真・女神転生VV 雑感

どれくらい変わったかな?

細かい変更点

知らねえな、てめぇらで勝手に想像しろ

これが網羅しているので、それらが前作に感じた不満点などにどう作用したかをまず見てみたい。

改良1,マップ探索面

おおむねよくなったといえる。オプションで画面の明るさを変えることができ、色分けや階段アイコンの縮小でミニマップの視認性は上がり、追加されたマガツロはショートカットを増やして行き来を簡単にした。一度アスレチックをクリアすれば次のアスレチックに失敗してもマガツロですぐに戻れるのだ。雲上視界という俯瞰視点機能で逆算ができるのも便利。ミマンがほんのり赤く光っているのがビーコンのように作用し、俯瞰で見つけやすいのも好印象。

クエストナビの拾ってくるものは強制戦闘の場合は御霊が出る頻度がかなり増えたし、初回のみ貴重品が出る固定ポイントが増えているので探索であれこれ迂回してもむしろ楽しく。はいはいどうせ魔石でしょと侮ることなかれ、序盤から経典や香がちょこちょこ落ちるぞ!

しかし3Dアクションの根本的な出来…ジャンプとダッシュのアスレチック要素は相変わらずちっとも面白くない。ジャンプの操作性がなんとも言えない感じなのに失敗したら建物から落ちてもう一回はまだまだある。

そもそも論として、瓦礫や車に段差などが随所にあるせいで継続したダッシュは妨げられるし、敵も急に出てきて引っかかるしで移動からしてまずだるい。そこにジャンプや回り道で御厳やミマンを集めねばならない。正直だるい。

ライドポケモンみたいなのがいればいいのにね、6でお願いしまーす。

改良2、シンボルエンカウント

増援のシステムにより、敵を見てあらかじめ有利なパーティを編成する手法だけではやりにくい。この増援がいい味を出していて、経験値稼ぎになったり、戦闘におけるリスクリターンの増加などいろいろなものに貢献している。マガツヒ悪魔のシステムも悪くない。報酬が多い強敵という分かりやすいシステムは探索面にもプラスだ。ドロップに香があるので周回時にマップを走破してる時も思わず足を止める魅力がある。総じて、レベル差補正の減少による経験値補正の緩和(こちらはおそらく)があるのでこれらの追加要素は必然性がある。

護陣エストマはエストマの純粋なナーフで意図が謎。主人公が常時使えるスキルになった代わりに、使用するとマガツヒゲージが結構な速さで減り続ける。そもそもレベルが上回っていないと機能しないようにエストマをナーフして終わりじゃないのか?マガツヒゲージが対価なのも意味不明。連続で使えないようなコストをつけるという理由そのものはわかるが、それじゃ一つ前のマップのサブクエストとかを攻略して回るときや万古の神殿などの面倒なダンジョンにはあまりつかえない。

道を完全に塞いだり、急に出てくる雑魚のウザさがこれによって急激に上がり、本来やりたかったマップのデザインってこうなのか…と思った(特に万古の神殿)。避けるのはアスレチック要素でRPGのゲーム性には寄与しないし、ダッシュ固定モードが使いにくいのでスキルのエストマをレベル以下抑制にして返してクレメンス。なんで周回で雑魚悪魔に激突→逃げるを繰り返さにゃならんのだ。

改良3 ユーザーフレンドリ

元々けっこう丁寧な作りのゲームだったので、改善点で遊びやすさとプレイヤー側の爽快感を強化したら追加でコメントするところがない。

改良4、レベルデザイン

レベル差補正のきつさによって、高難易度でレベル上げが半ば必須になったりそのレベル上げ方法が限定されていた。補正の緩和や戦闘要素の増加、経験値稼ぎの新たな手法によってこれらの欠点は払拭された。

特にクエストナビによる雑魚戦は連戦を起こしやすく、そこで御霊が出て経験値がっぽり…というパターンがレベルを一気に上げてくれる。(おかげでリベラマはほとんど使わなかった。)

一つ一つはいい改善だがしかし全部が組み合わさった時の出力は少し高すぎたかもしれない。実際問題3つ目のダアト以降は雑魚戦をほとんど能動的にやっていない。ひたすらクエストナビの落とし物を拾い続けて雑魚を避け、必須戦闘とたまにクエストと交渉をしているだけでボスは1、2回の挑戦で突破できた。手持ちの札でガチャガチャするとなんか勝てちゃうのだ。そして4つ目のダアトでレベル上げが面倒くさくなり手持ちの福音書を全部つぎ込んだ後そのまま駆け抜けた。

追記:どうもマーメイドをクエストナビにすると御霊が出やすい…らしい。

やっぱマーメイドたんが最高ってハッキリわかんだね

改良5、ストーリーとキャラの掘り下げ

復讐の女神編ではことあるごとにキャラクターが起こった事態に対して自身の意見を述べたり対立したりする。キャラクターの価値観を外的な事象へのレスポンスで描写するやり方はテキスト数が限られるRPGにおいては王道かつクレバーな手法と言えるだろう。復讐の女神編についてのコメントは後で詳しく行う。

余談だが、ペルソナやアバチュはどの作品でもダンジョン入り口などで仲間たちと会話できるがそれらは各キャラを細かく掘り下げる役割も担っていたのだ。

改良6 悪魔要素の猛プッシュ

ユニークスキル(パッシブ)の実装や、「悪魔の裏庭」による会話パターンの大幅追加など「女神転生は悪魔を題材にしたゲーム」との強い自覚が出ており、ここについてはなんで今までなかったんだとさえ感じた。

ユニークスキルについても複数組み合わせた時は結構優秀なシナジーを形成するのでやり込み要素として使いつつ、通常の攻略においてもワンポイントアクセントとして用いることができるようになっている。

裏庭についても単なる交流要素ではなく悪魔のステータスや主人公のステータスが増強されるイベントが適宜行われるので定期的に触れる動機がある。ゲームを進めたい人もテキストが読みたい人も双方の需要が満たされる格好。

改善点7 バトルバランス

マガツヒスキルの多様化や新規神意などで軟化気味、でも嫌なら使わないだけなので要素が増えただけなのを喜ぶべきだろう。

パーティ内に同じ属性の悪魔がいると使えるスキルは、アイコンの増加やパスチェンジのコスト減など行動回数の増加に関わっているので使いやすい。パーティ編成というコストに見合っている。合体マガツヒスキルは該当悪魔をストックにすべて入れて内一体以上がアクティブなら使えるので意外と狙いやすい。マガツヒをためる神意なども増えているので、ポコポコ打てるぞ。禍時だけでいいなどという考えは捨てろ。

ゲストキャラについては中ボスの弱点を上手く突けるなど攻略に必要な要素を少し補強したり、アイテム役にもなれてかなり便利。こいつらがいると特定の属性(メガテンにおける属性はLAW-CHAOS、LIGHT-DARKのアライメントのこと)2体で発動するマガツヒスキルが少し使いにくくなるなどのデメリットもあるが些細な問題。どうせ追加ボスは強えんだガンガン使おう。

謎の女概論

正直いつまでこの話されるんだよっ、と言いたいし話題にしない方がいい気さえするのだが改めて向き合っておこう。

個人的な意見としては阿漕な完全版商法を毎回毎回やってるのにアペンド版などの配慮が薄いことへの怒りが完全版にしかない賛否両論な要素に向けられてはいないか?という気がする。

もちろんそれだけではなく、既存の展開を蔑ろにするような追加ストーリーだったりがあればそういう怒りも流れ込むだろう。

しかし「完全版を作る→追加のストーリーを作る→新しいキャラを出す」この流れ自体にはさしておかしいところはない。追加ストーリーで既存のキャラが立ち回りを大きく変えてストーリー全体をガラッと変える手法も考えられるが、結局謎の女が巻き起こすのと似たような賛否両論が飛び出すのは想像に難くない。

ペルソナでは開き直って謎の男もセットで出すようにしており、結局は新しいストーリーと新しいキャラはセットなのだと言う他ないだろう。女神転生なんだから新悪魔だって…!と言いたくなるかもしれないがそれだって毎回追加されているのだ。魔人だのアモンだのちょっと外れるけどトリアングルムだの…

⭐︎この謎の男女は───?

気にする人は完全版商法そのものが嫌だから買いさえしないし、買う人はそもそも気にしていないという分離が起きているので、今更どうこうというモチベはATLUS側にないような気もする。でもアペンド版は出せよ、必要だろ?

謎の女そのものが敬遠される要因の一つにメアリー・スー的である…というものがある。新キャラがいるからこそ起きた危機に対処できたという展開は成長した(はず)の主人公達が事態を根本的には解決できないことを要求する。結果として新キャラのこいつ…できる!が行き過ぎてしまうと既存のキャラを蔑ろにする場合がある。

右のキャラのチートが加速したので回避した例

そういう懸念がある…あるなら…むしろエッジを効かせてやる!

ラーメン発見伝(河合単、久部緑郎) 8巻より

どういうことかいうと、復讐の女神編では新キャラの「尋峰ヨーコ」と新勢力「カディシュトゥ」(とあとマンセマット)によって人間も悪魔も大きく巻き込んでリバーシのように全体がひっくり返っていくのだ。(オセロは登録商標です)

どうせ物語に大きく関わるなら、いっそさらに大きく出てやろうじゃないかという発想に感じた。既存のキャラの新しい一面を掘り下げたり予期せぬストーリーを生み出すなど真面目に向き合えばメリットも大きい。

カディシュトゥも広義の謎の女ということになるのだが、特定のモチーフに沿った悪魔の一団を出しつつそのモチーフを上手くストーリーの中に取り込んで展開する手法は非常にちゃんとしている。なので明らかなイチャモンだと言わざるを得ない。🤖「完全版商法が嫌いなら直接言えばいいのに…」

最終的にストーリーは異なる神話の構造的な共通点に着目した流れになっていく。唯一神に焦点を合わせた過去作に対して、さらに成立の古い神と唯一神の作った秩序の対立という新しい観点をもちこんで綺麗にまとまっている。加えて無印での説明が薄かった設定にも切り込んでる部分が多々あり追加シナリオの意義を存分に果たしているといえよう。真3FINALと完全新作のどっちつかずだった本作は両方を強化することで、いいとこどりのゲームになったといえる。

ここまでは賛を強く語ってきていて、事実今回はアスレチック以外何も苦言を呈するところはない。あえて構造そのものに何かを言うなら謎の男やメアリー・スーの逆利用に既存キャラの再定義(p3fのメティス)など、追加キャラによる新ストーリーに有効で順当なアイデアはおおよそやり尽くしていっている感じがする。そろそろ品切れだから別のアプローチがいいんじゃないですかね?そういう意味では真4Fは転換点としてモニュメントになるかもだな。マーメイド初登場ゲームでもあるし…

クリアに80時間は本当?

実際には引き継ぎ要素を一切使わずに復讐の女神編を初周HARDで35時間ほどで終わらせることができた。

一つは前述したクエストナビによる報酬が増加していることが大きい。途中からは雑魚戦を完全にサボっていた。攻略中に御霊が増えたことで福音書(主人公のレベルをあげる)も増えた。

加えて咆哮+ギリメカラ+マカラカーンの組み合わせが強すぎた。Vは敵の耐性を学習して目に見える無効や反射に対応するスキルをおいそれと打たなかったはずだが、咆哮の強制力はこれを捻じ曲げるのだ。(ギアスか?)スキルが使えないからと対象にアタックを繰り出したとしてもそれはやはり物理反射の餌なのだ。

反射すれば相手のターンはすぐ終わるし、反射ダメージはギリメカラのユニークで意外と高いし、神意でマガツヒも溜まるしで苦戦する要素が薄い。中盤は味方の耐久より敵の火力が伸びて耐性がしっかりしてないとむしろ使いづらくなるのだが反射で火力を逆手にとれる終盤以降は完全なる無双状態だった。縛った方がいいかも。

完璧で全反射の君はアイドルだった

猛反撃でクリティカルを取ればMPが増えるとの算段だったがよく見ると運が貧弱なのであまりクリしない。やっぱり🐿️も必要だったかな(フィンマ゚ックール)

主人公は最後の最後で魔法キャラから物理マンにジョブ・チェンジし風神連刃を使うビルドになった(pvに映ってたのでネタバレじゃありません)。多段ヒットによりどれか一個でもクリティカルならアイコンが点滅する利点は大きく、衝撃相性なこと以外は天叢雲剣より強いのでこれを下位互換とかいう輩はなんもわかっとらん。速や運を省けばそうかもしれないがそんなステータスの配分は物理ではしねーだろ。衝撃耐性以上には何もしなくなるが、その時は叢雲打てばいいし両者をミナゴロシでサポートすれば完璧。ちなみに威力は5発以上当ててちょっとクリティカルが出れば叢雲より上。速を集中的に上げるビルドなら意外と狙えるぞ。

終盤のボス戦については悪戯に弱点なしという構成で済ませず、それでいてプレスターンバトルのボスとしてはまだ見ぬアイデアが散見できたので素晴らしかった。ストーリーも合わせた終盤の展開は是非とも君の目でたしかめてくれっ

総括

ようできとる。文句なしの100点。細かい減点はストーリーなどの加点で相殺した格好。

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