大田区と高校野球
東京には国立・公立(都立)・私立合わせて総数435校の数の高等学校がある。
今年の夏季東京大会では東東京で「130校」西東京では「126校」の数が参加していることから、改めて激戦区であることがその数で充分に分かる。
今回からは東京23区から、それぞれの区部に分けて野球部を紹介させて頂く。
23区が終われば西へ、そして離島へと移り紹介していくのであしからず。
なお、今年の2020年夏季大会・及び秋季大会に参加している高校のみであり
硬式野球部が存在しない学校・及び女子校は省かせて頂く(ただの学校紹介になってしまうので)
理由は特に決めてはいないが(笑)まずは南から少しずつ上って紹介させていければと思い記念すべき第一弾目は「大田区」からだ。
①東京高校
大田区鵜の木に校舎を構える1931年創部の長い歴史を誇る高校。
歩いてすぐの河川敷のグラウンドで活動しており、2014年には東東京ベスト8まで進出している実力校。
同じく大田区の「東京実業」とは併設校であり、また宮城の名門「東北高校」とは姉妹校である。
毎年多くの新入部員を迎えており、多摩川河川敷の校舎にちなんで「土手校(ドテコウ)」と呼ばれ、長い歴史と共に親しまれている。
実際この河川敷にはたくさんの野球場が連なり、先ほど名前を上げた「東京実業」の他にも、後ほど紹介する「日体大荏原」や、中学シニアの強豪「世田谷西シニア」等たくさんの野球少年の声が聞こえてくる。
【プロフィール】
●夏季最高成績/都大会ベスト8
●練習場所/大田区鵜の木河川敷グラウンド
●練習時間/週6日
●主なOB/神谷定男(元東映※現日ハム)等
②東京実業
「JR蒲田駅」より徒歩3分すぐに校舎を構える同校は、数年までは大本命の強豪を次々と打ち破り波乱を起こしていたことから「大物食い」として、東京高校野球ファンからは知られていた高校。
近年では2013年にベスト4まで進むなど確かな実力を付けてきており、東東京の強豪校の仲間入りを果たしつつある。
東北楽天ゴールデンイーグルスで活躍したアンダースロー投手「加藤正志」選手の母校でもあり、毎年多くの選手が大学野球の他、独立リーグ等上のレベルへの野球に挑戦している。
【プロフィール】
●夏季最高成績/都大会ベスト4
●練習場所/大田区鵜の木河川敷グラウンド
●練習時間/週6日
●主なOB/加藤 正志(元楽天)庄司智春(芸人:品川庄司)等
③大森学園
「縦縞紫」が特徴的なユニフォームの同校は今年の夏、二松学舎を破り44年ぶりの東東京ベスト4に見事躍り出た。通称「モリガク」
非常に狭いコンクリートの校庭でも工夫し、専属トレーナーによる体力強化指導やスマートフォンアプリを使用したコンディション管理システムを取り入れるなど徹底的に、質の高い練習を毎日行っている。
部員の多くが「工業科」に属している事もあり、卒業後多くの部員が就職をするが、内定を貰うまでが速いという。
【プロフィール】
●夏季最高成績/都大会準優勝
●練習場所/校庭・大田スタジアム他
●練習時間/週7日(使用する球場・場所により時間は異なる)
④日体大荏原
日本体育大学(日体大)の系属高校でもある通称「バラ校」
多くのプロ野球選手を輩出している他、過去には春に2回・夏に1回と甲子園大会に出場を果たしている。
2016年に校名が現在の「日本体育大学荏原高等学校」へ変更された事に伴い、ユニフォームも大学と同デザインのスカイブルーへと変更。
近年ではなかなか上位まで勝ち進めてはいないものの、確かな実力はある。
40年以上聖地から離れてしまってはいるが、毎年多くの部員が志高く入部し、多摩川で白球を追う。「NITTAI」の青文字が甲子園を駆け巡る姿は決して遠くはないはずである。
【プロフィール】
●夏季最高成績/甲子園出場(2回戦敗退)
●練習場所/多摩川専用グラウンド
●練習時間/週6日
●主なOB/丹波 健二(元ロッテ)今野 隆裕(元中日)等
⑤立正大立正
都営浅草線「西馬込駅」すぐの住宅街の中に佇む同校は、2001年には日大三高で3番打者として活躍し、全国制覇の経験を持ち、後にヤクルト〜西武で活躍した元プロ野球選手の「内田和也」監督の元、近年急成長を果たし実力校へと化した。
その練習方法も元プロ野球選手としての経験と知識がふんだんに積み込まれ、細やかで「わかりやすい」指導の元、2017年秋季大会・2019年夏季東京大会には東東京ベスト8まで勝ち進んだ。
16年内田監督就任後、部員数も急増。ますます今後の飛躍が期待出来る実力校である。
【プロフィール】
●夏季最高成績/都大会ベスト8
●練習場所/校庭 他
●練習時間/週6日
⑥都立大森
僅かな部員数ながら2年連続夏季大会ではベスト32まで勝ち進んだ。
「笑利」をスローガンに掲げ、ベンチ全体が明るく勢いがあるプレーが特徴的。
学校でも入試には「スポーツ推薦」が設けられ、野球部においても可能性を感じる高校である。
【プロフィール】
●夏季最高成績/都大会4回戦
●練習場所/校庭
●練習時間/週6日
⑦都立雪谷
「赤い旋風」を巻き起こし、2003年に甲子園初出場を果たした都立の強豪。
2014年には「鈴木優」選手がドラフトで指名された事で全国的にも再び注目を浴びた。
高校野球では異例でもある監督によるサインが出ない「ノーサイン」で試合を展開していく。
近年はなかなか上位進出は拒まれているものの、毎年力のあるチームを作り上げる「都立の星」は再び旋風を巻き起こしてくれるはずだ。
【プロフィール】
●夏季最高成績/甲子園出場(1回戦敗退)
●練習場所/校庭
●練習時間/週6日
●主なOB/鈴木優(オリックス)
⑧都立田園調布
「進学校復活」を掲げ、様々な学校改革を進めている同校野球部は、過去派遣部員の力を借りながらも戦い続けている。
今年の夏季大会も秋季大会も単独で出場を果たしている。
部員同士のチームワークの良さが特色であるという同校は、まだまだ成長発展。
過去にはベスト8という成績を残しており、今後「都立の強豪」として名を馳せる可能性だって充分にあるのだ。
【プロフィール】
●夏季最高成績/都大会ベスト8
●練習場所/多摩川河川敷専用グラウンド
●練習時間/週6日