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NIKE SB VERTEBRAEと普通が一番むずかしいスケートボードシューズ。

NIKE SBから出る新しいスケートシューズ VERTEBRAE(バータブレイ)がすごく良いシューズだったから、スケーターのタッチャンを誘って、撮影に出かけた。


NO BIG DEAL STYLEについて
NO BIG DEAL STYLEは、スケボーショップHI5が提案するスケーターらしい着こなし。自分のスタイルをブランドや価格ではなくて、自分のセンスで表現すること。 友達に「それいいね」と言わせて、「大したことないよ(NO BIG DEAL)」と返す。そんなスタイリングをお伝えしています。


VERTEBRAE(バータブレイ)は、脊椎という意味らしい。ネーミング通り、アッパーやアウトソールから、骨のようなイメージを感じとることができる。

NIKEらしいテクノロジーを感じるデザインだけど、履いてみると、すごく普通のスケートシューズだ。これは、「良い意味で」と付け加える以上に、このシューズへの褒め言葉だと思ってほしい。

スケーターが満足できる普通のスケートシューズをリリースすることは、すごく難しい。今では、スケートシューズのトップブランドになったNIKEだって、これまでに何度もスケートシューズ市場に参入し、失敗してきた。スケーターは、自分たちのアイデアと努力でスケートボードカルチャーを作ってきた自負があり、ストライクゾーンが狭いのだ。そんなスケーターにニューモデルのシューズを売るというのは、簡単なことではないのだけど、VERTEBRAEは、新しいスタイルを探しているスケーターにおすすめのスケートシューズ。

スケーターは、新しいものが好きそうなイメージがあるけど、実は、とても保守的で、そのおかげで、良い塩梅でカルチャーが守られてきたという面があると思う。スケートシューズに対しても保守的であることは間違いなく、どうしても定番のモデルに人気が集中する。NIKE SBだったら、BLAZERが一番人気で、続いてDUNKやJANOSKIが人気。どれもクラシックでオーセンティックなシューズで、スケーターらしいセレクトだと言える。

だけど、やっぱり新しいスタイルが出てきてほしいというのも本心。保守と革新がせめぎ合って、新しいスタイルが生まれて、スケートカルチャーは続いてきたのだ。

VERTEBRAEの履き心地は、ソールに程よい重みがあり、ベタッとした踏み心地でデッキをグリップしてくれる。カップソールだけど、厚みは感じず、デッキフィール性も高い。バルカナイズドソールのスケートシューズのように重心を低く保ってトリックを狙えるシューズに仕上がっている。

アッパーは、このシューズの個性であるテクニカル感が全面に出ていて、ひと目で他のシューズと差別化されているし、新しさを感じられて良い。オーリーガード部分は、パンチングスエードで、耐久性と通気性をキープ。ネーミングとリンクしている脊椎のようなアッパーのデザインは、シューズの柔軟性と剛性の両面をアップ。スケート中の足の動きを邪魔しない柔らかさと着地時の足の捻れをカバーする強さを兼ね備えている。

ヒールや履き口周辺は、普通のフィット感で、つま先あたりは、BLAZERやDUNKと比べると少しスリム。つま先の感覚を重視するキックフリップ好きは、このフォルムは気に入ると思う。

NIKE SB VERTEBRAEが、スケートシューズの新しいスタイルになる、とまでは言えないんだけど、見た目ハイテク(もちろんNIKEのテクノロジーがちゃんと詰め込まれているけど)なのに、履くと普通のスケートシューズっていうのは、すごく良いコンセプトだと思う。税込み10,780円と、バリスケ勢も手に取れる価格なのも良い。

NIKE SB VERTEBRAEには、ゴープコアのようなスタイリングが合うと思ったから、ARC'TERYXのナイロンパーカーとNIKE SBのデカいカーゴパンツをスタイリングした。スケーターにARC'TERYXほどの高機能は必要ないかもしれないけど、僕たちが住む富山の気候だったら、これくらいが自然だ。寒く薄暗い毎日が続く北陸の冬だけど、高機能のウェアとNIKE SB VERTEBRAEでトリックを獲りにいきたい。


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