NIKE SBのロブスターDUNKとスケートボードの本質と永遠に履けるシューズの話。
NIKE SBから、ボストンのスニーカーショップCONCEPTSとコラボレーションしたDUNK LOWが出る。
これまでも何度かリリースされたロブスターをモチーフにしたDUNK LOW。ロブスターのハサミを留めるためのゴムバンドが付いていたりと、とてもユニークなコラボレーションになっている。
1996年にオープンしたCONCEPTSは、スニーカーを通じて、スケートボードやストリートカルチャーとファッションの橋渡しの役目を果たしているようなショップ。NIKE SBは、スケートボードショップオンリーというイメージがあるけど、こういったカルチャーショップもNIKE SBの魅力を伝える大切な場所なのだ。
ロブスターDUNKは、これまでにグリーンやパープルが発売されてきた。今回のオレンジが、自分的には一番ロブスターという感じがする。それはなぜかというと、↓このアルバムジャケットのイメージがあるから。
THE HIGH LOWSというバンドが1998年に発表したアルバムのタイトルがロブスターなのだ。ちなみにこのアートワークは、ダウンタウンの松本人志が描いている。
THE HIGH LOWSが大好きな自分にとって、ロブスターといえばこの色なのだ。オレンジというより赤に近いけど。
このロブスターに収録されている千年メダルという曲で、THE HIGH LOWSは、とても痛快にやらかしれくれている。スケーターだったら好きなエピソードだと思うから紹介しよう。まずは、この映像から。
ボーカルは歌っているのだけど、ギター、ベース、キーボードは、突っ立っているだけという異様なパフォーマンス。
番組側から生演奏はできないと言われて、それに対する返答的なやり方で、こういうスタイルで収録したという逸話がある。
勝手な想像だけど、ロックバンド呼んでおいて録音した音源流させるってなんなん?っていうことなのだと思う。
THE BLUE HEARTSのときも、メジャーレーベルと契約するときに、ライブのときの音量をマックスにすることを約束させたりしていたから、ライブに関しては、ゆずれないものがあるのだろう。
ロックバンドもスケーターも、限りある資源を分け合って社会の中で生きていく限り、やりたくないことを多少やらないといけないのが現実だ。その折り合いの付け方がやっていて悩むし楽しいところでもある。
録音した音なんてライブでは聴かせられねぇっていうことから考えさせられることは、スケートボードの本質ってどこにあるのかなってことだったりする。
東海岸のストリートスケートのスタイルが、都市計画と共に発展したっていう話がとても好きだ。それは、スケーターが既存の何かを、力で壊したのではなくて、街の変化に合わせて自分たちも変化して生き残ってきたってことだからだ。最近、ネットで「強いものが生き残ったのではなく、変化できたものが生き残った」っていうのを見かけるけど、スケーターってまさにそんな感じだ。年々厳しくなる日本のストリートスケートだけど、スケーターだったら、きっと変化を続けて生き残っていけると思う。
ちなみに、ロブスターは、脱皮のときに、殻だけじゃなくて内臓も一緒に新しいものに入れ替わって、理論上は、永遠に生きられるらしい。次のロブスターDUNKには、脱皮システムを取り入れて、永遠に履けるシューズにして欲しい。
NIKE SB CONCEPTS DUNK LOW "ORANGE LOBSTER"は、2月28日発売。