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NIKE SB REACT LEOと大切なことはあらかじめ決めておこうという話。
NIKE SBから出る新しいスケートシューズREACT LEOについて何か書こう。
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NIKE SB REACT LEOは、プロスケーター Leo Baker(レオ・ベイカー)のシグネチャーシューズ。元からあるシューズのデザインやカラーを変更するものではなく、彼の名前が入った完全なシグネチャーシューズ。
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インソールは、ズームエアではなくリアクトソール。軽くて柔らかく、衝撃吸収性、高反発性に優れている。すぐに足に馴染んでくれるから、スケートの調子も落ちにくい。アッパーは、スエード、ナイロンキャンバス、レザーの3種類の素材を使っている。軽さと耐久性の全てを備えた本気のスケートシューズ。同じトリックを納得いくまで何時間もトライするレオ・ベイカーのこだわりが形になっている。
レオ・ベイカーは、トランスジェンダー。女性として生まれたけど、今は、男性として生きている。東京オリンピックの女子スケートボード代表に選ばれたが、女性として出場することに違和感を覚え、自ら代表を辞退した。
名前も代名詞も男性のものにしてプロスケーターとして生きていく道を選んだレオ。それまで女性らしさをスポンサーから求められていた経験から、NIKE SBとの契約も、予定していたシグネチャーシューズも破棄されるのではないかと不安を感じていた。だけど、NIKE SBは、性別を変えても契約を続け、シグネチャーシューズもリリースすることを約束した。この辺の話は、NETFLIXのドキュメンタリーで知ることができる。
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NIKEは、いつもマイノリティへのサポートが速くて強い。NIKE SBには、NIKEのやり方にスケーターを合わせるのではなく、スケーターのやり方を尊重し、NIKEがスケーターに合わせるという行動理念がある。REACT LEOは、そんなカルチャーを持っているNIKE SBだからこそ作ることができたシューズだと思う。
これは勝手な想像だけど、NIKEは、レオのような契約選手が出てきたときに、迷わずサポートするということを会社やチームで決めていると思う。そうじゃないとここまで力強いサポートはできない。NIKEのような大きな会社に限らず、個人でも、大切な判断は、その場しのぎでやってはいけなくて、あらかじめ決めておくことが大切だと思っている。
自分は、娘ができたとき、「もしも、ケガや病気の連絡があったら、どんなに大切な仕事の途中でも、すぐに駆けつける」ということを決めた。判断を遅らせたり、その場しのぎをすることで、大切なことを失うのが嫌だったからだ。他にも、「友達が失恋したら、必ず味方になって愚痴を聞き、正論は言わない」とか「儲かることよりも、カッコいいや面白いを優先する」ということも決めている。あらかじめ決めておくと、普段もこの姿勢で生きられて清々しい。
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NIKE SB REACT LEOのリリース情報を発表すると、いつもお店に来てくれるスケーターたちが、すぐに反応してくれたのが嬉しかった。これだからスケートショップは最高なのだ。
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今回の写真は、富山駅の近くにできた新しいスケートパークで撮影した。市街地にあるスケートパークだから、通行人の見学も多い。スケートボードの競技性だけじゃなく、自由、個人の尊重、DIY精神も広まって、保守王国と呼ばれている富山県が、もう少し自由な雰囲気にならないかなぁと思ったりした。
NIKE SB REACT LEOは、9月15日発売。