
推し活を引く
ごきげんよう、ひぐらしです。
目の前に並べられた大量のCDとDVDをしばらく眺めていた。
手垢すら確認出来ない程の状態に、当時、本当に大切に大切に扱っていたことが一目でわかる。
熱狂的なファンを10年間続けた後、燃え盛る炎は燃えカスとなり、その後再燃することは二度となかった。
鎮火した後もしばらくはいわゆるグッズと呼ばれる物販品は家の中に溢れ、何処に居ても推しとは目が合う日常だったが、数年前の引っ越しを機に手元から全て旅立って行った。
しかし、つい先日里親として託した友人宅から返却されてしまった物が冒頭でお伝えした大量のCDとDVDだ。
途方に暮れるとはこのことで、床を埋め尽くす程の推しの魂が込められた数々…
今度こそ、さようなら
某買取店舗へと足を運び、見知らぬ誰かの推しとなることを願って、今度こそ最後の別れをした。
なんてとても美談に聞こえるが、要するに処分した訳だ。
100年の恋も一瞬で…と良く聞くが10年間の片思いは無駄ではない。
もうこんなに誰かに夢中になることはないと思って駆け抜けた10年だったが、私は今日、推し変をします。
ではまた。