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ありがとう エスパーミッドレンジ

えっ あと数日でローテ落ちするデッキのまとめを…?


趣旨

半年使ったデッキのストロングポイント、ウィークポイントについて実際の使用感と採用カードから考察する。強い構造が把握できれば部分的な流用をしたり似た系統のデッキと戦う際の指針の把握などに役が立つと考えた。強いデッキを使うスキルを別の強いデッキを使う際に引き継ぎたい。

メインボード

青白黒3色を使ったデッキ。26枚の土地に魂力、トライオーム、ミシュラランドを採用し色カウント(各16〜17)とバリューランドの多数採用を実現できている。

土地でないカードとしては単体除去6〜7枚、打ち消し3〜4枚、クリーチャー15程度、他エンチャントなどという構成。2マナ以下を20枚程度と分厚くとっており、インスタントのアクションも多い。

青の打ち消し、黒の除去、白の優良パーマネントに3年分の優良カード詰め合わせという豪華なデッキ。最大の特徴はなんといっても青白黒シンボルというエスパーそのもの"策謀の予見者、ラフィーン"だろう。

このカードの代わりというのはそうそうでない

場持ちの良さ、回避能力、ルーティング、パンプ…ボード・ハンドの双方のアドに寄与する様はmtgそのものに噛み合っている。同型でも多様な構築ができる都合上、他のどのカードも不採用がありえる中、このラフィーンだけは常に採用されるまさに鉄板。

構築の大部分に長い期間で採用が見られるカードには"放浪皇"、"黙示録、シェオルドレッド"、"婚礼の発表"、"忠義の徳目"(+出来事面の"アーデンベイルの忠義")、"最深の裏切り、アクロゾズ"あたりがあげられる。どれも出せば勝負の趨勢を大きく傾けることができ非常に強力。

サイドボード

エスパーの3色を駆使し、徹底的に相手の強みを潰すか弱みを突くためのカードが入っている。ミッドレンジ同士では婚礼の発表がアドを上手く稼いでくれるので、他アーキタイプを睨むカードが各数枚ずつ入りつつ最後にミッドレンジ同型をより有利にするカードが少々という配分。

戦い方

ミッドレンジと銘打たれている通り、サイドボードも含めて元々相手が戦いにくく自分が戦いやすいレンジへの誘導を得意としている。エスパーミッドレンジはここに加えて色の性質上、打ち消し・除去とその裏択である瞬速持ちを無理なく搭載できるためさらに対応力に優れる。逆に全てのデッキに55%の勝率を保つところがゴールであるため、相性の差で楽々引き潰すという展開はあまりない。他のデッキは対応力の代わりに一撃の鋭さや異常な継戦力・アド獲得などの特徴を選んでいるにすぎない。

具体的には2マナ以下の範囲で打ち消し+除去(10枚)と瞬速持ちクリーチャー(5枚)を同時に構えられるため常に無駄なく動くことができ、インスタントで除去しか打てない相手には後出しをし続けられる。ソーサリータイミングのアクションもラフィーンや婚礼などコスパに優れるカードが備わっている。

これらを踏まえて、大まかに次のような戦略を取ることができる。

先手ゴリ押しムーブ…コウモリ→ラフィーンと繋ぐことで相手の除去やキーカードを弾きつつラフィーンで相手の今引きへの対抗策を補給し続けることができる。分類的にはクロックパーミ・撹乱的アグロといえる。コウモリは除去が1枚以下なら土地以外の任意ハンデス+優良生物として機能する。

ミッドレンジムーブ…インスタントを構えつつ隙を見て婚礼の発表を設置する。婚礼トークンに何か除去を打てば後続が通るので相手の除去のあて先を制限しつつ、有利な後出しを続けられる。消耗戦になった段階でラフィーンや婚礼2枚目、放浪皇、アクロゾズなどの堅実に稼ぐクリーチャーを設置して一気に優位を生み出す。

除去コンムーブ…メインの青黒カード+サイド後の軽量マナに対する全除去により、徹底的に相手のクリーチャーを弾く動き。この場合はアクロゾズをフィニッシャー、デニック+婚礼を使い潰しも可能なリソース源に用いる。

個人的には序盤と終盤にそれぞれ焦点を合わせた戦略がメインボードの段階でもかなり高いレベルで共存可能な点が強いと感じた。機能すれば常時1:1交換になる打ち消し、除去・安定して数枚分になる婚礼、ルーティングで有効牌を取りに行けるラフィーン3種類の相互作用と言えるだろう。

対応力をウリにしつつも展開がハマればどんな相手も一方的にボコボコにするくらいの出力の高さがある。環境に合わせて取るスタイルを変えればよく、メタの中でも強さを維持できる側面もある。ゴキブリ並みのしぶとさでドメインと並び常に環境に居続けるのも納得。

弱点

サイドまで含めて3色をかなり満遍なく使っているため、土地が偏ると出力が一気に落ちる。加えて対応力にパラメータを大きく振っているため、基本的には微差で勝利する展開が多く、また大きな不利を覆す6マナ以降のカードも搭載されていない。よってマリガンや途中のカード選択の僅かなミスでフルボッコにされる展開は非常によくありうる。あなたは八十岡翔太ではない。

プレイスキル

ここでは運用にあたりどのようなスキルが要求されるかを考察する。

インスタントが多く、2アクションも容易なためフルタップで返すことが裏目になる展開は多い。最速で設置したいパーマネントもそうそうないので基本的には構え得というのが構造的な前提。

これを踏まえた上で難しいのはその上で婚礼・コウモリやサイドカードなどを素早く唱えるのが重要なパターンもある点。常に手札と相手のマストカウンターを念頭に置いてプレイしなければならないことからゲームプランの設定が何より重要だと考えた。

ラフィーンのルーティングで何を残すか、黒幕の起動型能力がうち得かどうか、ミシュランの起動の有無、5マナの強力だが勝ちに直結まではしないアクション(徳目・アクロゾズ)などがこれに当たる。

出力の平均的な高さが売りのなんでもできるデッキ(横並べアグロに競り勝ち、版図ランプやコントロールと場合によっては互角以上のアドを稼ぎ、コンボの動きを阻害し続ける)であるため、基本的には焦らず腰をすえるべきというのが再度の結論になる。

加えてデッキの強みを的確にチューニングするという意味でサイドボーディングも重要になる。これは対応力の高さとセットになり、ゲームプランとも重複するので詳しく書くような話ではない。

今後の類似デッキ

色の役割さえ越えて普遍的な強さを獲得するに至ったデッキ…というわけではないので、再現する場合はラフィーン+婚礼の部分ということになる。

雪だるま式で多様なアドを出し続けるカードは構える戦略と組み合わせることで120%のポテンシャルを発揮する点は今後の評価にも加えたい。鏡割りの寓話のようなカードが来ればそこに青+αを足せばいいわけだ。

特筆したいのはラフィーンも婚礼も2枚目以降の扱いが非常に容易で4積みが強く肯定される点にある。ラフィーンは攻撃時の誘発なので除去されるたびに再度出したり、除去の心配がなければ自身の効果で捨ててしまうこともできる。婚礼はそれ自体が腐るマッチでなければ2枚目以降はより出力が増していく。

コントロール相手の場合はあえてトークンを2体にとどめクロックを刻みつつ婚礼1枚目の3回目の誘発をドローにしつつ、全除去で流されても瞬速もちと合わせてすぐ場に2体揃う状況を維持できる。ゴルガリなどのミッドレンジ相手の場合は並べれば並べるほど盤面を強固にできるし最後は徳目をおけば蓋ができる。

これらを踏まえるとラフィーンや婚礼の稀代なてんこ盛り具合が目立つ。部分的にならともかく、それらの負う役割全てをたった3マナで担えるカードはそうそう出ないだろう。

これらを踏まえて使用感が似通ったデッキはスタンダードではそうそうできないだろうというのが結論。

駄文

元々はエスパーコンを使っていたのでラフィーンという単語はトライオームでよく見る単語だった。エルドレイン以後徐々にエスパーコンの立ち位置は悪くなり、"魂の洞窟"とかいう空気読めない上にTier1だけ的確に強化するクソゲロゴミアホバカクズ再録カードや廃墟の地を多数搭載する必要性と優良カードの獲得でエスパーよりアゾリウスにコントロールの軸足が移って行った。

エスパーミッドレンジはアゾコンがいない時期に土地基盤を共有できる借宿のような認識で使用した。なぜ、8ヶ月ほどでローテで消える神話レアを貴重な神話WCを使って4枚も作るのか?自分には最初分からなかった。

しかし結果はエスパーコンより多くの試合をエスパーミッドレンジで戦うことになった(コントロールはそもそもBO3の試合クソ長いし)。それもこれもラフィーンという稀代の名カードのおかげである。

ありがとうラフィーン!フォーエバー!

来季何握ろう、コントロールかクロパしてえな。ネズミか…カエルか?とにかくドメインと赤白召集は絶対◯す。お前もエスパーミッドレンジと一緒に暗黒の世界へ帰れ!!


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