タイパク7話感想 馬脚

例え話をひとつ。

心臓に持病のある患者が搬送されてきた。
検査をするまでもなくまずいと感じたのですぐさま手術をすることにした。
8時間に及ぶ同じ患部を何度もいじくり回す大手術。
最後にうっていなかった麻酔をうって縫合をする。
さらに手術ではなく投薬を施すべきだった。

タイパクはこれだ、主人公の施術の方法がまずズレている上にそれに延々と時間をかけた挙句最初に行うべき行為を最後に持ってくる。

こんな弩級の馬鹿が綿密に計算された展開するわけねーだろ

画像1

本筋はどこなのか

今週のクリフハンガーも凄かった。毎週崖にいるので、「崖に捕まって落ちそうな主人公の上で船越英一郎に追い詰められた犯人が天城越え歌いながらタップダンスを始めた」ような光景だ。しっちゃかめっちゃか。

久しぶりにレンジに注目が行った。SF要素に見えるがこの漫画はタイムスペクタクル巨編だそうだ。SFとは誰も言っていないしサイエンスフィクションではないだろう。ガジェットが魔法と一切区別のないこと、タイムパラドクスなどの科学的トピックを取り扱っていないこと、何より事態に対して科学的な目線がほとんど一切向けられていない。故にサイエンスは展開されないと見た方がいい。タイムなスペクタクル(派手、壮観などの意味)…というのも正直怪しい所なのだがひとまず放置しよう。

ここから先の展開はどうなるのか?電子レンジを送って来た何かは判別がつかないしその手の情報は明かされそうにないので漫画を描くのだろう。死因の回避に動こうにも、パクりました以上にお前はこのままじゃ死にま〜す!なんてすぐには言えないだろうし現状は3ヶ月後にくるネタ切れに備えるしかないわけで、4〜6話でやった実は何の努力もしていない漫画家漫画で愚にもつかない創作論を展開すると考えるのが一番自然だ。面白いと思ってあの路線を提供していたはずだろうしね。

ヒキに騙されてはいけない。頭の中で作者のやりたい事を無意識に読み取ってそれを元に展開された未来予想図を本編は高確率でなぞりはしないだろう。

それに哲平さんが何の正当化もできないときに盗作をしてあまつさえそれを持続する決定を下したのは何も変わってない。作者を信じるための根拠より信じない根拠の方が多い。

欠陥住宅

見出しについて話す前に今のイツキの状況を説明しておく必要がある。たいしてながくないぞ。

7話をもって彼女は都度3回殺されたようなものだ。一度目は盗作によって作家としての魂を殺され、二度目は権利の剥奪によってあったはずの未来を殺された、そして今回で本来の未来でも本当の命さえ奪われてしまった。

散々すぎる。主人公の受けるようなどっちに転んでもキビシイ責め苦だがその2/3を与えたのはもう一人の主人公なのだというからお笑い種だ。死の未来を変える過程で成長し、ホワイトナイト自体も世にちゃんと発表される…というのは未来存在も望む結果だが、盗作のせいで余計なダメージを負ってしまっている。パクる前提で送っているという考え方もあるが、そんな予測を成り立たせるのは難しい。未来で哲平が何かをやらかした結果だとしてもその未来より不自由していない現在でも罪を犯すというのは確実な予測ではない。

未来分岐に話を戻そう。命あっての物種なので命を救うための行為は魂や別の未来を殺す動機になりうる。つまり命を救うために盗作という罪を犯すのなら何の問題もなかったのだ。現実は順番を逆にしたせいで盗作をしたクズがさらに正当化する理由を得たという事態になっている。交換してはいけないものの順番を入れ替えてしまった。

前回の記事で言った4つの欠陥を全て混ぜた一撃を放ってきている。どうせならあと2つガバを加えて六式でも作ったらどうだろうか?

誰が何のために

ジャンプは物品として送られてきて今回はメッセージまで送られてきたのでいよいよ何らかの人格が目的を有していることは確かだ。

こいつの目的は稀代の漫画家とその著作を保護することにあるわけなので、哲平だけでなく世界観そのものが読者のために存在していることになった。どこまでも読者がファーストで作家は運命の囚人だ。

上で少し触れたが、盗作は計画に組み込まれていないと見る方が自然だ。例えば哲平をまず強烈なファン(うだつの上がらない漫画家だからこそアイノイツキに対する評価は常人より高くなる)にした上で急逝の事実を叩きつける。アイノイツキを探して助けろとすれば自然な動機の流れになるし本人の側から来てもらうために読み切りだけ盗作掲載するのは十分合理的だ。よもや初手で盗作をかましてくるとは流石に予想していなさそうだ。

運命の悪戯で主人公は倒作してしまったみたいになっているがそうと知った上で盗作継続した2話は忘れてはいけない。

どこまで行ってもクズ野郎

主人公の名誉は回復不能だしこうなると全ての発言が歪んで見える。こんなのに感情移入できるのは自分と同一視してキャラの成功に自分の成功を重ねる人間くらいだろう。では今週のクズカスゴミポイントチェック行ってみよう。

『どうして…届かないんだ!?』…餌が出てくるのを待っている哀れなパブロフの犬。漫画家の姿か…これが?


『まさか…絵だけじゃなく続きも俺が描くしかないのか?』…未来ジャンプがずっと来続ける前提が既におかしいし連載を決定したのはお前だ。人を轢いてから慰謝料払うしかないのか?とか言わないで欲しい


『嘘だ…アイノさんが死ぬなんて嘘だ(中略)なんなんだよこれふざけんな!』…こっちの台詞だボケ。お前だって彼女を殺したようなもんだし、今のところ大した繋がりや距離の縮まりの描写もないのになんかかつてなく号泣してるし…こいつほんとなんなんだ?(まあこれは哲平が良い人間のつもりでやってれば4、5話で距離が縮まったなんて見方もできるかもしれない)

『アイノさんが死ぬ未来を変えるために…その為に未来ジャンプは俺のもとへ来ていたのか…?』…国選自己弁護士かよ。というか盗作の合理化にはなってないことに気づこう、なっ!気付いてくれよマジで

『一連の独り言』…例えば未来からジャンプを送ってくるのがリュークなら盗作を嗜めつつお前が盗作するしかないよなっ!予定とは違うけどその為に渡してんだから!とか言ってもなんら問題はないが一連の都合のいい独り言を未来ロボが反応するまで言い続けてたのは本当に気色が悪い

やったことのまとめ

またアイノが悲惨な目に遭って盗作の免罪符をもらう回。







この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?