声優に於ける売れ線とは何か

自分が思っている、声優という職業の「売れ線」とは何かを以下に書いています。

■人気のあるキャストとは
ゲームやソシャゲの発売日(リリース日)前に、告知広告などでよく見る「豪華声優陣起用」や「人気声優によるキャラクター多数」などの文言を目にします。

ではその、「豪華」や「人気」と呼ばれている人たちの、何を以てそう呼んでいるのか。広く一般的に知られており、そのジャンルに詳しくない人でも名前は見たことある、または多数の作品に出演している実績があるレベル、という定義だとすると腑に落ちるのではないでしょうか。

その多くの人達が、俗に言う「代表作」と呼ばれる、その人を有名にした作品というものがあります。これについては、雑誌やライブのパンフレットでの本人紹介の欄によく書かれているものです。

例えばある作品に出て、その作品が大ヒットし、それで知名度が出て、広く色んな人がその人を知れる状態が発生するとします。

・爆発的人気になった作品に出ていたキャスト 
 → そのキャストが有名になる
これはよく見かけます。それが代表作となり、以後活躍している人は沢山おられます。そしてその後、以下もよく目にします。

・有名なキャストを起用する 
 → その作品が爆発的人気になるとは限らない
大人の事情もあるかと思いますが、製作側もある程度知名度のある所を使いたいのか分かりませんが、正直継続視聴するのもしんどいアニメのメイン級が、そのキャストに集中する事があります。
中にはすべて新人で揃えて(年齢感も揃えて実稼働を増やす)というのも目にしますが、それはまた別の魂胆がある場合が多いです。

アニメに限らず、ソーシャルゲームも同様です。

敢えてきつい言い方をしますが、しょうもないソシャゲ出演の際の声優の告知でよく目にするのが「○○に出演させていただきました(過去形)」これはゲームの追加収録等がない、録りきりのものは過去形での表記が多く…

また、大型コンテンツ(ここで言う大型コンテンツは、アイ○ルマスター、ラ○ライブ、ウ○娘等)などの今後伸びがあり、ライブや色々な展開等での出演の見込みがあるものについては「○○に出演させていただきます(未来系)」という表記を多く見受けます。 

例え本当だとしても、これが文面に出てしまっているのが悲しいです。
出演させていただいております。という表記の仕方の人はかなり丁寧な方だと思います。
よほどの事がない限り(引退や廃業、身体的理由、20年以上経った作品のリメイク等)声優は変わりません。そのキャラを引き受けたその魂(声)はずっとその人のものです。

その昔、電撃G'sマガジンで掲載が開始された、シスタープリンセスが当時のゲーム化やアニメ化を経て、20周年企画でVtuber化されました。メインで動いていたのは可憐ちゃんでしたが、桑谷さん、その声を20年保っていてくれてありがとう、という気持ちでいっぱいでした。

■キャラクターの誕生日
有象無象のソシャゲに関しては、オーディションではなく、ゲーム会社からのオファーが多いと聞きます。中にはソシャゲでもオーディションがある場合もあるらしいですが...

作品に多く出てくれるのは非常にありがたいことですし、目にする耳にする機会が多くなれば、知名度的も必然的に上がるでしょう。
例え声優のオタクでも、その作品のそのキャラクターに思い入れがあるので(僕はあると思っているので)、SNS等で出演作品のキャラの誕生日を祝ってくれるのは非常にありがたいという話です。

一つの例として↓

今やすごい出演作数を誇る、りえりーこと高橋李依さんですが、キャラの誕生日をこのようにメモされています。勿論自分のキャラの誕生日をメモされているのは高橋さんだけではないと思いますが、こうやってファン側が目にできることは少ないです。
どんだけ考えていても、思っていても、声に出して、形にしないと伝わらないものも沢山あるので、積極的にアピールしていく必要を感じますし、ファン側も嬉しいものです。
しかし色んなキャラクターをやっていると新人の頃はちゃんとキャラクターの誕生日を祝ってくれていたのに、なんて事もあったりで、平等に愛するのは難しいです。

■声優の仕事とは

とはいえ、もともと声優という職業がファン有りきの職業とは僕は思っていません。今でこそ、アーティストデビューして、自身のファンクラブがあって、個人の番組やラジオを持ち、写真集を出し、という人も少なくないですが、出来ればファン相手の商売じゃない仕事をやって欲しいと個人的には思います。

自己を研鑽し、オーディションで役を勝ち取り、作品に対して要求された演技や表現をプロの仕事としてやっているのが所謂「声優」という職業だと、自分は思っていました。
しかし最近はマルチタレント化しており、地上波にも普通に出ますし、専門誌以外でも特集されますし、知名度の高い人だと芸能人と同じく週刊○春に付けられたりします。

作品や、作品に付随するライブだったり、朗読劇、ナレーション、ラジオ、個別の番組、一般人が知り得ない仕事等、特に最後に関しては告知されない仕事も多くあり

多岐にわたる仕事範囲で、表には見えないものもあるとは思いますが、ファンの数や人気で左右されない仕事をして欲しい、そう考えています。

■売れ線
毎日のように名前を見て、毎期のアニメに出演し、毎月全国各地でイベントもこなす、俗に言う「売れ線」という人たちは、上記のように一発当てた人のように思えます。
個人的には「宝くじ当てたもの勝ち」と表記していますが、いきなり大きなコンテンツでデビュー、経験が無くともそれだけで名前が先行し、あとは引く手数多。というのを目にします。それもまた才能と運だと思いますが、僕は叩き上げの声優が好きな傾向にあるので、そういった人たちを追ったことはありません。

と同時に、売れ線を追っている人たちを非常に羨ましく思っているのも事実です。

ファン側からすれば供給が多くあり、出演作品、見る機会、付随したイベント等があればそれに越したことはないですが、それが常である人もいればそうでない人もいます。

なので、「今回はいいや」と見送っている人がいると、悲しくなってしまいます。当然全部を追えとは言いませんが(金銭的、距離的なものもあります)行けるなら行っておくべきです。僕はかなり後悔しています。

これは供給がある人の意見です。追って疲れるほど稼働がある人を、追えるのは幸せなことです。

■総括
話がまとまっていませんが、結局のところ一つの椅子を競り合わなければならない職業で戦っている人たちが、第三者的意見で左右されて欲しくないというのが、書きたい内容でした。

応援している人には売れて欲しいが、人気だけで売れて欲しくないという
ジレンマ。


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