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結婚してるのにロサンゼルス一人旅をした話(宣告・出発編)

唐突なロサンゼルス一人旅宣告

「あのさ、ロサンゼルスに行って来てもいい...?」
2022年11月某日、突如妻に向けた発言だ。
「んんん????ロサンゼルス〜?(どこ?)」
妻は心底驚いていたが、その顔は驚きの引き攣りとどこか興奮を覚えた様子だった。なぜだろう。妻自身はロサンゼルスに行かないのに。そう、妻は自分自身の突拍子のない行動にクセを覚えている人間だった。

そうやっていきなり「ロサンゼルス一人旅してきます!」と宣言したやばい旦那の私はその翌月12月にロサンゼルスに行く。今考えても結構ヤバヤバな私だが、会社の先輩と飲みに行ったり、ギャンブル、タバコ、土日のゴルフ、土日の友達との妻を放っておいて遊びに行くなどをしない私を妻は快く受け入れてくれた。普段は金も使わない旦那に大金使いの宣告が出ても、妻は反対はできないようだ。というよりも、反応できなかったに近いかもしれない。いきなりリングに上げられて、普段はリングに上がらない旦那が右ストレートを打ってきたのだ。

ということで宣言したその日にZIP AIRでロサンゼルスの航空券を予約した。「うぉ〜まじで行っちゃうのか〜」妻も私もそんな言葉を口ずさみながら、予約を進めている画面が映るマウスPCを椅子に座りながら覗き込む。

幸いにもパスポートを持っていた私はすぐに12月のチケットを予約することができた。なぜ、パスポートを持っているのかと言うと、大学3年の冬にロサンゼルスに行きたい!と思って、当時住んでいた埼玉県朝霞市の駅構内にある施設でパスポートを取得したのだった。その時も鼻息荒く興奮していた気がする。そのため、顔写真は「誰?」と言う顔で今の自分とはかけ離れていて面白い。

ロサンゼルスに出発する当日の朝6時

様々な荷物を小さいキャリーバックとリュックに積み込み、当日の朝を迎えた。
当時、千葉県浦安市に住んでいた私は12月にも関わらずUNIQLOのグレーのプルオーバーパーカーにダントンの薄い上着とUNIQLOのジョガーパンツ、UNIQLOのニット帽、靴は運動性に優れたonを選んだ。アウターは無しだ。12月の浦安は暖かい。住んでいたのは3年くらい?だったが、アウターを着たことはほとんどない。

荷造り(2022/12撮影)

ZIP AIRのフライトは成田国際空港を14:00発→LAX7:00着くらいの時間だったと思う。フライトは昼だけれども、この当日私は午前中だけ仕事を入れていた。そのため、午前中に浦安でリモートワークをしてから空港に向かうと間に合わないため、成田空港で仕事をすることにした。今考えれば仕事にならないのだが、スマホだけで仕事ができなくはないため、とりあえず「まぁいっか」という気持ちで成田空港で勤務することを決めていた。
出勤時間(リモート)は9:30なので、8:30には成田空港に到着したいということもあり、浦安駅を6:30くらいに出発する。浦安駅から歩いて20分くらいかかる木造アパートに住んでいたので家を出るのは6:10くらい。キャリーバックを引いて歩くことも考えると、6:00くらいだろうか。朝起きるのが苦手な私にとってはキツイ。

最近の電車時刻だけど、こんな感じ

5:00くらいにスッキリ起きれた。いつもの自分を疑うレベルでスッと起きれた。おいおい、楽しいことがあるとこんな感じになるの?いつも楽しいことだったらどうなっちゃうのよ?毎日楽しいことがあったら、どんなに人生が華やかなのだろうか。と、皆さんは一度は声に出さずに思ったことがあるに違いない。

妻も一緒に家を出た。妻は前々日くらいから悲しそうだった。ロサンゼルスに1人で行くことが悲しいということもあるが、なにより「何か事故にあって帰ってこないんじゃないか」という不安が強かったらしい。ロサンゼルスは日本よりも遥かに治安が悪いので、心底心配されてもしょうがないし、私も結構不安だった。
「本当に行っちゃうの〜」
妻は3階の部屋からエントランスに出た後、泣きべそだった。
「大丈夫だから〜、たった5日間だし、そんな簡単に死なないから」
「心配だよ〜、絶対帰ってきてね」
妻はほぼ泣いていたと思う。私もなぜか「もう2度と会えないかも」という不安が脳内のどこかにあり、結構悲しみを感じていた。とはいえ、待ちに待った旅行だ!というワクワク感も脳内を埋め尽くしており、脳内の真ん中を渡る河川を間に両者が合間見えている。
今、脳内メーカーをやったら「不安&ワクワク」しか出てこないだろう。脳内メーカー懐かしい。

少しばかりのお別れ

妻は見えなくなるまで手を振っていた。私はキャリーケースをゴロゴロ引きながら、妻がどんどん小さくなる様子を見て、今すぐ戻ってあげたい気持ちと裏腹に歩をしっかり着実に進める。妻と2日以上会えないのは結婚してから初めてだ。

浦安駅までの途中に「蛤屋さん」が幾つかある。浦安駅から徒歩5分くらいのところにある蛤屋さんの目の前でスマホを開く。スマホのカメラを左手親指でタップし、ビデオに変更する。キャリーバックを引きながらだと撮影は大変だ。それでも撮りたいことがある。
「はい、おはようございます。ついにロサンゼルスに向かう当日になりました。めっちゃ寒い、いま駅まで歩いてるんですけど、この決断を後押ししてくれた妻には感謝しかありません。本当にありがとう。午前中は仕事があるのでまずは空港に向かいます」
こいつはYouTubeの素材を撮り始めた。そう、当時の私は本当に恥ずかしいのだが、YouTubeでルーティン動画を撮っていた。毎日の行動を数秒撮り続け、1週間分撮ったらプレミアプロで編集してYouTubeにアップしていた。ゴロゴロとキャリーケースを引きながら大切な素材を撮るために必死だ。ちなみにそのときの動画は非公開にしているのでYouTube上には存在しない。(恥ずかしい過去)
初海外はロサンゼルス、それに一人旅。手前味噌だが冒険が始まった。

つづく

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