宅建試験合格から宅地建物取引士への登録方法
毎年数多くの方が受験される人気の『宅地建物取引士』。
ですが、試験合格=宅地建物取引士資格取得というわけではありません。
今回は、試験合格後、宅地建物取引士としての登録されるまでの流れを今回は紹介させていただきます。
まずは、宅地建物取引士の試験に合格すると、受験された都道府県知事に対して、資格登録をすることが出来る様になります。
(仮に、登録をしないままでいても、試験合格の効果が失われることはありませんので、ご安心ください。)
資格登録の申請を行うと、宅地建物取引士証の交付を受けることが出来ます。
都道府県知事への登録が完了していないと宅地建物取引士証を取得できず、宅地建物取引士になることが出来ません。
資格登録をするためには、下記の3点の要件を満たしていないといけません。
1、宅地建物取引士試験合格
2、宅地建物取引業の実務(一般部門は除く)の経験が2年以上ある、若しくは、登録実務講習を終了する
3、前科等の欠格事由に該当しないものになります。
今回の登録の記事については、1の合格後の流れとなりますので、1の詳細は省略させていただきます。
宅地建物取引業の実務(一般部門は除く)の経験が2年以上あるという点は、ただ単に不動産業者で勤めていればOKというわけではありません。
経験として認められる実務は、顧客への説明、物件の調査等の具体的な取引に関する業務であるとされています。
ですので、不動産会社の総務・人事・経理等の職種は実務経験があるとみなされませんのでご注意ください。
これらは一般業務となるので、資格要件にあたりません。
また、2年以上の実務がある場合でも登録要件に当たらないケースがあります。
過去10年以内に2年以上の実務経験を行っていないケースです。
例えば15年以上前に宅地建物取引業に従事していて、退職された方については、要件が満たされません。
「過去10年以内に」という部分は覚えておいてください。
ただ、信託会社や信託銀行で顧客への説明や物件の調査等の具体的な宅地建物の取引に関する業務に従事した場合や国や地方公共団体等、またはこれらの出資に伴い設立された法人で宅地または建物の取得や処分、交換に関する業務にあたっていたした場合は登録要件にあたります。
過去10年以内に2年以上これらの業務やの実務経験を行っていない方に関しては登録実務講習を受けていただく必要があります。
登録実務講習について詳しく説明していきましょう。
登録実務講習は公益財団法人不動産流通推進センターが国土交通大臣の登録を受けた講習機関として実施する講習です。
日建学院さんやLECさん等の大手の資格取得専門学校さんが講習をされています。
インターネットや郵送で申し込みを受け付けていますので気軽に申し込みをすることが出来ます。
料金ですが、学校さんによって多少異なりますが、20,000円前後というところが殆どです。
講習は
1、通信講座
2、2日間のスクーリング(演習)を行います。
スクーリングの2日目の最後に行う修了試験に合格すると実務講習は合格となります。
まず、講習を申し込むと通信講座の教材が送られてきます。
この教材で問題を解いたりしていくのですが、どの学校さんでも約1か月程度の勉強量になります。
通信講座の勉強は特に提出物等はありませんが、しっかりと勉強するようにしましょう。
宅地建物取引士試験に合格されている方であれば難しい内容ではないのでご安心ください。
次に2日間のスクーリングですが、この時間で公図や全部事項証明書を見たり、重要事項説明書や契約書類の作成練習等を行います。
午前から夕方までかなりの時間を有しますがやることが比較的多く、あっという間に過ぎてしまいます。
そして、スクーリングの最後に行う修了試験ですが、80点以上の点数を取れば合格となります。
合格率は99%と言われていますので、ちゃんと講義を受けていればまず落ちることはないので試験と言って緊張することはないと思います。
また、登録実務講習については、有効期限が10年となっています。
講習を受ける方については、すぐに登録されたい方がほとんどなのこれを過ぎるケースはないと思いますが、念のため覚えておきましょう。
前科などの登録欠格事由についてですが、以下が該当します。
1、成年被後見人、被保佐人、復権を得ていない破産者
2、免許を取り消され、取消しの日から5年を経過していない者
3、免許取消処分前に廃業し、廃業届から5年を経過しない者
4、禁錮以上の刑に処せられ、その刑の執行が終わって5年、または時効の完成などにより刑の執行を受けることがなくなった日から5年を経過しない者
5、一定の罰金刑に処せられ、その刑の執行が終わって5年、または時効の完成などにより刑の執行を受けることがなくなった日から5年を経過しない者
6、免許申請前5年以内に、宅建業に関して不正または著しく不当な行為をした者
7、宅建業に関して不正または不誠実な行為をするおそれが明らかな者
8、暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律に規定する暴力団員または暴力団員でなくなった日から5年を経過しない者
9、営業に関して成年者と同一の行為能力を有しない未成年者で、
その法定代理人が上記1~8のどれかに該当する場合
となります。
資格試験で勉強をされていると思いますがおさらいですね。
次に登録資格手続きですが、以下の書類を都道府県知事に提出する必要があります。
●登録申請書(記名・押印が必要)
●誓約書(記名・押印が必要)
●身分証明書(成年被後見人及び被保佐人とみなされる者に該当しない旨?禁治産者、準禁治産者でないと表示されます?及び破産者で復権を得ない者に該当しない旨の記載が必要)
●発行から3か月以内の登記されていないことの証明書
●発行から3か月以内の住民票(申請者本人のみの記載のもので、本籍・続柄の記載は不要、マイナンバー不要)
●宅地建物取引士試験合格証書(コピーでも可)
●申請前6か月以内の顔写真(サイズは縦3センチ×横2.4センチ)
●登録資格を証する書類(実務経験証明書や登録実務修了証明書等)
また、登録にあたり
●登録手数料37,000円(収入印紙購入)
が必要となります。
登録申請について、書類に不備が無くても審査に5週間程度かかります。
登録手続が終わると、宅地建物取引士となりますが、宅地建物取引士の業務を行うには、登録だけで完了というわけではないという点は注意してください。
重要事項説明を行うには必ず宅地建物取引士証が必要となります。
登録手続を行い、登録をされたら、今度は交付申請を行う必要があります。
交付申請については、
●申請書(HPでダウンロードや窓口で取得可能)
●顔写真2枚(サイズは縦3センチ×横2.4センチ)(1枚は提出用・1枚は宅地建物取引士証に貼る分)
●証交付申請手数料4,500円(収入印紙購入)
が必要となります。
都道府県により顔写真が2枚ではなく、3枚というところもありますので、必ず交付申請前は確認したほうがよいでしょう。
宅地建物取引士証が手元に届くまでは2週間程かかりますので、登録からは約7週間程度と思っておくとよいでしょう。
簡単にまとめると宅地建物取引士の合格から登録までの流れはこういった流れとなります。
◎宅地建物取引士試験 合格
↓
◎実務経験2年以上又は登録実務講習修了
↓
◎欠格事由の有無
↓
◎都道府県知事へ登録申請
↓
◎都道府県知事へ宅地建物取引士の交付申請
不動産業で勤めていない方は試験合格から取引士証交付まで時間や手間はかかりますが、一生使える資格ですので、是非登録されてみてはいかがでしょうか?
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