異世界探報期:異世界召喚は二度目です!

こっちは全部初めてだよ。

実験的作品

本作の主人公は

現代に生まれる→転移する→現代に赤ん坊として再転生→もう一回転移(←イマココ)

コントの設定か?

単純に分かりにくい上に、この作品はそういう説明をサボりがちで進行する。もしかしてこれは第二部で前作が存在するのか?と思ってググったらサジェストとしてだけ出てきた。そんなサジェストが出る作品カブトボーグしか見たことねえよ。

主人公は現代人の目線を持ち込んで作品世界と現実を繋ぐ入り口のはずなのだが、二度目のご利用のせいでチュートリアルとかムービーシーンとか全部スキップしてしまう。他の異世界転生だって一応は手順を踏んで色々とやるのだがそこさえ大胆にカットしている。本来のお客様はそういうの気にしないかもしれないので、それを確認する実験的作品としての性質が強いのかもしれない。

疎外感

二度目のご利用なので顔見知りが大勢いる。そしてそういうキャラがほとんど説明もなく久しぶり!という感じで出てくる(しかも毎話新しいのが出てくる)。主人公が詳細がわからない武器を突然召喚するし、最終話で聖剣であることが明かされる。舞台設定もその場その場で生えてくる。

…とにかくついていきづらい。主人公さんは知ってるのかもしれないけど、こっちは知らないんですって。本当に何かの作品のシーズン2を見てるとかじゃないよね、これ?

オマケに既知の世界の未知の事態に対処する…はずが主人公は事態を解決する方針を概ね把握しており、それを誰かに説明せず、旅をしていく。いやだからこっちは知らないんだってゔぁ。仮にこの設定でいくとしても異世界ビギナーを随伴させて都度そいつに説明をすれば問題ないのだが…

要はコイツ

クラス転移

色々と物語的利点を有する設定(活かせるとは言っていない)。先ほどの異世界ビギナーも用意できるし、一人だけ二度目の主人公のイキリも可!転移者同士のバトルや内輪揉めまでできるのだ。

その利点を…何一つ活かさない。幼馴染は登場させたが旅立ちの日に置いてきた。この先の戦いは危険だからな。(一応終盤で出てくる)この幼馴染は最初の生(1回前の転移の前)でできた幼馴染ではなく二度目の生(1回目の転移の後)での幼馴染で二人を含めたクラスで2度目の転移を…だからややこしいっつーの。

クラスメイトにしてもほとんどいる意味のない飾りみたいなキャラで、雑に戦場に立たされ幼馴染の引き立て役になる以外のことはせず、最後はなんか雰囲気で現世に帰った。…なんスかこれ?いる意味あんスか?繰り返しになるがこの作品は大抵の設定が意味を成していないか、有効に機能していないかなので、ガバガバ通り越してスカスカ。

硬派系主人公

余裕が行き過ぎてモノローグやら事態に対するリアクションが薄いので、何を考えてるかほとんど分からない。分かりやすいチートスキルもない。魔法の設定とか属性もない。説教もあんまりしないし、分かりやすい見せ場もほぼない。基本的にはふらふらと移動してるだけのバスターソード持ったキリトみたいな人という印象が強い。イキられても困るのだが、表面上だけそれっぽい主人公が出てきても困ることがよく分かった。なんか破天荒な感じを出したいんだろうけど、トラブルがどれも大したことないし解決方法も月並みなので個性が死滅している。

ガールズ

同上。しかも毎回新しいのが出てくるので覚えにくい。親愛とか友愛がメインなのでなろう定番のわかりやすい媚びもない。そこはなくていいけど、本来のお客様は不満なんじゃないのか?一番画面に多く映っているのは海神リヴァイアというキャラで、人間形態では甚兵衛を着用。作画がよく崩れるので露出の多さがデバフになってて可哀そー。オープニングとか最終回でいっぱいの女が映ってるけど1学年上のクラスの集合写真くらいにはどうでもいい。

ヤンホモ

ラスボス。一度目の転移で一緒についてきて、すれ違いから邪神?的なのに取りつかれて分かりやすく闇堕ちした。全ての種族を滅ぼして二人きりの世界を作るらしい。こいつの動機が一番ストレートで分かりやすいせいで一番共感しやすいという点でこの作品はかなり終わっている。彼の怪演がなければ終盤は見れたものではなかった。

「そんな技…知らないよ!」
2度目の生から着想を得たとかでもないアドリブ。つーかこっちは全部の技と武器と魔法知らねぇんだけど?

総評

なぜ先人がそれをしなかったのかの典型例。それっぽいシーンのつぎはぎで物語っぽく見せているが中身がスカスカすぎる。観光地の看板の方がまだ気合が入っている。ちなみに声優は超豪華。でもどのキャラにも移入できないので意味ないんスけどね。ダメじゃん。

人間には消化できない栄養のみで構成された胡瓜的作品。ある意味で新感覚なろうファンタジーだった。なんでアニメ化した?



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?