わかばの鯛焼き、PROPPERのカスタムカーゴパンツ、メロウコンケーブクラブのコーチジャケット、スケボーは誰とやるかが大切という話。
セットアップの着こなしが好きだ。スタイリングを考えるのが楽だし、普段スーツなど着るはずがないスケーターでも、少しだけパリッとした気分になれる。周りでセットアップの着こなしをしているスケーターなんて皆無だし、思いきって提案してみようと思い、オリジナルのコーチジャケットとカーゴパンツのサンプルを作ってみたら、とても良い出来だったから、いつもお店に来てくれるスケーターのSoujiとAtsukiを誘って撮影に出かけた。
NO BIG DEAL STYLEについて
NO BIG DEAL STYLEは、スケボーショップHI5が提案するスケーターらしい着こなし。自分のスタイルをブランドや価格ではなくて、自分のセンスで表現すること。 友達に「それいいね」と言わせて、「大したことないよ(NO BIG DEAL)」と返す。そんなスタイリングをお伝えしています。
撮影場所に選んだのは、富山市の不二越駅周辺。まずは、わかばで鯛焼きを買ってから撮影をスタート。
20代の頃、わかばの近くに住んでいた。先輩の家に居候させてもらって、友達とTシャツやフリーペーパーを作って売ったりしてワイワイやっていた。そんなことをしているくらいだから、もちろんお金がなかったし、食事を作るのも面倒というときに、わかばの鯛焼きを食べて空腹をしのいでいた思い出がある。頭から尻尾までパンパンにあんこが詰まった鯛焼きが、空腹を満たしてくれた。
わかば 富山店は、東京鯛焼き御三家のひとつと言われている「たいやき わかば」から暖簾分けしたお店で、地元だけではなく、市外や県外の人も足を運ぶ名店。空腹のときはもちろん、少し気分が落ち込んだときに、わかばの鯛焼きを食べると元気になった。若い自分にとって、わかばの鯛焼きは、パワーフード的存在だった。
わかばの鯛焼きは、パワーフード的と言ったけど、水も喉を通らないような失恋にまで効くかと問われると、少し返事に困る。でも、友達との待ち合わせに遅れたときに差し出せば、30分くらいの遅刻だったら、帳消しにしてくれるくらいうまいのは本当だ。
今回作ったのは、コーチジャケットとカーゴパンツ。厳密には、同素材のセットアップではないけど、カラーを合わせることで、スケーターのセットアップスタイルを作ることができた。まずは、カーゴパンツから紹介。
Hi5の定番的商品のPROPPER(プロパー)のカーゴパンツをカスタム。
ウェストにゴムとシューレースを入れたカスタムPROPPERカーゴパンツ。
PROPPERは、米軍に物資を納品するくらい本格的な作りが魅力。タフなリップストップ素材や、機能性が高いディテールは、昔からスケーターに愛されている。ミリタリー感を消して、ストリート的に着こなすなら、オーバーサイズなのだけど、でかいパンツは、ウェスト周りがどうしてもわずらわしい。このわずらわしさを解消するために、ゴムでウェストに伸縮性を加えた。さらにシューレースを入れたから、ウェストの絞り具合の調節も楽になった。ウェストのカスタムのおかげで、着心地だけじゃなくて、シルエットも良くなった。
ポケットのフラップには、NO BIG DEALカスタムの証、CUSTOMIZEDタグを縫い付けた。正直に言うと、自己満足のために付けているのだけど、購入してくれた方たちからは、このタグが好評を得ていてとても嬉しい。
カスタムカーゴパンツは、全部で5カラー。
スケートシューズだけじゃなくて、トレッキングブーツやレザーシューズとの相性も良いので、スケーター以外の人にもおすすめ。
もう一つ作ったのは、コーチジャケット。
コットンとポリエステルの混紡素材。光沢のある裏地も付いていて、スポーツタイプとはひと味違うコーチジャケット。
左袖にオリジナルの刺繍入り。
HIGHFIVE MELLOW CONCAVE LOVERS CLUB(ハイファイブ メロウ コンケーブ ラバーズ クラブ)のロゴ。ロゴの左側には、富山市中心部のシンボル的建物であるタワー111が配置されている。俺たちアラフォー世代にとっては、大切なスケートスポットだったけど、今では、かなりキックアウトが厳しい。
スケートボードデッキの横方向の反り具合をコンケーブという。コンケーブが強いとカービングが効き、ノリ的には攻めの姿勢。コンケーブが弱いとカービングが弱くなり、安定性が増し、ノリ的にはリラックス。弱いコンケーブのことをメロウコンケーブと呼んだりする。そんなメロウコンケーブを愛する人たちの集いが、HIGHFIVE MELLOW CONCAVE LOVERS CLUB。9インチ以上のデカくてコンケーブがゆるいデッキに乗って、NOスイッチオーリー、NOトレフリップで、のんびり滑りたいというときに、さらっと羽織って出かけたい。
HIGHFIVE MELLOW CONCAVE LOVERS CLUBのコーチジャケットは、ネイビーとオリーブの2色。
撮影のスタイリングのように、スソのドローコードを絞って襟を立ててスイングトップ的に着ると、シティ感が出て軽快に着られる。
モデルをお願いしたSoujiとAtsukiは、幼馴染み。滑りのスタイルが全く違うけど、刺激しあって日毎に上手くなっている。2人を見ていると、スケボーは、何をやるかよりも、誰とやるかの方が大切だと実感させられる。
ここからは、今回の撮影のスタイリングの小技や使用したアイテムを紹介。
今回初めてモデルをお願いしたAtsukiには、コーチジャケットの中に、ユニクロのウルトラライトダウンを着てもらった。
数年前から、コーチジャケットのインナーにユニクロのウルトラライトダウンを着るのにハマっている。コーチジャケットは、スケーターのユニフォーム的アウターだけど、富山のような極寒地域の冬には太刀打ちできない。なんとかしてお気に入りのコーチジャケットを真冬でも着られないかと考えて思いついたのが、この着こなし。普通はアウターとして着るくらいボリュームのあるダウンでも、オーバーサイズのコーチジャケットだったら、中に着ることができる。秋までしか着られなかったペラペラのコーチジャケットが、ダウン入りの真冬仕様のコーチジャケットに変身してくれる。
4XLのデカいウルトラライトダウンの裾は、ドローコードカスタムで、裾ブカブカ問題を解決。無いものは、自分で作る。
Soujiが着たオリーブのコーチジャケットには、オレンジのバックパック。オリーブには、オレンジがよく合う。PACKINGのおにぎり型バックパックは、定番の見た目のままサイズだけが少し大きいという気が効いたバックパック。アメカジシティスタイルには欠かせないアイテム。
今年の冬は、ウールソックスのおかげで、お店の底冷え問題をクリアできた。
ROSTER SOCKS(ロスターソックス)のメリノウールソックスは、リブの締め付けが緩めだからリラックスして履けるし、パンツのソックスインも簡単。試しに1足買って履いてみたらウールの保温効果を実感したから、すぐにもう1足買い足した。
オリジナルのカーゴパンツとコーチジャケットは、受注生産となります。
カーゴパンツは、受注期間があります。次回の発売は未定なので、ぜひこの機会に!
TEXT&PHOTO&EDIT:HI5
MODEL:Souji&Atsuki