アリはすべてを解決する『アントマン クアントマニア』レビュー
【概要】
監督:ペイトン・リード
脚本:ジェフ・ラブネス
【あらすじ】
最小&最強のアベンジャーズ、アントマンは、<量子世界>に導く装置を生み出した娘キャシー達とともに、 ミクロより小さな世界へ引きずり込まれてしまう。そこで待ち受けていたのは、過去、現在、未来すべての時を操る能力を持つ、 マーベル史上最凶の敵、征服者カーン。彼がこの世界から解き放たれたら、全人類に恐るべき危機が迫る…。
【見る前の気持ち】
『エンド・ゲーム』以降、MCU作品が映画に加えてドラマシリーズもガンガン増えてしまって、正直チェックしきれていないし、いわゆる「MCU疲れ」に陥っていますが、アントマンシリーズは好きだし、時間を見つけて見に行ってみました。
【登場人物】
スコット・ラング/アントマン(ポール・ラッド/木内秀信)
本作の主人公。元泥棒。アベンジャーズの一員として世界を救ったことで人生逆転。
ホープ・ヴァン・ダイン/ワスプ(エヴァンジェリン・リリー/内田有紀)
ハンク・ピムとジャネットの娘。美人でできる女でスコットのパートナー。入籍はしてなさそう。
キャシー・ラング(キャスリン・ニュートン/高橋李依)
スコットの娘。警察沙汰を起こしているあたり父親似?アントマンスーツも持ってる。今回の騒動の発端。かわいいし天才。
ハンク・ピム(マイケル・ダグラス/御友公喜)
昆虫学者で物理学者で、初代アントマン。平穏な生活をしているせいか、前作程いらいらしておらず、キャシーのことを孫同然に可愛がっている様子。元々好きなキャラだったが、ますます好きになった。
ジャネット・ヴァン・ダイン(ミシェル・ファイファー/高島雅羅)
ハンクの妻でホープの母。初代ワスプ。前作『アントマン&ワスプ』まで30年間、量子世界で行方不明になっていた。
征服者カーン(ジョナサン・メジャース/中村和正)
マルチバース(並行世界)を行き来する征服者。ドラマシリーズ『ロキ』にも登場しているらしい。どうやら今後のシリーズのラスボスになるらしい。同一個体がたくさんいる。
ダレン・クロス / M.O.D.O.K.(コリー・ストール/山野井仁)
『アントマン』1作目のヴィランがまさかの復活。ちなみにM.O.D.O.K.とは、「猛烈な大虐殺を行う機械生命体(Mechanized Organism Designed Only for Killing)」の頭文字から取った名前。つまりF91のバグみたいなものか。
【よかった点】
① 映像表現
無数のアントマンが絡み合うシーンとか面白かったです。気分悪くなる人も良そうだけど、個人的に好き。
これまで描かれていなかった量子世界がメインになるので、これも興味深かったですね。
② キャシーがかわいい
『エンド・ゲーム』での演者とは替わったが、本当にかわいい。ちょっと反抗期に入りかけている部分もあるが、基本的にパパ大好きっ子。父である2代目(スコット)だけでなく初代(ハンク)の科学者としての面も継承した3代目アントマンになる日も近そう。
【悪かった点】
① ルイスが出ない
『アントマン』シリーズのおもしろさの3割くらいはスコットの友人ルイス(ブラマヨ小杉)によるものだが、今回全く出番なし。早々に量子世界に移動してしまうから仕方ないんだけど、あの超適当説明セリフが好きな私はがっかり。
② これじゃない感
『アントマン』に求めているのは、身近な人を守る小さな事件をコミカルに描く、というものなので、今回みたいな一つの世界の存亡をかけた戦いみたいなのはちょっと違う。
③ 征服者カーン
これがラスボスになるといわれてもなぁ。本作のせいで「所詮アリに負けた奴」って印象がついてしまった。同一存在が無数にいるといわれても、それウルトロン軍団より強いの?サノスと比べるとだいぶ微妙。今後の活躍次第でカリスマ性も出てくると思うが…。
④ ジャネットが微妙
量子世界に30年いて、いろいろ知ってるはずなのに、大事なことは中々説明してくれない。前作『アントマン&ワスプ』で見せた治癒能力も出さないし、あれ何だったの?
【まとめ】
面白くはあったが、求めているものとの乖離が大きく、大満足とはいかなかった。『アントマン』前2作は大満足だったんだが…。
量子世界の描写も、誰かのレビューで「スターウォーズかよ」ってあったのが凄くしっくりきてしまう程度にはどこかで見たことがあるような内容だったし…。
現状では征服者カーンにも魅力を感じないし、今後のMCUが不安。
というか、デッドプールとウルヴァリンをどうやってMCUに絡ませるんだよ。
評価 ☆3 普通に面白い
【改善点】
改善点というか…MCU全体としてね。もうちょっとすっきりさせてほしいんです。
できれば映画シリーズだけで話が分かるようにしてくれ。こっちもそんなに暇じゃないんだよ…。