黒の召喚士 戦闘狂の成り上がり

アニメ版にはサブタイ(戦闘狂〜)がついていない。別にいらないと思う。

異世界技巧「中学二年生のあのアツい夏」

何年目だよ!あっ思い出したらアツくなってきたとめどない地球温暖化の進行

心の中の中学二年生を創作に活かすのは大事だと思う。練られた厨二は読者の厨坊も呼び起こすのだ。ではこの作品はどうかというと…本当に中学二年生みたいな寝る前の妄想が延々と続く。

S級という文字の濫用はその分かりやすい例だ。S級の武器S級のスキルS級の冒険者、S級S級S級…S(スパム)級。そのうちX級とかSS級とか出てくるんだろうか?

主人公の作るイキリ玩具…もといS級武具にはなんかそれっぽい名前がついていたり、終盤ではかっこいいっぽいS級魔法にたいそうなお名前がついて登場する。

イマイチ厨二に振り切れていない。原作はセンスはともかく、比重はもっと厨二に寄っているのかもしれない。(ブックオフで立ち読みしたコミカライズは「俺の技はすごいんだぞー」みたいなプロレスもしたりしていた)

アニメスタッフの陰謀(?)

作品の特徴を書き出すと厨二病で主人公が段々と女多めのパーティを作ってちょっとだけ性欲が漏れ出して…と明らかに往年のライトノベルそのものなのだ。だがこのアニメはそれらの全てを薄味に抑えている。この薄め方は「チープだが陳腐ではない」と作品を位置付ける。アニメスタッフが配信全盛期での立ち回りを意識していた可能性が微粒子レベルで存在する…?

一方でシリーズ構成によって切り捨てられていったものも存在する。主人公が気づいたら強くなっているのだ。気づいたら…というのは修行シーンがないとかいう意味だけではなく、なろう特有の即席レベルアップすらないという意味だ。

話と話の間にいつの間にか主人公が緑魔法(クリーチャーに+3/+3補正与えたりしそう)を習っていたり、いつの間にか鍛治スキルで色々作れるようになっていたり…栄養素を自分から全部ドブに捨てるのはどうなんだ?メインターゲットすら首を傾げそう。

戦闘狂(大爆笑)

主人公は戦闘狂らしい。タイトルにもあるし、登場人物はことあるごとにバトルジャンキーを連呼する。別にこれ自体は臭くはあるが話を動かしやすく、主人公が自分から火中に飛び込む動機付けとしては便利そうに感じる。ひたすらレベルを上げることも戦闘狂なら当然だ。

ダメなのは俺より強い奴に会いにいかないことだろう。自分より強い敵が出てくることがそもそも少ないし、出てきても召喚魔法やらで手数を揃えるせいか苦戦しない。特に酷いのは自分よりレベルが低いことを知っていた勇者パーティの持っていた誤解を利用してボコり、説教して、ドヤ顔で鍛える回だろう。

勝てる相手に挑むのは戦闘狂ではない

主人公のイカれ度合いを視聴者が実感することなく周りのキャラがひたすら誉めそやす光景はかなり厳しい。仲良しグループの不良()枠を見てる時みたいな痛々しさに全身が包まれる。

いいところ

オープニングの映像がかなりかっこいい。曲は一般ボカロって感じなので好きな人は好きだろう。

下品な媚び方をする女もいない。添い寝権(寝るだけ)とか褒めてもらう権利をかけて争うハーレム要員かはあるがラノベレベルだ。

まとめ

流し見する分には悪くない。大体の要素が入ってて、それぞれが喧嘩しないように抑制されている。全てが低水準だが、陳腐ではない。


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