宅建以外で取得しておきたい不動産関連の人気資格5選
不動産関連の資格と言えば真っ先に思い浮かぶのが『宅地建物取引士』という方が多いのではないでしょうか?
毎年20万人以上の方が受験する人気の資格で、老若男女問わず色んな方に知名度がある資格です。
不動産の資格は宅建以外でどんなものがあるのだろうとお思いの方もいらっしゃると思います。
何を隠そう、私も宅地建物取引士の資格を保持しております。
今回は、そんな宅建以外で取得しておきたい不動産関連の人気資格5選を紹介させていただきます。
不動産鑑定士 【国家資格】
不動産鑑定士の魅力は平均年収が高額(600~700万円と言われています。)なところでしょうか。
もちろん1000万円を超えている方も少なくありません。
不動産鑑定士の資格を活かして働く方は、不動産鑑定事務所に勤務、もしくは独立開業されている方が多いです。
他には、大手不動産会社や大手銀行で資格を活かせる部門があったりします。
不動産鑑定士の主な業務は、「不動産の鑑定評価業務」となります。
不動産鑑定士が鑑定する評価額は、一般的な不動産の売買の査定額とは異なります。
一般の不動産の査定は、当該不動産がどれくらいで売れそうなのかという目安を査定するものですが、不動産の鑑定評価額は、当該不動産が持つ利用価値をお金にするといくらになるのかという金額を出すものになります。
不動産鑑定士の試験は短答式と論文式の2つ試験があり、どちらも合格しなければなりません。
平成29年の合格率は短答式 約30%、論文式 約15%となっており難しい試験になります。
ただ、短答式の試験に合格すると、次の2年間、短答式試験を免除されますので、2年計画で勉強されてみてはどうかと思います。
土地家屋調査士 【国家資格】
土地家屋調査士も独立開業が出来る資格です。
また、資格者の勤め先としては、測量の関連会社、土木建設会社、建設コンサルタントや地図の作成会社、土地家屋調査士事務所や、ゼネコン等が挙げられます。
平均年収も500~600万円程と言われており、世間一般の平均年収よりも稼ぐことが出来る資格の一つになります。
土地家屋調査士は「不動産の表題に関する登記についての業務」が出来ます。
登記簿謄本の表題に関する登記は土地家屋調査士の独占業務となっており、希少価値の高い資格です。
ちなみに登記簿の権利に関する登記については、司法書士の独占業務になります。
不動産の表題に関する登記を行うために必要な測量をして図面を起こして、申請を行います。
他にも、境界がはっきりしない土地をはっきりさせる手続きを行うことが出来ます。
これを「筆界特定」と言い、これも土地家屋調査士が行える独占業務となります。
土地や家屋の専門家として活躍できる土地家屋調査士ですが、こちらの試験も不動産鑑定士同様難しい試験にはなりますが、取得すると活躍の場が一気に広がります。
合格率は年々上がってきていますが、平成29年度の試験でも約8%程と難関な試験です。
試験は測量計算や作図問題、択一問題と書式問題が出題されます。
測量士や1級2級建築士の資格をお持ちの方は、測量計算や作図問題が免除されますのでこちらの資格をお持ちの方は特に取得を目指してみてはいかがでしょうか?
管理業務主任者 【国家資格】
管理業務主任者の年収は一般の平均年収と同程度の約400万円程度と言われています。
これは、管理業務主任者資格を持つと独立開業が出来るという訳ではなかなか無いからです。
ですが、資格を持っていると大手のマンション管理事業会社に就職がしやすいので年収もアップしやすいです。
管理業務主任者の業務はマンション管理事業会社がマンションの管理組合に対して管理委託契約に関する重要事項説明や管理事務報告を行う事です。
この重要事項説明は管理業務主任者の独占業務になります。
管理委託契約を開始する際は必ず重要事項説明が必要で、マンション管理事業会社は一定数以上の管理業務主任者を配置しなければなりません。
原則、30のマンション管理組合に対して1人をマンション管理事業会社は配置しなければいけません。
(人の居住の用に供する独立部分が5つ以下のマンション管理組合は配置の義務がありません。)
公的な資料はありませんが、年々分譲マンションは増えている傾向にあります。
それだけ、管理組合の数も増えていますので、管理業務主任者の数も必要となってきます。
管理業務主任者の試験は上記2つの試験と比べ合格率が高くなります。
近年は約20%程度で推移しており、合格しやすい資格の一つです。
ただ、宅建の様に老若男女誰もが受験する資格ではなく、ある程度不動産の知識を持った方が受験をされます。
油断はせずにしっかり勉強するようにしましょう。
マンション管理士 【国家資格】
マンション管理士の取得を目指す方に取ってあまり良い話ではないかもしれませんが、「マンション管理士」のみの資格をお持ちの方の年収はそこまで高くありません。
何故なら、他の独占業務が行える資格や、宅建の様に従業員の数に応じて一定以上の人数を配置しなければいけないという資格ではないのです。
ですが、マンション管理士の希少性から大手の不動産管理事業者からは重宝されます。
宅建や管理業務主任者と合わせて資格を取得するとマンション管理士の効果は絶大と言えます。
マンション管理士の主な業務としてはマンションの管理組合に対してアドバイスや援助を行う事です。
運営、修繕・大規模修繕の問題点、維持や管理に関して、管理組合の管理者にアドバイス等のコンサルティング業務を行います。
また、管理組合の管理者だけでなく、区分所有者からも相談を受けることがあります。
主に管理組合の立場になってマンション管理に関する問題解決を行っていきます。
マンション管理士の試験は、上記の管理業務主任者試験と勉強範囲が非常に似ています。
通信講座や資格の専門学校などでは、管理業務主任者試験とセットになっているケースが多々あります。
試験範囲は、区分所有法、民法や管理組合の運営、建築基準法等の分野で合格率は約9%程と管理業務主任者試験と比べると率は低くなります。
範囲は似ていますが、内容が難しくなるといった感じです。
ただ、管理業務主任者試験合格者は5点の免除があり、管理業務主任者試験→マンション管理士試験と勉強すると非常に効果的です。
2年で2つの国家資格を取得するイメージで勉強すると良いかと思います。
賃貸不動産経営管理士 【公的資格】
これまで不動産に関する国家資格を紹介してきましたが、「賃貸不動産経営管理士」という民間資格を紹介させていただきます。
この資格は2007年に出来た新しい資格になります。
意外に思う方も多いかもしれませんが、賃貸管理業務に関しては、不動産業とは異なり免許制ではありません。
ですので、現在は賃貸の管理業務というのは誰でも行える状態なのです。
ですが、現在国交省では、「賃貸住宅管理事業者登録制度」というものを行っており、多くの賃貸管理事業会社が登録を行っています。
この登録は、必須ではなく任意となっており登録が無くても管理事業は行えますが、今後登録が必須になる可能性もあります。
2016年に改訂された賃貸住宅管理事業者登録制度において賃貸不動産経営管理士は重要な役割が与えられました。
1、賃貸住宅管理に関する重要事項説明および重要事項説明書の記名・押印
2、賃貸住宅の管理受託契約書の記名・押印
3、事務所における資格者の設置義務
です。
今後、「賃貸不動産経営管理士」資格が民間ではなく、国家資格になるという話をよく聞きます。
また、管理事業会社では、資格保有者に対して、宅建や管理業務主任者の様に手当を出す会社も増えてきています。
試験に関しては、2014年までは合格率が約80%と非常に簡単な試験でした。
2015年以降は約50%程度と一気にレベルアップしています。
ですが、まだまだ他の資格と比べると合格しやすい試験です。
是非、国家資格になる前に取得をオススメします。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
今回は、宅建以外で取得しておきたい不動産関連の人気資格5選を紹介させていただきました。
どの資格も、取得後、専門家として活躍できる資格になります。
会社からも重宝される資格ですので、不動産関連に勤めていらっしゃる方や、今後独立を考えている方は、是非試験勉強に励んでください。