子どもは一番近い他人
子どもを褒められて喜ばない親もいる。と思う。ふつうは子どもが褒められると自分も褒められたように感じるのだろうか。それとも自分の育て方が良かったと感じるのだろうか。僕はそのあたりの感覚が違っているようだ。褒められたのは子どもであって、自分は関係ないと思ってしまう。
子どもは一番近い他人だ。自分と子どもを同一視してしまうのは、いろいろと問題がありそうに思う。自分のかなえられなかった夢を子どもに託すというエピソードがメディアでは美談として語られる。メディアで取り上げられるのはもちろんうまくいっているケースだけで、表には出てこない不幸なケースというのもあるだろう。わが子には自分の人生を歩んでほしいと思う。親のことは気にするなと言いたい。
他人である以上、子どもはコントロールする対象ではない。完全にコントロールすることは不可能だし、親には子どもを思い通りにする権利はない。それに思い通りにコントロールしようとすれば、ストレスがたまってしまう。ひとり親でもそうでなくても、ストレスをためるのはもっとも避けるべきことだ。子どもには子どもの考え方がある。その違いを楽しむくらいがちょうどいい。世代が違えば常識は違う。育った環境が違えば常識は違う。子どもが自分の常識から外れたことをしていても、それは子どもたちにとっては常識かもしれない。立ち止まって様子をうかがうことが大切な気がする。
子育ては結果論だ。厳しく育ててうまくいく場合もあれば、そうでない場合もある。おおらかに育てても同じだろう。ある分野で成功していると言われているひとたちの生い立ちを調べることがあるのだけど、彼らの親の子育て方法は多種多様だ。子育てに良いも悪いもない。結果が良ければ良い子育てというものでもない。子育ての仕方に汎用性はない。僕が気をつけているのは、将来の選択肢を減らさないということくらいだろうか。あとは、人の気持ちを考えるように促すということ。
親は子どもにこうなってほしいという願いを持つものかもしれない。しあわせになってほしいというのは共通した願いだろう。一方で、安定した職に就いてほしいというのは、ちょっと違う気がする。具体的にどうするかは子どもたちが自分で考えることだ。僕は子どもたちにどうなってほしいという願望はない。子どもたちの人生なので、生きたいように生きてくれればそれでいいと思う。
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