【2023年8月パリ旅行】中高年ふたり旅6泊8日 vol2.パリ2日目マルモッタンモネ美術館で早々に圧倒される件
パリ2日目は、前日の長旅の疲れもあり、我々も中高年ということもあって、あまりスケジュールは入れませんでした。また、この日はパリオリンピックのテストの実施がいきなりオルセー美術館の前のセーヌ川で行われるということもあり、マルモッタンモネ美術館に行き、午後はオペラ地区でランチや散歩を楽しみました。この記事ではマルモッタンモネ美術館について書きますね。
マルモッタンモネ美術館について
マルモッタンモネ美術館は、元々ポールマルモッタンという美術品のコレクターがいて、この方が亡くなったあと、モネに縁のある人などからモネの作品が寄贈されたそうです。
ちなみにこの建物自体は、元々マルモッタンの邸宅ということで、この邸宅を美術館化しました。フランスには貴族や富裕層の邸宅を美術館にすることは結構あって、マレ地区にあるピカソ美術館もそうです。恐らくロダン美術館も元々大金持ちの邸宅跡だったっと思います。
それで、このマルモッタンモネ美術館については、今回僕たちは2度目で、モネのコレクションも素晴らしいのですが、女流画家のベルト・モリゾのコレクションも多くあります。僕はモリゾの絵が好きなので、今回も楽しみに来ました。
それとマルモッタンモネ美術館は、後述しますがパリの中心から離れている場所にあります。そのため、ルーブル美術館、オルセー美術館、オランジュリー美術館などと比べて、それほど観光客が多くなく、落ち着いて絵画を楽しむことができるのも、この美術館の大きなメリットということができます。
ただ、注意をしておいたほうがいいのは、マルモッタンモネ美術館は個人美術館ということもあって、パリ・ミュージアム・パスが使えないということです。パリ・ミュージアム・パスは、フランスとかパリとかが運営している美術館等が対象になるようです。
僕たちが今回宿泊しているLa Clef Louvre Paris by The Crest Collectionから、マルモッタンモネ美術館に行くには、色々な方法があります。ただ、ルーブル地区からブローニュの森の方まで行くことになり、バスを何回か乗り換えて、メトロに乗るというような行き方になるので、Uberを利用することにしまししました。
マルモッタン・モネ美術館のコレクション
マルモッタン・モネ美術館はモネの名前が入ってるようにモネのコレクションが豊富なことでも有名な美術館です。それ以外にもルノワールやカイユボットなどの作品もありますし、女流画家であるベルト・モリゾのコレクションも売り物だと思います。
まずは、モネやモリゾ以外にどのような作品があるのか、僕が気になる作品をご紹介して行こうと思います。
まずこちらはカイユボットの作品。Rue de Paris, temps de pluie。かっこいい絵ですよね。
ジュリーマネについて
これ以外に僕が気に入ってる絵画を紹介すると、まずこちら。美しい少女の自画像です。
この作品は、ルノワールの作品なのですが、この美しい女性は、なんとベルト・モリゾとエドゥアール・マネの弟の間に生まれた女性ジュリーマネです。
この時代の画家の人間関係がすごく面白くて、まず、この美しい少女のジュリーの両親がベルト・モリゾとマネの弟であるということ。モリゾは何度もマネの絵画のモデルになっているということ、そしてこの肖像画を書いているのが印象派の巨匠であるルノワールであるということ。
何かの本によるとベルト・モリゾはエドゥアールマネのことが好きだったけれども、なかなか振り向いてくれなかったから、マネの弟であるウジェーヌ・マネと結婚したということです。
また、ジュリーは多くの文化人から愛されていて、山田五郎さんがご自身のYou Tubeチャンネルでジュリーの動画を作っているくらいです。それはこちらです。
実際にジュリーは16歳で両親と死別していますが、成人に至るまで多くの文化人が彼女を育てているんですよね。彼女の肖像画があれだけあるので、絵画の対象となるほど絵の書き手には魅力的な人だったんだろうと想像しています、勝手にですけどね。
実際にどれだけ描かれているのかというと、ウィキペディアでは次のようになっています。
他にこれだけ多くの自画像を描いてもらっている個人というのはいるのでしょうか。
ベルト・モリゾのコレクション
マルモッタンモネ美術館は名前にモネとあるようにモネの作品が多く展示されているのですが、ベルト・モリゾのコレクションも大変充実しています。僕はモリゾの画風が好きなので、今回も楽しむことができました。まずはモリゾの作品をアップしていきますね。
この絵画のタイトルはよくわからないのですが、恐らくモリゾの娘、ジュリーマネの幼少期のものだと思われます。その理由としてはこの幼女のファッションとほぼ同じような絵画をモリゾが書いているからです。それがこちら。
これは、モリゾの夫であるウジェーヌ・マネと娘の絵です。ほのぼのしているいい絵ですよね。
モリゾは結婚後は、家族の絵をよく書いたそうです。かけがえない旦那さんとその旦那さんとの間で生まれたジュリーを中心によく絵画を描かれています。
この絵画のモデルは成長したジュリーです。
このようにモリゾは結婚後家族を中心に描いているのですが、それとは別に緑へのこだわりというものを感じさせるんですよね。今、ご紹介した4枚の絵画はすべて背景が淡い緑を使っています。これ以外にご紹介をしていくと、
Le jardin à Bougivalは、モリゾの代表的作品です。マルモッタンモネ美術館のウェブサイトでもモリゾのページのトップに表示させています。モデルは娘ジュリーの友人Gabrielle Dufour(ガブリエルデュフォール)です。
草藁というとクロード・モネのモチーフとしてものすごく有名ですけれども、モリゾも取り上げているのは驚きです。
ただ、モリゾのグリーンへのこだわりというのが何かあるはずだと思って色々と探してみたのですが、わかりませんでした。
もちろんモリゾは、グリーンだけを扱っているわけでなく、オーソドックスな人物画も描いていて、
この作品はモリゾの代表作の一つで、彼女の友人がモデルです。モデルになっている女性の表情はとても柔和です。
モリゾの画風は、モネやルノワールほどオリジナリティは強くないものの、女性らしい優しい画風だと思うのですが、僕は彼女のこの画風が好きで、この人の絵画を見るたびにとても心が癒やされます。
ちなみにベルト・モリゾを主人公とした映画もあり、
少なくともベルト・モリゾはエドゥアール・マネとの出会いで大きく人生が変わったということは間違いなさそうです。
このあたりは少し書きましたけれども、有名なアーティストが様々な関係を持っているところに僕は深い関心があります。ただ、こちらもどういう本などで理解すればいいのか難しいところで、今色々と物色しているところです。
というのは、ベルト・モリゾはエドゥアール・マネとの出会いで、人生が大きく変わり、マネの弟と結婚します。二人の間から生まれた美しい娘ジュリーは、母ベルト・モリゾだけでなく、ルノワールの絵のモデルになっています。そして、モリゾ夫妻は結局50代で亡くなり、その時ジュリーは16歳でしたが、多く文化人がジュリーを育てているという事実は、やはり普通の人間関係では生まれないものだと僕は思うのです。ちなみにジュリーはその後本人も画家になり、80歳ほどでなくなるという、天寿を全うしてるんですよね。
クロード・モネのコレクション
さて、マルモッタンモネ美術館は名前にモネと冠されているように、クロード・モネのコレクションは個人のコレクションでは最大とされているほど、モネの作品があります。
モネのコーナーは、地下にあります。
この絵はモネの息子である、ミッシェルが赤ちゃんのときのものですね。
ちなみに、もう少し大きくなってからモネは描いています。
こちらの絵もマルモッタンモネ美術館に展示されています。
モネの家族の絵画が続きます。こちらはモネの最初の妻であるカミーユのポートレイトです。モネが親からの援助がなくなって、その彼を支えたのがカミーユです。日本でいうと糟糠の妻でしょうか。
この美術館にいると、どんどんモネの絵画が飛び込むように目に入ってきます。
こちらはモネのモチーフでもあるアルジャントゥイユシリーズの絵画です。
こちらはサンラザール駅の様子です。モネはサンラザール駅についての絵画はオルセー美術館に有名なものがあり、僕はこの絵画のタイトルを見て、こういう絵も描いてたんだなあと感心してしまいました。
ちなみにオルセー美術館にあるサンラザール駅の絵画はこちら。
そしてモネの代表作である、「印象・日の出」
前回(2019年)にマルモッタンモネ美術館に行ったときには、この作品は貸出されていたようで見ることができなかったので、今回この作品に出会えただけでも大感激です。
印象・日の出は、モネの代表作というだけでなく、どれだけ偉大な作品なのか、次のウィキペディアの説明文でもわかります。
こちらの絵画はモネの重要なモチーフの一つでもあるアルジャントゥイユでの汽車の絵画。
そしてモネのモチーフの中でも著名なルーアン大聖堂。モネはルーアン大聖堂については20作以上描いていて、この作品はその一つです。
更にモネのモチーフの中でも最も重要なモチーフである「睡蓮」もマルモッタンモネ美術館では展示されていました。
モネが藤の絵を描いているというのは、不勉強ながら知りませんでしたが、絵画のモチーフとしてやはりモネらしい選択をしたのかなあと思います。
そしてさらに「睡蓮」が続きます。モネの睡蓮はその時の年齢や精神状況によって色使いがかなり変わったりします。
今回の一連の作品にはありませんでしたが、1度目のマルモッタンモネ美術館に来たときには、真っ赤な作品があってびっくりした記憶がありました。
睡蓮以外にもまだまだ作品は展示されていて、僕たちはモネワールドに魅了されてしまいました。
こちらもモネのモチーフの一つでもあるロンドン塔。オルセー美術館で見たことのある作品とやや雰囲気が異なる感じがします。
マルモッタンモネ美術館にはモネのパレットもありました。
モネの写真も飾られていました。こちらはジヴェルニーのお庭からでしょうか。
以上のようにマルモッタンモネ美術館は、名前のモネの名前が冠しているということもあって、モネのコレクションの充実は半端ないです。
また、前述したようにマルモッタンモネ美術館は個人美術館ということもあって、パリミュージアムパスは使えません。
ただ、ここはパリの中心から離れていて、個人の美術館ということもあってあまり観光客も来ません。そのため、絵画をゆっくり楽しむことができるので、モネ好きの人は是非パリに行かれたら、覗いてみてください。
また、この記事をまとめた動画はこちらになります。
マルモッタン・モネ美術館
Musée Marmottan Monet
2 Rue Louis Boilly, 75016 Paris, フランス
http://www.marmottan.fr/
Google Map:https://maps.app.goo.gl/w7simjbd3aamiVsBA
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