NIKE SBのヒストリーとNIKEのテクノロジーが融合したシューズ。
NIKE SBから、ニューモデルPS8が出る。
PS8は、Problem Solver8の略で、これは、現在のNIKE SBを作り上げた男 故サンディ・ボデッカーのインスラグラムアカウント名から名付けられた。
サンディは、2018年に亡くなってしまったのだけど、NIKEに沢山の功績を残した伝説の社員として有名な人物なのだ。
これまでに何度もスケートボードシューズへの参入に失敗していたNIKEだけど、サンディが中心となってスタートした今のチームで、大成功を収めた。成功の理由は、いくつもあるし、スケーターたちが命を削って滑ったというのは間違いないけど、サンディが掲げたスケーターファーストの精神とスケートボードへの情熱が大きなエネルギーになった。
そんなサンディの意思を受け継いだシューズが、PS8。アッパーは、FLYKNITを採用したことで、軽く、通気性が高い。つなぎ目がないことも特長で、スケーターの足に優しくフィットし、長時間のスケートを快適にしてくれる。
ソールには、FLYPLATEを装備。この極薄プレートは、高い反発性で、スケーターの動きをサポート。着地直後の動きや、テールを弾く動きを強化してくれる。ズームエアバッグも搭載し、着地時の衝撃を吸収。ソールが厚く見えるけど、これはデザイン上の見た目で、履くと厚さは感じず、しっかりデッキの感覚が足裏に伝わってくる。
PS8は、軽さ、通気性、フィット性、反発性、衝撃吸収性、デッキフィール性という、スケーターにとって必要なサポートを全て備えたシューズに仕上がっている。デザイン全体は、ランニングシューズのような雰囲気。これは、ランニングを愛したサンディへの敬意かもしれない。
スケーターは、クラシックなシューズを好む傾向にあるから、PS8のようなテクニカルなシューズを受け入れる人は少ないというのが、お店を何年かやってきた感想だ。マーケティング的には、クラシックなシューズを、色と素材を変えて販売しておけば、大きな失敗はない。実際、スケートシューズ市場は、「ブランドのアイコンとロゴを入れ替えたら、全部同じシューズじゃん」という状態になったこともあった。NIKE SBは、DUNKやBLAZERのようなクラシックなシューズを出しながらも、他のブランドにはできないデザインやテクノロジーをスケーターに提案してきた。これは、もはや、実験に近いかもしれない。ほとんどの実験は、失敗に終わったかもしれないけど、NIKE SBがリリースする、オリジナリティに溢れ、未来を感じられるスケートシューズのファンは、少数ながら根強くいると信じている。NIKE SBが出してくれる新しいスケートシューズからしか得られない何かがあるのだ。
PS8のファーストカラーは、ブラックのアッパーにクリアソール。ストイックだけど、涼しげで夏らしいカラーだ。フランス パリオリンピックの年にリリースということで、ソールには、ほんのりトリコロールカラーも見える。NIKEの最新テクノロジーとNIKE SBのヒストリーが融合した歴史的一足になるかもしれないけど、コレクションしないで、スケボーで履き潰そうと思う。
NIKE SB PS8は、7月11日発売。