完結によせて丨世界にさよならのキスをして
2021年11月1日から光文社マンガコミソルとCOMIC熱帯で連載していました『世界にさよならのキスをして』が2023年7月7日に完結しました。(気持ちいい日付で始まって終わって素敵だ)
せっかくなので完結によせて、ここに色々を書き残します。
おわり。
まず、お読みいただいた方々、ありがとうございました!
おかげさまで完結まで描き切ることができました。
連載中「好きになってもらえることってあるのかな」と思うことが多々あったのですが、読んでいただいている形跡を感じる度、そういった気持ちが和らぎました。本当にありがとうございました。
わたしが創作物を世の中に出す一番の理由は「私以外にもこれを望んでた人がいるかもしれない」です。
届いていたらうれしいです。
主題歌たち
この記事を読むときのBGMになるかもしれない、とおもったので先に出しておきます。さよキスのプレイリストです。
『Pop Virus』が主題歌で、オープニングでありエンディングです。
『心身二元論』はえつこ過去編(4話&5話)でずっと聞いてました。
『Sleep your dream』は世界がひっくりかえったあと(8話以降)です。
『美しい人』は15話と16話でした。
そしてまた『Pop Virus』に戻る。
作る話
商業デビュー作でした。
当初別の作品(同人誌で描いていたやつ)で打診してもらっていたのですが、今後漫画で食べていきたいと思っていたので、最初にやるなら「これが私です」と名刺になるような作品がいいと思い、さよキスにしました。
これにしてよかったです。
毎話が最終回と思ってやろうと決めていて、それは作画の丁寧さとか数年後の後悔とかの話ではなく、ただ単に「毎話、真剣に向き合おう」みたいなかんじです。
これは私の好きな漫画『愛人[AI-REN]』のインタビューで「1話1話が最終回だった」と語られていたことに、なんだかととても感銘を受けて、
連載が決まったとき「私もあのくらいの気持ちでやってみたい!」ってなったんでした。
さよキス以降、商業で漫画を描き続けることができるかどうかなんて、いくらわたしが真面目にやっていたってそんなことは一切関係がないから、これが私の最後の商業作かもしれない。と思って、だから、そういう意思をもってやったんだと思う。
おかげで担当には毎回しつこくご迷惑をかけたとおもうけど、おかげで毎回とても頑張れました。(担当ありがと~!という話、後でします)
毎月完成させて、毎月発表できるって、ものすごくよい機会だと思ったので、毎話なにかしら自分なりに新しいことを取り入れたり挑戦したりできたのも、楽しくて、ほんとにすごくよかったです。
あ~楽しかった!!
『世界にさよならのキスをして』という物語は完結しましたが、
元々「自分の性癖をしっかり入れよう」という目的でできた主役ふたりだったので、描きたいネタ、たくさんある!(アラメのバンドメンバーと一緒にBBQする話とか、イマガワノゾムとの話とか、成人向けとか…)
ので、趣味でまたちょこちょこ描けたらいいなと思っています。描きたいです。描きた~い!!
担当の存在
担当には大変お世話になりました。
この担当じゃなければ商業というもの自体を諦めていたかもしれないなって後からよく思いました。
私は結構しつこく「ここがちょっと気になる…」とかっていうのを、ものすごく抽象的な言葉で相談するのですが、毎回それに付き合ってくれるだけじゃなく、ときには私よりしつこく指摘してくれたり考えたりしてくれました。
(もうとっくに寝る時間だよ~~やっと修正できたね~!!ってなってたのに最後の最後に「やっぱりここ気になります…!」というのがあったりして、最高だ~!!私的に、担当と一緒にやっていく醍醐味ってこういうところです)
さよキスって、細かい感情のグラデーションのつらなりを描こうとしていたので、それができたのは、こうやって一緒に細かく悩んでくれた担当のおかげです。
銀座のロイヤルホストで「わたし達…毎話…むちゃくちゃ真剣じゃないですか?」って言ってましたが、本当に毎話一緒に真剣になってくれてありがとうございました!
いろいろは思ってる
なんかこのへんに、いろいろ、さよキスを描く上で思っていたこと、どんな気持ちで作ったのかとかを書いていたのですが、
そういうの(そうことをするの)ってめちゃめちゃ難しい…となり、消してしまった。難しい…😳
誰か話を聞いてくれるひとがいたときにしゃべりたいです。
(あとこういう、ちょっと踏み込んだ話はメンバーシップ記事のほうでしゃべっているのと、今後もそうしたいと思っているため、ご興味ありましたらそちらご覧ください)
あと!7月15日に完結記念スペースをやるので、そのときMCひの宙子と作品にまつわる話をします。
アーカイブが残らないのでたくさんしゃべると思います⬇
つづく。
中学生の時、本で書かれていた「人と人はそもそも分かり合えない」という言葉に涙が出るくらい救われました。
世の中の正しさに傷ついて、今もずっと傷ついているように思う。
愛が好きだ。フィクションが好きだ。中庸の考えが好きだ。
そういうような気持ちでずっと漫画を描いている気がします。
今後も漫画描いていきたいな。
(フワフワの文章だけど、「完結によせて」なので、別にこれでいいか!)
2023年7月7日 日々の 杏
投げ銭ができるとのことです⛵