿キャンパスの他、駒沢球場・立川球場など各地施設を利用し練習に励んでいる。
充分に実力校と戦い抜ける力はあり、まだ若いチームであることから今後間違いなく強豪校を脅かす存在へと成り得る。

今年の夏は「帝京」の前に敗れ去ったが、中盤までは善戦しており好投手の植草君相手に積極的に喰らいつき、攻め込んでいた姿は印象的だった。
まだまだ若いチーム。歴史は積み上げてこそ輝きを増すものである。

④城北

画像4

偏差値「72」を誇る東京を代表する進学校の「城北」
有名私立大や国立大学に進学する他、部活動も大変盛んであり、サッカー日本代表や衆議院議員など幅広く輩出している。

2005年に夏季東東京大会ベスト16。2013年秋季東京大会ベスト16が最高成績ながら、今年の夏では2年連続準優勝校の「都立小山台」を投手戦の上見事勝利を収めた。

その年の秋季大会でも「帝京八王子」「都立足立西」と力のある高校を倒し、本大会では「國學院久我山」と壮絶な打撃戦を繰り広げ、勝利を収めた。

國學院久我山との試合では、最大12点差を逆転しての勝利だった。
7回表に8点を取られ、ここまでかと思いきやその裏に10得点の大勝利である。

まだまだ守備面・投手面と課題は残りつつも、一冬超えて来年こそはベスト16の壁を超えてくる可能性を強く感じた。

有数の進学校なだけあり、野球だけに打ち込むことは難しい。
各部との併用グラウンドの中、それでも選手達は工夫し考えて”自主性”を掲げ練習に勉強に取り組む。



個人的な話であるが、自分の高校時代の監督は「頭の良い高校は強い」と口すっぱく話していたのを思い出す。その理由は「野球面以外の方面から物事を考え、取り込むことが出来る。集中力はやっぱり違うよ」との事だ。

確かに小山台を始め、城東も非常に頭の良い高校であり、上記で名を上げた城北も当てはまる。