![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/11631768/rectangle_large_type_2_0534c8a009e1f3aa857f1c6d1453486a.png?width=1200)
佐渡島さんは読者にやさしい
漫画についての講義を受けるために、コルクBooks講座へ参加した。
ワダシノブさんが声をかけてくださったのがきっかけで、初めてオンライン経由での参加。
自宅にいながら、都会とオンラインでつながる…感動。昭和生まれにとって、衝撃の体験。なんという時代だ。
タブレットに会場の映像が映し出され、参加者の方々が座っているのが見える。いつもコルクBooksに投稿されてらっしゃる方も座ってるのだろう。描いてる人がいるんだよなぁと、想像するのと、実際に拝見するのとは違う。
コルクBooksで開催された漫画コンテストの授賞式の様子を拝見した。受賞作品がどんな風にしたらもっと良くなるか?という話や縦スクルロール漫画の話を拝聴。(縦スク漫画の重要性については、一番下にリンク貼っときます。)
漫画の講義。ネットや本からひとりで学ぶのと、耳で聞くのとは、また違った感じ方。
いちばん印象に残ったのは、コルク代表の佐渡島さんが徹底した"読者目線"にいること。
コルクBooksに投稿された作品について、もっと読者に伝わるための指摘をされていた時…
「ここ、なんで横書きなのに、次のコマは縦なの?」とか「これは何を指してるの?」と。
私は元々その投稿された漫画を事前に読んでいて、しかも、全く違和感なく読めて「面白い」って思ってた作品だった。
佐渡島さんは漫画を読んで、自分が話を理解できなかったから、指摘をしたのではない。佐渡島さんは編集のプロで、描かれている漫画の意図も、文字が誰を指してるかも、わかってるはず。絶対。
佐渡島さんは「人生で初めて漫画を読む人」くらいの地点から漫画を眺めているのだ。何百何千という原稿に目を通しているのに、その地点に立てている。
その地点を、私は大昔に通り過ぎて、鼻歌でも歌いながら、知った顔して漫画を読み、そして描いてた。漫画に小さい頃から触れてきたスキルを無意識的に発揮して
「頭の中で、ストーリーを補いながら読んでる」し、自分が描く時は、読者に伝えなきゃいけないことを描けてないことに気づかず「頭の中で、描けてない部分を補いながら、そこを描かずに間を取るための意味を持たないコマを描いてる」
私はまるで、クイズ番組の早押し問題のように、描いてない残りの問題文(ストーリーやキャラクターの関係性など)を補完してしまっているのだ。読み手に届かない、自分の頭の中で。
漫画はクイズ番組じゃないけど、例えるなら、描き手だけ正解してはいけない。読み手にも"問題(ストーリーだけじゃなくキャラクター同士の関係や根底にある考え方など)"を聞けるような環境を整えてあげないと、思いだけが先走った作品になってしまうんだろうなぁと、私は個人的に思った。気付けて嬉しかった。
これから漫画を描く時は、佐渡島さんと同じ地点に戻ることを意識する。自分の中の感情を言い換えて、絵にして、セリフにして、噛み砕いてから、読み手に渡す。それが漫画で、やさしさ、読み手への配慮が、もっと必要。
描きたい気持ちと、読み手に噛み砕いて渡すことは、きっと両立できる気がする。
あとは、縦読みマンガの重要性の中で、「みんな、デジタルで描いてる時、色塗ってるよね?トーンみたいなのも塗ってるよね?」
「同じ色塗りなら、(フル)カラーにしなよ」
というようなことを、さらっとおっしゃってて…。
フル…カラー…?
ホットケーキ作れるんでしょ?じゃあインスタ映えするお店みたいな、ふわとろパンケーキ作ったら?みたいな…
いや、えっと、うーんと、いえ、おっしゃる通りです(笑)
モノクロ単色漫画で育った世代としてはそれに愛着はあるので、私の漫画がフルカラーになるかは未定です。でも、カラーへの苦手意識が未だに根付いてるので、そこをどうにかしたい気持ちはある。
という理由での、ヘッダーフルカラーでございました。塗ってみると、自分の色味における趣味が出て、これもひとつの"好きのおすそ分け"なんだなぁと実感。なんでも、やってみるもんですね。