マガジンのカバー画像

リーン開発を理解し実践する

9
開発の生産効率を2,3倍にするための知見を体系的に整理し、まとめております。 以下のような課題を感じている、エンジニア、経営者、PdMが対象読者です。 - 機能追加等に時間がかか…
運営しているクリエイター

#リードタイム

変更のリードタイム改善事例

前回までの振り返りhi-outcomeの中森です。 前回の記事で、エンジニアチームの生産性を測る指標として「リードタイム」「サイクルタイム」ではなく「変更のリードタイム」を計測すべきという話をしてきました。 今回は、私自身が行った「変更のリードタイム」改善活動について紹介したいと思います。 私の取り組みさて、リードタイムは作業時間と待ち時間に分割して考えることができます。 ここで、待ち時間に注目してみて「開発における待ち時間の代表であるレビューを究極に短くする方法は何だろ

「変更のリードタイム」採用のススメ

はじめにHi-Outcomeの中森です。 エンジニアリングプロセスにおいて、質とスピードはトレードオフではなく、両立可能な指標であることがわかっています。 t_wadaさんの講演『質とスピード』や、その講演の元となったState of DevOpsレポートでは、この点が詳しく説明されています。 エンジニアチームの生産性が企業の業績の予測要因になることが統計的な事実として示されている以上、エンジニアチームの生産性を可視化することは非常に重要なことです。 4keysの指標の

リードタイムを短くせよ。具体と理論と統計-その2

はじめにhi-outcomeの中森です。 前回の記事で、封筒の実験、ジャグリングの実験、キングマンの公式、統計的側面を通してバッチサイズを小さくし、稼働率を抑えることがリードタイムの短縮につながり、組織全体のパフォーマンス(収益性・市場占有率・生産性)の予測要因になることを説明してきました。 今回は、歴史の視点からリードタイムの短縮がリーンの本質であることについてアジャイル・リーン生産方式・DevOpsの文脈からお話をしていきたいと思います。 余談:なぜ歴史の話もするの?

リードタイムを短くせよ。具体例と理論と統計から理解する-その1

はじめにhi-outcomeの中森です。 本連載では、実験・理論・統計・歴史の観点からソフトウェア開発の文脈でリードタイムを短くすることが決定的に重要であることを説明したいと思います。 我々ソフトウェア開発者が改善活動を行う際にはいくつもの方法があります。 しかし、その効果が個人の体験談に基づく再現性の低いものであったり、自身の置かれた文脈によって全く実行不能であったりするためにうまくカイゼン活動が推進できないことも多いと思います。 そこで、今回と次回に分けてリードタイムを