5年間の大学生活がようやく終わる

最後の単位が取れていると教授から連絡を貰った。

これにて大学生活が終了、4月から社会人になる。

5年前の4月に入学して目の前の席の奴がそれはもう信じられないくらいThe大学デビューみたいな奴だった。馴れ馴れしい雰囲気、初めて染めたであろう茶髪、俺ヤバい自慢の数々。
「あ、大学には馴染めないな」と一瞬で悟った。
授業は、早めに行って1番後ろの席でフードかぶって寝る、もしくは屋上の喫煙所でサボるようになった。

さすがに居場所を作らなくては思っていたので、いくつか部活やサークルの新歓にも行った。
どこの新歓でも同じような顔した人が「履修の組み方教えてあげるよ」みたいな毒にも薬にもならん話をしてて、こいつら人を勧誘するつもりあんのか?とか思いながらタダで飯食って帰宅する。
クソみたいな世界だなって思った。本当に。

結局1番可愛い子を見かけた部活に入った。どーせつまらないなら可愛い子がいた方がいいので。
結果としてこの判断は間違ってなくて、大学内に一応居場所ができた。そしてなにより数少ない友達もできた。部内で彼女もできた。中高6年間男子校で恋愛経験0だったから最初は全てが新鮮で楽しかったけど、次第にめんどくさくなって2年半で別れた。
恋愛も向いてないなって思った。

1年目で留年した。出席さえしとけば単位来るよって聞いていたのに全然そんなことなくて、必修科目5つ落としてちゃんと留年した。教授に「今年留年したのは君と中国人2人だけだよ。つまり日本人は君だけ。」って神妙な顔で言われた。今でもその報告いる?って思ってる。なんであんなこと言われたんだろう。

よく卒業できたなと自分でも思う。
学科に友達は0だったし、学習意欲も0だったし。大金払って通ってるから大卒という称号だけは手にいれなければという義務感のみで単位を取った。
大学で得たものは何もないに等しいと思う。

そんな中で唯一出会えてよかったなと思える同期がいる。
同じように大学に絶望している口の悪い美人のそいつとはやたら気が合って、二人で飲みに行っては大学や部活の愚痴を言い合った。面白いと思うことや嫌いな先輩の特徴が似ていて、どんな会話をしていても楽しかった。結構な美人なんだけど不思議と恋愛感情が芽生えることはなくて、キャンパスが違ったこともあり月に1回居酒屋で会う旧友みたいな関係が続いたのも良かったんだと思う。

個人的に学生生活は『今後一生飲む友達』を探す期間みたいな部分があると思っているので、大学でそれが0にならなくて本当に良かった。


4月から社会人になる。
とりあえず一人暮らしをどのタイミングで始めるか決めないとなあ。


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