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【旅エッセイ】長崎一人旅vol.5

大浦天主堂にはたくさんの日本とキリスト教の歴史的な資料が展示されてあった。正直全てを真剣に読み通したかったが、1日使ってしまうので、さらっと目を通す箇所もありつつ、次の目的地へ。

二つ目の目的地。長崎原爆資料館。世界で初めて原爆が投下された都市が二つ。そのうちの一つが長崎だった。
原爆資料館に行って僕が未来の戦争や今起こっている争いを止められるわけではない。ただこの歴史的な史実をしっかりと目にしないままでいいのかと思った。

原爆資料館にもまた路面電車で向かう。もう慣れたもので、どこで乗り換えればいいのかも分かるようになり、スムーズに乗り降りできた。

1945年8月6日に広島に原爆投下、3日後の8月9日午前11時02分長崎に原爆が投下された。
原爆資料館には当時の状況が想像できる資料が数多く展示されてあった。焼けた石や物、衣服、崩壊された建築物、熱によってできた影、放射線による人体への影響。生々しい、アメリカの計画の内情。
これ以上軍の兵士が死なないようにと落とされた爆弾は多くの長崎の市民を殺した。
守るための武力や暴力は本当の意味での守ることではないのかもしれない。
原爆資料館には、国籍問わず、多くの外国人がいた。当時の被爆者の証言のコーナーで1人の外国人女性が資料を見ていた。彼女は静かに泣いていた。この場所がこの世界にあることの意味に触れた瞬間だった。

資料館を後にして平和公園に向かう。
そこにあったのは力強く佇む平和記念像だった。平和を願う街、長崎。それは人類が起こした戦争への訴えであり、これからの未来への希望だった。
僕たちは世界を変えることはできないかもしれないけど、願い続けるしかない。

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