西條クロディーヌの軌跡【劇ス考察】

Q、誰?
A、少女歌劇レヴュースタァライトみろ

細かい描写の考察とか設定の紹介します


劇場版にいたるまで

物語開始前、天才子役。CM出演や「アリー」の主役をやる。公式コミックスOVERTUREでは天堂真矢もそれを意識したような発言をする。つまり、同世代のすごいやつとして真矢→クロへの関心が入学前から存在し、そんな相手に追いかけられてるからこそ自分は走り続けるというウロボロス状の構造(クロ→真矢→クロ)をしている。アプリではどっかのストーリーでめっちゃ露骨に言ってたが、真矢様本人の口から自分以外に語られるのはなんか違う。

舞台#1、認められてはいるがそれはそれとして真矢様にめっちゃ煽られてる。本編と違い全体的にギスっている。「あーら天堂真矢も負けてないわよ?」と後ろからエールを送れるのはいい女指数が高い。ちなみに初期設定ではなな真矢クロが3年生組だったので上位勢なのはこの名残だとか。

TV版、2話Cパートでは真矢様とのレヴューがあっさりカット。背景が皆無なのでどういう舞台でのレヴューだったかよくわからない。3話では真矢様から特大のアンサーが返ってくる(華恋に対して)。クロディーヌ役の相場あいなはよかったねクロディーヌと泣いたらしい(真矢クロミッドナイトレヴュー参照)。5話ではひかりとレヴューをしており、レンガの橋にレースやリボンの装飾がされたフィールドで戦っている(←重要!)。その勝敗はというと最終順位を見るに多分負けてる。ちなみに、8話でひかりがななに勝つ裏でもしれっと華恋に負けてる。上位3名に負けてるのに同率3位で潜り込んできてるので勝ち点の量が試合ごとに異なるシステムなのかもしれない。負けてもむしろ燃え上がるのが西條クロディーヌなのだ(主催者の都合が丸出しなだけでは)。10話ではstar divine -finale-の2番をソロで歌ったり、私の真矢したり、エンディングを歌ったりした。エンディングはこの回だけスポットライトの色が唯一自分ではなくデュエット相手のカラーになっており、相手の側から自分にライトが当てられる構図になっている。たまんね^~。12話では天堂真矢のカニと自身のエビで張り合っていた。

舞台#2以降、天堂真矢に裏切られてそれを利用して発破をかけられたり(許しません!柳小春!)、物まねを披露したり、他校の生徒を導いたりと全体的に面白くてかっこいいお姉さんをやっている。「華恋なんてあらぬ噂に驚いて落ち込んじゃったのよ!?あの華恋が…まあ、静かになっていいんだけど」地味にひどい。

スタリラ、上とあまり役回りが変わらない。メインストーリー第七話「削劇、天堂真矢」では唯一天堂真矢がいない違和感に気づき、流れで真矢とのレヴューに勝ったり(貴重なポジションゼロ)、アルカナ・アルカディア編ではしれっと腑抜けたひかりに勝ったりした(やっぱ本編では負けてたのかな…)。全体的に衣装が非常によい。大アルカナが「恋人」なのは結構解釈一致。恋人がもうちょっと強かったらなあ…1万使ったんだぞ。劇スの円盤買える額じゃねえかよ。買ったけど。

劇場版にて

皆殺しのレヴューでは一応最後の3人として残る。しかしばなな問答にはこたえられなかったのであっさり負ける。その後なんであいつだけ…と自問し、レヴュー前には完全に覚悟が決まっているのは意地を見せた場面だと個人的には思う。「あんたが…!(双葉に新国立を勧めたりするから)」という台詞にある通り、因縁のある怨みのレヴューにもしれっと出て「ばからし…」みたいなリアクションを取って退場するあたりは流石の貫禄、こういうムーブができるのは本人の覚悟が決まっていて焦りがないからだと思う。そして魂のレヴューで伝説へ…

控室

すすめ!アニマルしょうぎをプレイしているシーン。けっこう重要なのでここには触れておく。基本的にワイルドスクリーンバロックは最低限の覚悟だけ決めてあとはぶっつけ本番で答えを見つけて最後に卒業とお別れをする…という構成なので、こういう対戦相手と向かい合って話すシーンはない。目と目があったら即レヴューが基本なのだ。

この二人はもう覚悟が完全に決まっているので、こういうことをする余裕があるのであると考えている。

これだけだと「贔屓目で見てんじゃねえよ」と言われそうなのでもうすこし細かく見ていこう。注目したいのは「ようこそ、舞台へ」のシーン。真矢様もクロを舞台人として既に認めている…というのもあるが鏡に映っている真矢様もしゃべっているのがポイント。本編10話ではレヴュー・デュエット前に二人で練習する様子が描かれている。ここではストレッチをしながら鏡に映ったクロディーヌが本音を吐露するのである。つまり鏡に映った人物は建前(表面上の自分)に対する本音(内面)を表しているのだ。同じ真矢クロの構図で鏡に映った真矢様と本体が同時にしゃべるという演出は外面と内面が一致した心の底からの意見とみることができると考えた。

加えて、「あんた本当に弱いわね」も注目したい。レヴューで本音を明かしあう(暴きあう)という前提があるこのシーンでこのセリフである。レヴュー本編で真矢様の建前(神の器)が偽であると看破し、内面(欲深い人間)を暴き出したわけだが、そういう人間臭さ(弱さ)をすでにレヴューの前に暴いているのだ。

本質的にはレヴューをする前にだいたい終わっている。しかし刃を交えずにはいられないのが真矢クロなのである。LOVE

魂のレヴュー

実は全レヴュー中一番尺が長い。四幕あったり副監督が真矢クロのオタクだかららしい、監督曰くレヴューとしてのクライマックスはここに持ってきたとか。内容としては先に述べた通りである。個人的に注目しているのは終幕におけるレヴューの舞台である。階段・十字架・レースとリボンで構成されている。

レヴューの舞台は雑に言うと領域展開みたいなもので、登場人物の要素が反映される。どちらかが開始時点で相手を圧倒していれば支配率は非常に高くなる(鳥バード2018など)。逆に拮抗していればモチーフが混じったような形になるのだ(5話や6話がわかりやすい)。ここで5話を思い返すとクロひかの場合は橋とレースリボンだった。橋はロンドン橋ということでひかりと考えるとクロディーヌ要素はリボンやレースというわけになるのだが…

そう、最後の舞台は真矢クロのオーディションでのモチーフが混ざっているのである!メンタリティ的にオーディションの頃のままで話が進んでいるという見方もできる。元からけっこうバチバチだったからいちいち卒業をしなくていいのだ。

”まや”かしのほほえみ 布切れを破いてやる
見せてみたい ”くろ”に染められゆく 感情

美しき人、或いはそれは

オイオイ…完全にいちゃついてんじゃん。ちなみに或いはそれはの後に続くのは原案では「恋の歌か」だったのを監督はあえて隠したらしい(ラジオか劇場公開に付随して公開された座談会で言われていた)。先を想像してほしいとのこと。公式がもう最大手なんですケド…もっと緩いのを想像してたわ、「好敵手か」とか…恋の歌て

「私だけが、あんたをむき出しにする!」というのは、先に述べたとおりである。全編を通して等身大の真矢と向き合うという話であり、実はそれは控室の段階で既にやっているという…

私たちは、燃えながら、ともに堕ちていく炎

最後はフィールド全体がデカい溶鉱炉になって全部燃やしている。ともに~の部分にとらわれていたが、よく考えるとお互いがお互いを燃料にしているわけだ。この二人はずっとこの調子でお互いがいればいいみたいな世界観でやっている。

「卒業の話なのに、あの二人だけいつも通りイチャイチャしてるんだよね」
「テンションが河原で殴りあった後の不良みたい」

佐藤日向・小泉萌香のバトってダイナソーより

やっぱ真矢クロなんだワ

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